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大山から好眺望の牧場を下る

アーカイブ:日光の山達  日時: 2008年05月06日 21:52
-- 『e-trex Leggend US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 連休最終日は、4月からあまり恵まれなかった天候の溜飲を下げるようなピーカン。雲一つ無いような青空の下、これまた見渡す限り広大な景色を堪能出来る霧降高原の大山へ行ってきた。家内とそろそろ山行をと考えていたが、やはり楽チンで景色の良いところが必須条件。ガイドブックを精査すること数週間。大山を霧降第三リフト前からの「山下り」となった。

 大山へ登るコースは、霧降の滝方面から周回するコースとバスの終点である霧降高原から下ってくるコースのいずれかが一般的であるが、今回は楽ちんコースが必要条件なので迷わず第三リフト駐車場へと車を駐めた。

 駐車場から見える景色が既に絶景の中にあり、リフト乗り場へ向かう連絡トンネルをくぐった横から大山へのコースはスタートだ。雄大な景色を見下ろしながら笹の斜面を降りていくのだが、はじめに下りというのもかなり新鮮な体験だ。

 少し急な部分もあったが、程なくのんびりした雰囲気の道となる。下り一辺倒故に、家内からは「下りは飽きてきた」などという発言も飛び出してきた。

     
第三リフト脇からさぁ下山?    笹の中を降りていく    のんびりハイキング

 ミツバツツジが所々見事に咲いてはいるが、まだまだ蕾の株も多い。少しタイミングが早かったようだ。もう少し経てば燃えるような花の道になるのだろう。

 枯れ沢の合柄橋へ到着すると、ここからは僅かだが登りがある。

     
オオカメノキ    合柄橋から登り    ツツジが見事

 緩い登りを進んでいくと牛の防護柵があり、更に人がやっと一人通れる位のゲートがある。このゲートの向こうが放牧地になる。確かに牛は通れない幅だが、大柄な人も通過が難しいのでは?と要らぬ心配をする。肥満の方は立ち入り禁止なのか(^^;

 こんもりとした放牧地の向こうに大山の頂上とそこにあるあずまやが見える。緩い斜面であり一気に行ってしまいところだが、先ほどまで元気だった家内のペースがガクンと落ちる。まぁ休み休み、そろりそろりと参ろう。

     
牛よけがあって・・    巨体の人は通れないかも    牧場内を登る

 山頂からは見事な景色が広がる。東側の赤薙山が存在感を誇示し、いつもと違った角度の男体山がグロテスクに顔を出している。南側の緩やかな傾斜の放牧地と遠景の山々のコントラストはいかにも牧歌的。さして苦労もする事なくここまでの好眺望を得られのもあっけない気がするが、楽ちんハイキングならではであろう。

     
東側パノラマ    山が切れてしまったぁ    まぁいいか
     
こちらは南側パノラマ      

 今回はストーブ初体験。先日遂に入手してしまった。

 ただコーヒーを熱々で飲みたかっただけなのである。お湯を沸かすのみという、ままごとのようなうポテンシャルの低い使用方法なのだが、それでも何となくわくわくするものだ。
 お湯を沸かすというこだわり故に小さなヤカン(トランギア製の0.6L)も同時に購入した。結局、ストーブ本体、ガスとこのヤカン、水も加えると結構な荷物になる。単独の場合は持って行くのが難しいかもしれない。

 屋外で実際に使うのは初めてであったが、目の前でお湯が沸騰するのを見るのはなかなか楽しいものだ。個包装の簡易ドリップなれど、熱々のお湯で淹れたコーヒーが美味しかったのは言うまでもない。

 昼食を食べている時に一緒になった単独行の60過ぎ位の方の話によると、例年GWの頃に来ているが、いつもツツジは輝かんばかりに咲いているのに今年はまだ咲き揃っていない。こんな事は珍しいとか。冬が寒いと開花時期も遅れるだそうだ、

 下山は(スタートから下山しているのだが)山頂から南へ進路を取り、霧降の滝まで下っていく。出だしは少し牧場の舗装管理道を歩くことになる。

     
珍しいまっちゃんの写真    ストーブ初体験    下山出だしの管理車道

 舗装路とはいっても車の往来がある訳ではないので、やはりのんびりと歩ける。だが、真夏はいくら高地といえどもここはちょっと歩けないだろう。遮る木が無いので日差しが直撃だ。

