« 御亭山 | メイン | 盗人岩との出合 »

廃れゆく里山 寺久保山

アーカイブ:安蘇の山達  日時: 2009年02月11日 22:07
-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 今週末の土曜日は久々に休むことが出来るのだが、無情の雨予報である。数日前まで傘マークが出ていた11日の予報が晴れマークに反転したので、最近歩き不足のH君を伴って佐野の寺久保山(てらくぼやま){357.3m}へ登る事にした。

 山に登るようになってからは、もはやお馴染みのアクセス路であるいつもの国道293を使い、葛生・佐野へと車を走らせる。晴れマークだった筈の天気は、何やらどんよりとした雲に覆われている。時折り気をもたせるように日が差しかけるが、どうにもこうにも雲に軍配が上がってしまのが少し悔しい。

 駐車地である雷電神社への道に少し迷った。着いてみると県外ナンバーの先客ハイカーが丁度出発したところである。少し戻った所にハイキングコースの案内板があるので、そこまで行き案内板の指示に従い進む。

 古びた社の雷電神社脇の登山口(薮山の取り付きレベル)を見つけるのに少々手こずった。登り始めは、靴跡が千々に乱れる斜面を進んで行く。すぐにつづら折れの作業道が出てきて、暫くすると尾根に出た。

 尾根に乗ると両脇が広葉樹の自然林で冬枯れが明るい。植林地のような暗さこそ無いが何となくコースが荒れている。今回のコースの下山ルートである東側尾根は写真に収めなかったが、この西側の尾根と比べると更に荒廃が進んでいる。

 放置されたままの自然倒木が随所に目立つ。要は手入れが全くなされて居ないのだ。特に東側尾根は、初めの急降下のロープ場といい、下の方は山馴れしていない人にとっては到底ハイキングコースには見えない程の悪路になっている。行政側で案内板を掲げているのなら最低限の整備をするか、或いは不用意な入山を防ぐ為に案内板は撤去した方が良いのではと思う。

     
ハイキングコース案内板    雷電神社脇の登山口    コースは荒れている

 それでも上部の方へ行くに従い歩きやすくなってきた。山頂まであと僅かという地点で、谷を詰めてくる不動ノ滝コースと道を合わせる。道標の下の「もう少し」の落書きが可笑しい。

 山頂は眺望は全く無し。かつては北側が伐採されていて視界があったようだが、もはや山頂は小休止の場に過ぎなくなってしまっている。給水していると、山頂西側の塩坂峠方面より、単独の女性と男性が一名ずつ現れる。女性はスタスタと雷電神社方面へと去っていき、男性はこの後、我々の後ろを歩く。

 こんな廃れた雰囲気の山なのに今日は4人もハイカーに遭遇している。実は隠れた人気なのだろうか(^^;

 山頂から北に一旦下り、東側に転回するように道が回り込むと明るく開けたポイント、「見晴台」に到着である。コース随一の眺望ポイントで食事は此処と決めていた。駐車地で先発していた2人組男性が既に陣取って食事中であった。その脇に我々もザックを降ろしてお湯を沸かし始める。

     
不動ノ滝コースと合流    山頂    見晴台

 相変わらずどんよりとした空模様が残念ではあるが、雨の気配が無いのが救いであろう。せめて開けた眺望を楽しむべし。

     
見晴台より南側眺望     

 見晴台からの下りは、始め岩場の急斜面でフィックスロープを頼りに降りていく。あまり岩場が得意でない自分だが、最近ロープの箇所になると「3点支持3点支持」と唱えながらなるべくロープの世話にならないように努めているせいか、さして苦労せずに降りる事が出来た。
 振り返るとH君はいつものように難儀しているが、とにかく安全第一だからゆっくり確実に降りてくれば良いというものだ。

 一直線の尾根下りは、一旦202mPを越えて更に下りきった般若峠から南西の寺久保集落へ進路変更する。民家の屋根が枝越しに見えると田んぼの脇に飛び出して無事下山終了である。

     
寺久保山    里に熊    駐車地より寺久保山方面

 帰りに「出流原弁天池」に立ち寄る事にした。名前は以前から知っていたが、なかなか単独で此処目当てで来ることも無いので今日はまさに好機である。

 水が綺麗という事で有名だが、覗き込むと実に清澄である。泳ぐ鯉たちも何故か寒々としているが、真夏に見ればさぞ爽快だろう。ほとりの売店で、揚げたての佐野名物のいもフライを味わいながら本日の山遊びは終了である。

