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県境の山 熊鷹山

アーカイブ:安蘇の山達  日時: 2008年05月04日 22:00
-- 『e-trex Leggend US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 熊鷹山(くまたかやま){1168.6m}。いつか行くぞ行くぞと思っていた。でも付近に不死熊橋という地名があったりでどうもクマくさい(どんなだ?)感じがしてビビッテいた。最近、「北関東のクルマで行く山歩き」みたいな本を見ていたら結構人も沢山登っているようだし、ツツジの季節は良いということらしいという事を知った。

 今回は久々のH君登場。鞍掛尾根以来1ヶ月半のブランクはいかなるや。

 

 葛生から国道293を離れ、県道をひた走り小戸川添いを登る林道へとパジェロミニを進める。途中から完全な砂利道となり久々のオフロード走行が楽しい。道路脇を流れる小戸川は気持ちの良い渓谷になっており、夏などは避暑がてらここを目当てに訪れても良いかもしれない。

 砂利道になってからかなり登った頃にようやく終点の駐車ポイントに到着。広場には既に7~8台の先客あり。途中の林道も結構山深い感じがしたので、これで車が1台も駐まっていなかったら先日の丹勢山の再来かとビビッていたが、どうやら今日はそんな心配は無さそうである。

 駐車地の奥にある細い道から山に入ると小戸川上流の渓谷が清々しく我々を迎えてくれた。

     
駐車地    奥が登山口    滝が美しい
     

 所々にある幾つもの滝を見て、沢を右に左にとまたぎながら岩のゴロゴロとした道を登っていく。紅葉の時期もまたこの渓谷は素晴らしいことだろう。

 暫くすると沢沿いにわさび畑が見られるようになる。こんなに細々と作っていたのでは自家用にしかならんだろうと思っていると結構上の方までわさび畑は続く。地元の特産品なので勝手に獲るべからずとの注意書きもあった。
 わさびは水の綺麗なところでないと育たないものだ。昔子供の頃父親に連れていかれた山行の折り、青梅線の沢井という駅の周辺でわさび畑をよく見た事を思い出した。東京都とはいえども当時はかなり自然が豊富な場所だったのだ。

 この沢添いの道は、幾多の滝以外にも下の写真にもある夫婦杉のように見るものも多く、登る者を飽きさせない。

     
わさび畑    夫婦杉    黄色と緑が映える

 途中、丸岩岳への分岐点を過ぎ更に滝を幾つか見ながら登っていくと、やがて道は笹原となり熊鷹山への尾根を目指すようになる。沢の音もすっかり消えて山の静寂が戻ってきた。広葉樹で明るい斜面を登り、汗ばんできた頃振り向くと、帰路に通過する丸岩岳だろうかその手前の1084mピークだろうか。山の姿が大きい。

 決して斜度はきつくはないが、じわじわと脚にくる登りだ。後ろのH君も久々の山行なのでかなり登りに苦戦している。途中何度か息を整えながらようやく熊鷹山の主尾根に突き上げた。
 鳥居をくぐり最後の一頑張りで山頂へ到着。登山口から数人のハイカーとすれ違ったが、山頂は10人程度の先客で賑わっていた。

 櫓(写真撮るの忘れた)に登って見ると評判通りの360度パノラマ。生憎雲が厚い為スッキリとした眺望は無かったが、それでも充分見応えのある景色である。これは是非とも真冬の空気の澄んだ季節に登って見たいと思った。無雪のタイミングなら車のアプローチも登山道もなんとかなりそうだ。

     
沢を離れ笹原を登る    尾根に突き上げ山頂へ    熊鷹山頂上

     
山頂よりパノラマ      
     

 山頂で食事をしている間も数グループの往来があり、なるほど人気の高さを実証している。廻りの話を聞いている、大戸川添いにアプローチして三滝のほうから登って来る人も結構いるようだ。櫓下に設置されている案内板を見ると、三滝から十二山経由、あるいはちょっと頑張って氷室山から廻ってくるコースも考えられる。この山域も楽しみである。
 山頂周辺はツツジの木が沢山ある。残念なことに開花まではもうちょっと、あと1週間位かかるのであろうか。いずれにせよ咲き揃えばかなり綺麗なことだろう。