 猫の平にもまた、あずまやがある。時間によってはここで昼食にするのも良いだろう。

 ここからはコースが二手に分かれる。マックラ滝方面へ行く道と南東の尾根を辿る山道。
 南東の尾根を予定していたが、コースの入り口にロープが張ってあり道を塞いでいる。特に立ち入り禁止の立て札なども見あたらないし、道標もあるので様子を見ながら進んで見ることにした。

 笹が深く生い茂る道は、それまでの明るい牧場の雰囲気と一変して静かな山道となった。ひっそりと咲くつつじもまた美しい。

 歩く人があまり多くないせいか、踏跡もところどころ薄く、腿のあたりまでかかる笹をかき分けながら降りていく。所々に道標を見つけてコースを外していないことを知る。

 山相が針葉樹林帯へさしかかると途端に道が一変した。それまで笹の中に細々と続いていた踏跡が突然作業道にかき消される。作業道もまた縦横無尽に付けられており、本来のコースを見つけるのがかなり難しくなってきた。この辺のことを考えて入り口にロープがかかっていたのだろう。ハッキリとした道しか歩いた事のない人にはかなり難しい状況になるのは想像に難く無い。

 作業道に引き込まれると失敗する可能性が高いので、ここでGPSと地図の出番である。幾らか道捜しはしたものの、結局方角を合わせて作業道(のような)荒れた道を辿っていくとそのうちまた道標が現れてまずは一安心だ。

     
猫の平からまた山道へ    静かに咲くつつじもまたよし    笹深い道
     
      針葉樹林から道が荒れ出す

 針葉樹の森から再び広葉樹林帯へと飛び出す。メリハリのある山である。程なく渓谷を渡る。新緑に映えるせせらぎは、青森の奥入瀬渓谷をも彷彿とさせるような美しさだ。

 渓谷からツツジガ丘までは最後の軽い登りが待ち受けている。あまりにも楽ちんな一日だったので私は軽い足取りで登っていくことが出来たが、家内は流石に疲れが出た様子で、重い足を引きづりながらも最後の一頑張りだ。

     
渓谷が美しい      

 牧場付近ではまだ蕾だった赤いツツジが、ツツジガ丘手前では満開である。大した標高差ではないのにこうも違うとは自然はデリケートなもの。明るいツツジのトンネルをくぐり無事本日の山行を終了することが出来た。

 帰路は霧降の滝前からバスに乗り第三リフトまで向かう筈だったが、大笹牧場行きの最終便が出てしまっていた為、第一リフトから先は徒歩になってしまう。私としては体力に余裕があったので10分20分の登りになんら問題は感じなかったのだが、家内のバテバテで共に第一リフトの客となった。

 リフト券売り場の人からこんなアドバイス。「大山を周回される場合は、霧降の滝駐車場に車を駐めて、どうせ1回は乗るバスを朝の登りに使います。そうすれば下りは時間を気にしなくてもOK」。
 なるほどね。コロンブスの卵的に明瞭なご指摘。目から鱗。それじゃぁリフト券が売れないだろう、なんてツッコミはしちゃいけない程親切なアドバイスであった。

     
ツツジガ丘手前    おまけのリフト   

概略コースタイム
第三リフト駐車場発(10:12)-合柄橋(10:59)-牧場ゲート(11:35)-山頂着(11:48)-昼食休憩-
山頂発(12:18)-猫の平(13:11)-霧降川横断(14:05)-霧降の滝バス停着(14:42)

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コメント (5)

Non:

 こんばんは。大山から下るハイキング、楽しく拝読しました。このコースは霧降滝~猫ノ平、
または霧降滝~大山~合柄橋~霧降滝の周回などで歩いたことがありますが、いつもツツジなどの
シーズンを外しているので(笑)、新鮮に感じられました。まだ数は少なくとも彩りが良いですね。
今月~来月、行き先に迷ったら歩いてみようかな(^^)

