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かまど倉と川化山

アーカイブ:今市鹿沼の山達  日時: 2008年12月13日 19:36

-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 かまど倉{556.6m}は2回目だ。もっとも1回目は取り付きを間違って敗退。ここは地図に無い林道が縦横無尽に張り巡らされているので登山口までのアプローチが難しい山だった。
 GPSを買ってから何度か車を駐める場所も含めて取り付き地の偵察を行っている。今回はかまど倉から川北山(かわばけやま){497.3m}への縦走、地形図に山名表示の無いこの2座をH君と縦走することにした。

 と、まぁ勇ましい出だしだが、自分の様な道迷い者が多いのを憂慮してか、県内ハイカー有志の手により間違えやすい林道の分岐には真新しい道標がたくさん設置されたようである。実に安心に取り付き地へ到達することが出来た。関係者に大いに感謝したい。

 なんで前回は間違ったのだろうと首を捻る程簡単に取り付き地へ到着。{前回は林道を1本間違えた}

ここから鉄塔巡視路のジグザグ道を登っていき、汗が滲む頃に尾根へ突き上がり、221号鉄塔下へと出る。

 鉄塔脇にも真新しい道標が設置されており、迷うことなく山頂へ進むことが出来た。

     
林道終点取り付き地    尾根にある鉄塔    親切な道標

 気持ちのよい尾根を暫く進み、一カ所急登をこなすと展望台がある。今日は高層の雲が厚く天気は今一つだが、それでも古賀志山方面がよく見えるのが嬉しい。ここを通り過ぎて程なくすると山頂へ到着である。

 山頂からの眺望は木に覆われていてすっきりしない。水を飲んで一息入れていると先の方から声がする。駐車地あたりで先行していたグループが先の方から戻って来た。
 リーダー風の男性に話を聞くと、「かまど倉」由来の大岸壁の上の見晴台が少し先にあるという。

     
気持ち良い尾根    展望台より古賀志山(奥)    かまど倉頂上

 地形図でもはっきりわかる崖記号の真上、かまど倉の岸壁の上に立つと、南や西の眺望もさることながら、やはり下を覗くともの凄い。迫力のカットをカメラに収めたかったが、危険なので止しておく。

 しばし景色を楽しみ、先ほどの鉄塔下まで戻った。一旦往路に入り、すぐの所に赤テープがある。事前情報で得ていた川化山へ向かう稜線への入り口だ。踏み入れるとなるほど、東へ向かって尾根が続いているではないか。

 かまど倉~川化山間は、一般的なガイドブックでは紹介されていないせいか、歩く人は少ないようである。(本日出会ったグループは全員歩いていたが)
 こちらの稜線に入ると流石に道標は途絶え、踏み跡と気まぐれなテープや紐、布の類が頼りとなる。中には包装資材(同じものが一杯あったので、恐らく工場で余っていたのか?)などもあり、種々雑多。もっとも440Pまでは特に迷うようなポイントも無く快適な尾根歩きだ。

 ところが、440Pを通り過ぎ、次の明るい落ち葉のピークを下ってから登り返しを始めると、がらりと状況が変わり岩尾根が出てくる。左右切り立った痩せた岩尾根は慎重に渡るべし。山慣れした人なら面白いコースだろうが、われらビギナーはとにかく安全第一。
 右手に巻けそうなポイントも幾つかはあったのだが、明確な巻道ではないのでそちらも決して安全とは言えず、丹念に一つ一つ岩を越えていった。

 やがて岩が終わり、突き当たった所をトラバースして一旦尾根の南端に出る。そこから方向転換して一登りで川化山である。最後の稜線もあまり歩かれていないのか、自然のままの雰囲気が感じられる。

     
山頂先の展望台より    440Pより川化山    岩尾根

 山頂では、かまど倉ですれ違ったグループが車座になって賑やかに食事中であった。話を聞けば男性リーダー氏は、古賀志山をゆうに三千回以上は登っているという、古賀志山の主だとか。三千回というと毎日登っても10年近くはかかる計算。いやはや本当なら大したものだ。

 グループが下山してしまった後の静寂を暫し楽しみ、我々も腰を上げる。皮肉な事に下山を始める今頃になって、厚かった雲間から光が差し始めた。それにぐっと温度が下がって冷たくなってきた。どうやら天気の変わり目のようだ。