     
出流原弁天池    水が清澄    売店に寄り道して
  
いもフライを食す      

概略コースタイム
駐車地発(9:56)-登山口(10:05)-山頂(11:18)-見晴台着(11:32)-昼食-
見晴台発(12:12)-202mP(12:45)-般若峠(12:57)-駐車地着(13:19)

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.mattyan.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/432

コメント (4)

けむ:

三床山の隣の山なんですねー。
荒れてはいても三床山同様明るい感じの尾根道に見えます。

最近私は、暗い植林帯の藪ばかり歩いているので明るい感じのところに魅力を感じます。
まあそれで岩崎の時は明るい方を選んで間違った方へ行っちゃったんですけどねw

次回の山行レポートもかなり楽しみです。
自分が地形図を見て想像しているルートとどのくらいシンクロするのか、ワクワクして待ってます。

Non:

 こんばんは。廃れた雰囲気って、寂しいものがありますよね~ 特に登山道があって、
それらが全く手入れをされていないと、侘しさにも繋がるというか。
 展望も360度ではないにしても、そんなに悪くはないし、しっかりと周回で歩けるし、
立ち寄りたくなる名所もあるし、で、ちゃんと整備すれば人気も出そうですよね。
現に、他のハイカーさんもいらっしゃいますしね。

> 行政側で案内板を掲げているのなら…
 以下、まったくの賛成です。半端なのは、山慣れない人を戸惑わせますよね。

まっちゃん:

けむぞうさん、こんばんは。

東側の尾根は結構凄かったのですが、倒木3連発で間に薮少々なんて所もあって、根つめて歩いていた(ルートが???な箇所多し)ので写真撮り漏らしました。
始めから道が無いのは覚悟出来ますが、途中から無くなりかけるのも結構汗汗汗です。

次回の探検山行は車2台が条件ですので、相棒H君の都合で28日になりそうな感じです。それまでに地図で予習を重ねておかねば。

まっちゃん:

Nonさん、こんばんは。

倒木の殆どが、白アリにやられたりで、結構悲壮な感じが漂っています。
元々、地元の方々の尽力で整備された山のようですが、今となっては例に漏れず若者離れが進む集落にとっては手に負えないのでしょう。
佐野市の台所事情は解りませんが、恐らく財政的にこちらも手が回らないんでしょうね。

金融不況で税収が減少すれば行政サービスのカットは必至。こういったハイキングコースに手が入るのは期待薄になって、結局は登山会などの有志によって維持されていくことになるのかもしれませんね。

自分もいつか機会があったら、どこぞの山に幾ばくか役に立つことが出来ればと思っています。

コメントを投稿

最近のコメント

リンク集

  • ケン坊の日記
    情報(ネタ)の検証はピカ一。実践派のケン坊さん。多方面にわたるネタで楽しむことができます。
  • らんばらしょうぎ
    目指すは亀三郎百名山。印象派の亀三郎さんのブログです。更新量豊富。山ネタ以外も綺麗な写真がいっぱい掲載されてます。
  • 散歩エクスペディション
    薮山に目覚め始めた頃、毎日飽きずに見ていました。今日の自分に影響大なり。薮山歩きではメンタル面の我が師匠、けむぞうさんのサイトです。ブログのほうも面白くてお勧めです。(そこナニBlogで検索してね)
  • 里山逍遥
    栃木の山とその周辺の低山を巡る日々「里山逍遥」。もぉ、このタイトル見ただけで直ぐに相互リンクを申し込んでしまいました。新田次郎さんと飲んだことがあるという凄い方です。登山に対するフランクな考え方も共鳴できます。
  • リンゴの叫び!
    季節の移ろいと自然の姿に心惹かれるブログ主さんの記事は、山好きな人ならきっと共感することと思います。自分も長い間隠れファンでしたが、この度相互リンクさせていただきました。
  • 北関東の山歩き
    ご夫婦で仲良く山歩き。栃木県内や宇都宮近郊の山はもとより、HPのタイトル通り北関東の山並みを歩かれているNonさんのサイトです。楽しそうな山行記録を読みながら、「是非自分も歩いて見たい」と思うこと度々。
  • PIAN PIANO.
    バイク仲間であり山仲間のなおさんのブログ。ブログ名のPIAN PIANO.(ピアン ピアーノ)は、イタリア語で「あせらず、ゆっくり」という意味だそうです。

RSS

最近のトラックバック