 そのツツジ、山の上の方はまだ先のようで、ちょっと驚きです。あと、「シロヤシオ?」と
書いていらっしゃる花、たぶん、オオカメノキ(別名ムシカリ)だと思います。
ヤシオ(八汐)ツツジは、赤、白、紫があり、アカヤシオが咲いた後、シロヤシオやムラサキヤシオが
咲くようです。白と紫はなぜか、毎年はっきりと意識したことがなくて、数も少ないのかなぁと。
今年はそれぞれチェックしてみたいです。
 あと、これら全て花図鑑などの受売りですが(笑)、シロヤシオは別名ゴヨウ(五葉)ツツジとも
言われて天皇家の愛子さんのお印になっている花で、ヤシオツツジそのものも「ヒトツバナ(一つ花)」
と呼ぶこともあるそうです(『群馬県の山』より)。

 そうそう、最後のリフト乗り場の店員さん。いい人ですね~。思わず笑ってしまいました。
あと奥様は、これから徐々に体力を回復なさるように願っています。ふぁいと~(^^)

Non:

《追記》ストーブ! ついに購入なさいましたね~(^^) 山で飲むコーヒー、ホントに美味しいですよね。

まっちゃん:

Nonさんこんばんは。オオカメノキ。早速修正しました。葉っぱの形が特徴的だったので絶対違うよなぁ。でも白い花で知っているのはシロヤシオだし。てなレベルです。

今春の山行で思ったのは、ツツジが如何に種類が多いって事です。
我が家の庭(のような空間)にもツツジが丁度今花を付けていますが、大振りなその花びらを昔から五月と信じていました。

家内とその話をした時、「あれはウマツツジよ」って言われました。
家内もそんなに花には詳しく無いほうなので、「ウマツツジって随分詳しいんじゃん」と言ったら、家内の実家の母が家に来たとき教えてくれたそうな。

ってな訳で我が夫婦は共にツツジの名前が解らず大山を歩いてきましたが、綺麗さは充分に堪能することが出来ました。
こうなると欲が出てくるもので、以前も話題に出ましたが、やはり花図鑑買い求めなければと思います。たまに本屋でその手のコーナーを覗いているのですが、なかなかわかりやすいのが無くて今日に至っています。

ストーブ買いました。
でもちょっと後悔したのが、五徳が折りたためるやつを買えば良かったと。
本体の収納体積がまったく違いますね。
ガスの消費量は、600ccのお湯を沸かして10g、先日自宅で遊びで袋ラーメンを作って見たら15gと微々たるもの。250gのボンベ1本で結構使えますね。

Non:

 こんばんは。ウマツツジって初めて聞いたなぁと思って調べたら、レンゲツツジの
ことのようですね。なるほど~、別名のある花は難しいですね(^^;)
 花に関しては、私もここ最近ですよ、特に山で咲く花。ただ、思い出したのですが、
実家に『カラー花図鑑』の類があって、それを小学生の頃に良く読んでいました。
それで、あまり詳しくなくても、大まかな種類くらいは解るのかもしれないなあって。
 現に、Non夫がちょうど、まっちゃんさんと同じくらいの知識で、太平山で
「これ、タンポポだよね」って私に聞いてきて、「そうよ」と答えると、「よかった、
合ってた」と言ったほどでした(笑)

 図鑑は、引き方だとか好みがありますよね。私は書物代わりに見て楽しむので、
何冊か持っていますが。まずはネットで…ですね。

まっちゃん:

今日夕方所用で、いつもより少し早く会社を出たので帰りに書店に寄りました。

はじめ、花の本ばかり物色していたのですが、山で見る木に咲く花は載ってないようで、どうやら樹木と草花は別カテゴリという事に気付きました。

結局、

葉・実・樹皮で確実にわかる 「樹木図鑑」
 ここをおさえていれば簡単に樹木の名前がわかる
 街中で、野山で、海岸や山地で見られる樹木を網羅!

という本が気に入ったので早速購入しました。
樹の全体像と花の細かい様子の写真も載っており、オールカラー360頁越。これで1,500円とはお
得。情報が氾濫している昨今、本が割安に思えるのは私だけでしょうか。
ツツジも色々な種類が載っているので早速今晩から就寝前の1冊とします。

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