 下山は、「栃木の山紀行」さんで紹介されている440Pから南東の尾根を下って行くルートを歩く予定であった。いざ440Pに立って見渡しても、目指す方角に顕著な尾根は確認出来ない。強行しようにも等高線から考えられるより遙かに急斜面である。

 仕方がないので440Pよりかまど倉側に少し降りた所からやはり下を窺うが、植林地内は思いのほか急斜面である。若干の思案の末、440Pを降りきった鞍部から、白い布が巻かれた一本の木を頼りに植林地へ突入し、トラバース気味に駐車地を目指す事にした。

 降り始めるとすぐに作業道が出てきた。これを追っていくと440P下を東へと巻いた感じで進んでいくが、やがて行き止まり。440Pの南東尾根はGPSで確認するともう少し東側にある。方角は間違っていない事と高度的にはもう林道が目と鼻の先であることを考え、植林地内を斜めに下って行った。斜度はさほどきつく無いが、足元が滑りやすくて体重のあるH君は難儀している。

 どうにかこうにか無事林道に辿り着くと、先ほどから上の方で声が聞こえていた南東尾根から中年夫婦が降りてくる。話を聞いてみると、440Pから初めの急な部分を少し下ると尾根の形が見えたそうだ。我々の辿ったトラバースルートも結構緊張を強いられた事を考えると、南東尾根をもう少し真剣に探すべきだったかもしれない。

 家に帰ってGPSの軌跡を見て残念だったのは、鞍部の後の作業道に引き込まれないようにして真っ直ぐに等高線の緩い谷を降りれば、往路に通った林道に最短で到達出来た事。でも、いざその場に立つと、等高線より斜度がきつく見えたり、進行方向の深い薮に躊躇したり、そして道形がはっきりするとそちらに進みたくなってしまう精神的な脆さ。まだまだルートファインディングにはほど遠いと痛感するのであった。

     
川化山頂上    植林地へ突入    植林地を下る
  
川化集落   

概略コースタイム
駐車地発(9:50)-林道終点(10:10)-211号鉄塔(10:28)-かまど倉山頂(10:49)-展望岩(10:55)-
川化山への尾根分岐(11:16)-440P(11:37)-川化山頂上(12:00)-昼食休憩-山頂出発(12:47)-
440P(13:06)-植林地突入鞍部(13:26)-林道へ復帰(14:01)-駐車地着(14:15)

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コメント (4)

せろー:

こんばんわ せろーです。

毎週 登山モードになってますね。バイクはお休みですか?


かまど倉へは しばらく行ってませんが 駐車地から林道終点まではセローで登れますか?

昔 引田のほうから 登ったきりなので こんど川化から行ってみようと思ってます。

まっちゃん:

せろーさん。こんばんは。

バイクのほうは、バッテリーが上がらない程度にたまに乗っていますが、長距離はご無沙汰です。
山のほうは時間的にも半日程度ですので、まぁメタボ対策と言ったほうが適当かもしれません。

たまにバイクに乗るとその度に新鮮な感激がありますが、時間の限りもあるので両立は難しいです。でもずっと乗り続けるし、歩き続けるつもりです。

>駐車地から林道終点まではセローで登れますか?
全然OKですよ。途中の荒れた所で四駆軽トラでも無理な区間が一ヶ所ありますが、セローなら楽勝です。
鉄塔巡視路は流石に無理ですが(^^;

Non:

 こんばんは。思ったよりもコメントが遅くなりました。レポを拝読した後、改めて周辺の
地形図を見てみましたが、この辺はそれなりの標高があっても無名という山がいくつも
あるんですね。一度どこかを歩き出すと、そのまま続けて歩きたくなりそうな…(^^)

 そういえば、足跡があるように見えると、ついついそちらに行きたくなりますね。
何度か間違えながら修正して、そういう経験を積んで上達するような…
でも、安全最優先で、無理をしないことが一番ですよね。私も普段から注意していますが、
今後さらに気を引き締め直そうと思います。

まっちゃん:

Nonさん、こんばんは。

あの辺りで次に考えているのは羽賀場山~お天気山縦走ですが、ここも山名表記が無いのですね。鳴蟲山から見たこの稜線はなかなか雄々しい雰囲気がありました。

お互い安全一番で山を楽しみましょう。

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