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快晴の赤薙山と丸山

アーカイブ:日光の山達  日時: 2009年05月09日 19:47

-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 霧降高原はその名前の通り、霧が立ちこめることが大変多いので有名である。今回目指した赤薙山ルートも、途中のリフト沿いに名物の日光キスゲが花を咲かす6月頃になると大抵深い霧に包まれている。

 過去2回このエリアに足を運んだが、2回とも途中から雨。一度目は家内との丸山であったが、2本目のリフトに乗るときは完全にカッパを着用していた。そして2度目はH君と赤薙山を登った時。この時は霧で周囲の風景が全く見えない中赤薙山までをピストンし、昼食の為に丸山に向かう途中で大粒の雨。足元が悪いので丸山自体も断念して下山した。

 今回はH君との悪天候コンビ解消かと思わせるような快晴である。天気予報も一点の曇もなく晴れを告げている。

 車が霧降道路に向かうにしたがい女峰山と赤薙山が大きく見えるようになる。天気はホントに上々だ。
「登り始めたら一変にわかにかき曇り・・・」なんていう冗談も今日は嬉しい事に全く通用しないようだ。

 まずは第三第四リフトを乗り継ぎ一気に標高1,600mのキスゲ平へ。

 いやはや絶景哉。もうこの景色を見ただけで今日は満足かなと思わせる程の眺望が拡がる。リフト降り場から少し先にある小丸山からその先に見える赤薙山まで、電車道のように真っ直ぐに登っていく道の左右は始終眺望が拡がっている。右手には昼食を予定している丸山の全景が見渡せる。


     
らくちんリフトでまずは高度稼ぎ    小丸山からさぁスタート    アルペンムード満点

 一部膝丈位の笹が生い茂っている所も通るが、道がしっかりしているので全く問題なし。先日の夫婦山とは天と地の差である。

 山頂下の樹林帯に入ると樹の根が沢山露出している急登に喘ぐようになる。山頂まであともう少しという頃に(1970m付近)なると残雪が登路にあり、これを踏みしめながら登るようになるが、所々土が露出している所は雪解け水でドロドロで滑りやすい。

 前回登った時はガスっていて山頂から何も見えなかったが、今回はどうだろう。

     
笹道もこれなら快適!    山頂に近づくと残雪がある    H君と山頂

 石祠の奥から西側を覗いて見ると、急峻な所に残雪が付いた女峰山と左手には大真名子山の勇姿が見える。女峰山を間近に見たのは丹勢山からと今日が2回目。豪快な山容に思わず見とれる。いつかはあの頂に立って見たいと思うがいつの日に実現することやら。少なくとも赤薙山経由のロングコースは我々の体力では無謀だ。他のルートを辿ってもそれなりに険しい山登りになるだろう。女峰山は遠い憧れである。

 山頂からはピストン下山であるが、北側に巻道があるという。先行のパーティも入っていったので、我々もこのルートを辿ってみた。ガイドブックには一部崩壊箇所が有ると書いてあったが、さほど悪路では無い。だが、北側なのでより深い残雪を踏みしめながら下っていくことになる。

     
   大真名子山と女峰山    北巻きルートは残雪多し

 先行の中年男性パーティも、まるで少年に返ったような無邪気な声を上げて雪の斜面を楽しんでいた。だがプチ雪山体験もすぐにおしまい。往路の登山道に合流だ。

 高校生の集団がザックを置いて、どうやら空身で女峰山あたりまでピストンしている様子。下山の学生もちらほらおり、なかなか登山道は賑やかである。賑やかといえば先ほどから丸山の山頂に鈴なりの人影がある。後で我々が登っていく時に判ったのだが、この大量のハイカーはやはり高校生グループのようだ。引率教師のトランシーバーの会話内容からすると、県内の各校登山部(ワンゲル部)が一帯を分散して歩いているようである。

     
残雪踏み抜くH君    焼石金剛より丸山    丸山頂上には沢山の人が

 小丸山まであと少しの地点で進路を変更し丸山を目指す。

 山頂で昼食を終えたであろう高校生達が元気な足取りで下山してくる。男子生徒も女子生徒も結構な数である。こんなに沢山の人間が山頂に居たとは驚きであるが、下山してくる一般ハイカーの中には彼らの元気さ(騒がしさに)に眉をしかめる者も居た。

