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雨の丸山を登る

アーカイブ:日光の山達  日時: 2007年07月08日 22:32

 天気の良い季節でも霧の多いことで有名な霧降高原へニッコウキスゲを見に行くことにした。

 第三リフト乗り場に着くと、やはり濃霧で視界不良。今日のコースは第三第四とリフトに乗り継ぎ、丸山{1689m}から八平が原へ抜けて駐車場に戻ってくるプチコースである。今回は初めての家内との二人だけの山行になるが、なるべく簡単に歩けて花のある所。そして多少の雨(霧雨)でも風情のあるところということで、このコースに決めた。

 深い霧の中、圧倒的に大多数を占める一般観光客に混じりリフトを2本乗り継ぐ。我々は傘もカッパも防寒着も持っているのに、こんな霧雨の中、よくぞ皆あんな軽装でこれだけの高度地帯にやってくるものだなと感心。下りのリフトで降りてくる人達は一様に、寒さと先ほどからいくらか強まってきた雨足に表情も曇りがち。

 第四リフトに乗る前に我々もカッパを着込んでキスゲ平へ到着だ。晴れていればそれなりの眺望だろうに、というのは来る前からの織り込み済みなので言っても詮無き事。ニッコウキスゲとタムラソウの咲き乱れる様をしばし眺める。

 ここからはいよいよ山道になる訳だが、少し進んだ丸山分岐手前の広場でアクシデント発生!
 突然家内がステンと尻餅。何でもない場所だったのに運悪く泥に足を取られた模様である。ウォーキングシューズ故グリップが無かったのが原因であろう。透明のビニールカッパ(一応山用)に泥がべっとりとくっついてどこから見ても"転んじゃいました"状態である。

 今回は私もカッパを着込んで山に登るのは初めて。足許の悪い登山道も初めてなのでいつにも増して慎重に歩を進めていく。それでもあっという間に山頂へ到着だ。コンディションの良い時なら、キスゲ平からの丸山往復は小さな子供を連れたファミリーハイキングなどでももうってつけであろう。

 ガスで何も見えない山頂で簡単な昼食を済ませる。予定していた八平が原への下山ルートはガイドブックに急斜面ありとの記述があり、実際地形図を見るとさもありなん。先ほどの家内の尻餅の一件があったのでおとなしく往路を戻ることにした。

 山は登りより下りのほうが難しいとはよく言われることだが、今日の下りは実に難しい。帰りはいずれにせよリフトは使うつもりは無かったので、キスゲ平から先も登山道を歩いて下った。ツルツルの部分があちこちに待ち受けていて難儀する。それこそ一瞬でも気を抜いたら泥んこになるのは必至。真剣にルートを選び、藁にもすがる思いで樹の枝や根っこに世話になりながら降りていく。

 途中我々が感じたコース一番の難所とおぼしきポイントで、下から軽装で傘を差しながら登ってくる夫婦に出会って肝を潰した。山登りとはまったく無関係の格好でどうやってここまで登ってきてそしてまた下山していくのか。呆れて開いた口が塞がらないとはこの事である。

 第三リフト脇の登山道になると斜度はぐっと緩くなりようやく歩くのも楽になってきた。軽装の観光客がまた下から登ってくる。どうやら登山道周辺にニッコウキスゲの群生があるのではと思ってやってきたようだが、聞かれた先の状況を説明すると納得して程なくUターンした。この時期の霧降高原は、こんな雨の登山道までヒトに遭ってしまうものなのである。

 無事自宅へ戻り、早速家内のトレッキングシューズを買いに行った。これで次回から足の備えは一安心だ。かくして家内を山へ引きずり込む計画は「山登り」のように小さくても確実に一歩踏み出したのである(^_^)

 今回はGPSはザックにしまい込んで記録は無かった。また、コース自体も難しいところ危険なところも皆無であったが、次回訪れる時はリフトを使わずに登り、そして出来れば眺望を堪能し、八平が原周遊を家内と二人で果たしたいものである。

     
第三リフト    丸山 山頂    キスゲ平らの下山道標
「歩いて降りる人」と、ことわるところがいかにも観光地

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コメント (5)

Non:

 こんばんは。なるほど、ロープウェイで登って、その側の登山道を歩いて下りられたんですね。
八平が原へは、序盤がかなりの急坂(しかも、道がえぐれて滑りやすかった)でしたので、
奥様がご一緒だったことを考えると、そちらで大正解だったのではないかと思います。
 下りに使われた方に難所があったの、よく覚えています。お怪我がなくて良かったですね。
特に奥様、せっかく雨の中を歩いても転んで怪我をして・・・だとイメージが悪くなったでしょう
から・・・ でも、さっそくのトレッキングシューズ購入! 今後のご報告がますます楽しみになりました(^^)

こんにちは^^
奥様、ケガしなくて良かったですね。
山道は思わぬところでバランスを崩す時がありますね。

ニッコウキスゲがキレイに咲いていますね。
ハイシーズンなので、観光客も多かったことと思います。

>下から軽装で傘を差しながら登ってくる夫婦に出会って肝を潰した。
観光地、とくにリフトやロープウェイの設備がある山で多く見かけますね。
茶臼岳などは、ハイヒールで山頂を目指す女性もいらっしゃいます。
我が県の最高峰「白根山」でも、まさかの軽装に遭遇して驚いたことがあります(笑)

八平ガ原への下山ルートは、両手をつかないと下りられない場所もあり、足元が悪い日は危険ですので、今回断念したのは正解だと思います。

けれど、八平ガ原は一面に広がるササが不思議な雰囲気をかもし出していて中々よい場所です。
振り向けば、丸山がそびえ立っています。

次回は是非!

まっちゃん:

Nonさん。なおさん。ご覧いただきありがとうございます。

加えて、家内へのお気遣いもありがとうございます。
転んだのは本当に「あり得ない程普通の場所」だったんで、私も周りに居た人も一瞬、何故?状態でした(^^;

下りは相当あちこちに力が入って歩いていたようで、私は普段痛くならない太ももの裏側がちょっと痛くなりました。
家内は、足の他に初めて使うトレッキングポールで腕も痛くなっているようです。

>八平ガ原への下山ルートは、両手をつかないと下りられない場所もあり、足元が悪い日は

ヒェー。行かなくて良かった。
昨日のコースの下り難所(プールのウォータースライダー並)も捉まるところが無くて往生しましたが、きっとそれ以上かもですね。
次回はもうちょっと山道がドライな時期に行きたいものです。

せろー:

♪雨の丸山 夜霧の日比谷 今も心に やさしく浮かぶ~

ちょっと違いますか?こんばんわ せろーです。

雨中の登山 カッパのお世話になります。
ここでわたしは言葉を大にして言いたい。

大事な奥様のレインギアにはビニールはやめて
ぜひとも ゴアテックスのカッパ ゴアテックスのカッパに
賢明なまっちゃんの清き三万円弱を投入していただけますよう
伏して 伏してお願いもうしあげます。

久米島泡盛のボデイブローが効いてきた~。

まっちゃん:

せろーさんこんばんは。酒もタバコもまったく縁の無い自分にとっては飲んで何かする(出来る)というのが羨ましいです。

ゴアテックスのカッパ。欲しいです。私も。
でもカッパに三万円弱っていうのはやはり腰がひけちゃいます。
店で持ってみると軽くて良さげ。実際に着たことはないので何とも評価できませんが一般的な評価を聞くと素晴らしいようですね。

私が着ているカッパは一応「水は通さず空気は抜ける」という素材を使ってますが、何せ比較するものが無いのでこんなものなのかなぁと思いました。まぁ値段も数千円なので、それを考えれば上出来かもしれません。

今回は家内はシューズを買いましたが、この後も山行につきあってくれるようなら次はカッパですね(ゴアテックスは無理ですが)。

しかし、この間の丸山で思いました。
行った先で降られるのは仕方がないとしても、やはり明らかに降る時はむやみに入山すべきではないと。

だって、何でも無い下りでもかなりガチガチに緊張しながら降りたものだから、翌日変な場所が痛くて・・・
足元が滑りやすいというのはやはり危険です。

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    こんにちは^^ 奥様、ケガしなくて良かったですね。
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     こんばんは。なるほど、ロープウェイで登って、その
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