 さて、後半戦は登ってきたほうへと一旦戻り、尾根づたいに丸岩岳へと縦走だ。起伏の緩やかな尾根道にミツバツツジが所々迎えてくれて気持ちの良い縦走路である。

     
案内板    丸岩岳への縦走路    ミツバツツジ

 丸岩岳(まるいわだけ){1127m}の手前は幾らかの登り。緩やかな道ですっかり弛緩した足腰にムチを打ちながらやり過ごすとそこは山頂。樹に覆われ眺望は無いが広い笹原で気持ちがよい。

 笹原の急斜面を降りるとまた所々にミツバツツジが見られる。鼻歌交じりの長閑な下山だ。

     
丸岩岳頂上    笹の急斜面を下る    ツツジが迎える下山路

 高度を下げていくと徐々に林層が変わってくる。突然針葉樹の尾根に突き当たったと思ったらビニールテープで通せんぼ。右の斜面を赤テープに誘導されながら降りていく。微かに沢の音が聞こえてきた。

 杉ヒノキの急斜面を降りていくと、朝通った分岐点へ到着だ。帰りは滝の一つ一つを丁寧に見ながら降りていく。ふと目を落とすと路傍の新芽が若々しく輝いている。そんな春の楽しい山行であった。

     
ここは行き止まり 右下へ    分岐点へ到着    新芽が眩しい

概略コースタイム
駐車地発(9:15)-丸岩岳分岐(9:45)-沢から離れる(10:29)-主尾根突き上げ(11:04)-
熊鷹山頂上着(11:15)-昼食休憩-山頂発(11:39)-1084mピーク(12:04)-丸岩岳(12:22)-
丸岩岳分岐(13:23)-駐車地着(14:02)

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コメント (3)

Non:

 こんばんは。このコース、まさに私が少し前に歩いてみようと企んだコースです。思ったとおり、
存分に山歩きを満喫できそうな感じですね(^^)

 県道から林道小戸川線に入る時、入口に「関係者以外 立入(進入?)禁止」の看板、ありませんでした?
で、林道はずっと砂利道のようですね。Non夫がその2点で走行し続けるのを躊躇したんですが…
うーん、小型でオフ車… 私専用に欲しい(爆)
 ところで、Hさんは1ヶ月半ぶりだったようで、お疲れになられたでしょうね。まっちゃんさん、
また鍛え直してあげないと、ですね(^^)

こんにちは、お久しぶりです^^
まっちゃんさん、山登りやプチツーリングでGWを満喫されたようですね~

熊鷹山は僕も同じコースを歩いた事があります。
>沢の音もすっかり消えて山の静寂が戻ってきた。
この感覚スゴクわかります。
ズッと沢の音を聴きながら登っていくので、その分、沢から離れたときには本来の山の静けさを強く感じますね。

丸岩岳までの尾根道はホント気持ちが良いですね。
とくに今回はミツバツツジもキレイに咲いていたので、尚更だったのではないでしょうか。
僕が登ったのは確か2月だったので、残雪が残る丸岩岳からの急降下には、ちょっとビビリました(笑)

まっちゃん:

お読みいただきありがとうございました。

>Nonさん

小戸川線入口の進入禁止の看板は無かったような気がします。
見落としたのかなぁ。林道終点の広場(駐車場)はほぼ満車状態で、下山してきたら路側にも何台か駐まっていました。

4駆車が殆どですが、中には乗用タイプの2駆車もありました。Nonさんのお宅は確かRAV4でしたよね。それなら全く問題無しです。次回は如何ですか。このルート。

H君は帰りの車内で爆睡してました(^_^)


>なおさん

なおさんの熊鷹山行、以前読みました。
その時以来ですよ。私もいつか登ろうって思ったのは。

つつじは、赤いやつ(無粋故名前が解らない)はまだ蕾、ピンク色のミツバツツジは丁度盛りでした。

>残雪が残る丸岩岳からの急降下

確かに丸腰(靴のみ)ではちょっと辛そうですね。
私は笹目倉へ登った時、小来川寄りの風雨雷山あたりで残雪に手こずりました。
あと、三峰山のアイスバーンも大変だった。

来シーズンは軽アイゼンを入手しようと考えてますが、履き慣れないとかえって危ない局面もあると言われていますので、まずは慎重に足慣らしで宇都宮で雪が降った翌日の古賀志山あたりで練習したいところです。

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