 「登り優先なんだから待ってないで先に登っちゃいなよ。コイツら登り優先なんて教わって無いよ!」

 と、我々に言う御仁も居たが、我らコンビは赤薙ピストンで意外な程効いてきている登りに丁度良い休憩と決め込んでいたので苦笑い。

     
アカヤシオが咲いていた    丸山への道すがら赤薙山を望む    丸山頂上

 山頂に着いてみれば嘘のように静かで、先客1組のみ。雄大な大谷川扇状地の風景を堪能する静かな時間を得ることが出来た。

 今日は下界は夏のような気温になると言っていたが、山の上の気温は読めなかった。だがギリギリOKの気温で今日もカップヌードルをH君ともに平らげる。日差しは強いがやはりじっとしていると風は冷たい。先ほどより赤薙山の山頂あたりにガスが架かってきた。山の天気は本当に変わりやすいものだ。

     
山頂から南パノラマ      

 下山は北東の尾根を辿り六方沢橋へ向かい高度を下げ、八平ヶ原経由のルートである。

 等高線が込み入っている区間は一体どうなっているのか少し心配だったが、急な所には立派な階段があつらえてあり、これなら老人や子供でも問題なく通過出来る。流石国立公園である。

 六方沢橋に一番近づく箇所で登山道を外して笹藪を少し行くと、なんとアカヤシオの群生があった。この後も、本数こそ少ないが、至る所にアカヤシオが咲き誇っている。思わぬ花に得をした気分で下山の足取りも自然と軽くなる。

     
八平ヶ原へ階段    六方沢橋手前   

 アカヤシオの地点から登山道が南に進路を取ると、程なく八平ヶ原。見渡す限り広々とした笹原である。八平ヶ原の名前の由来は知らないが、何かきっと伝説のようなものがあるに違いない。

 丸山の姿を右手に見ながら大きくトラバースする感じで降りていく。ウグイスがまるで喉自慢でもしているように鳴き競う中、心地よい芽生えの山道を下っていく。先ほどまでの赤薙山やその先の女峰山のような厳しさはもう無い。どこか優しい感じのする山道を下っていった。

     
八平ヶ原    丸山を振り返る    赤薙山直登コースに合流

概略コースタイム
駐車場発(9:16)-第三リフト・第四リフト-キスゲ平(9:37)-小丸山(9:40)-焼石金剛(10:20)-
赤薙山頂上着(11:06)-小休止-下山開始(11:14)-焼石金剛(11:52)-丸山分岐(12:18)-
丸山頂上着(12:43)-昼食休憩-山頂発(13:22)-六方沢橋眺望地点(13:46)-八平ヶ原(13:54)-
赤薙山登山道へ合流(14:19)-駐車場着(14:36)

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コメント (5)

Non:

 こんばんは。ええ~、これが霧降~~!?というくらいの青空ですね!!
いつだったか、霧降で綺麗な青空を見たような気もしますが、アカヤシオも咲いていて、
これまでの鬱憤を晴らすには十分だったのでは…(^^)
 丸山、高校生も来るんですね。ワンゲル部だったら、私よりも元気だろうけど(笑)、
大パーティーの時は遠慮するように諭されていたら良かったのに… 遠慮のない団体は苦手です。
 下りの急勾配は立派な階段がかけられたんですね。これならずっと歩きやすそうです。

 さて、我が家は日曜、佐野市の熊鷹山に行ってきました。靴慣らしもあったので、
前に歩いた往復コースを辿りましたが、ツツジは去年の方が良かったです。今年は本当に
花のタイミングを見るのが難しいですね。

まっちゃん:

Nonさん、こんばんは。

正直あまり期待はしていなかったのですが、ズバっと晴れていてもの凄く得した気分になれました。これを期にH君とのコンビが晴れコンビに転向になると良いのですが(爆)

熊鷹山ですか。Nonさん、確か去年は丁度ベストコンディションだったんですよね。花期は本当に難しいです。

そういえば革靴GETだそうでおめでとうございます。インプレッションなど後で聞かせて下さいね。

せろー:

まっちゃん こんばんわ 相変わらずの名文で 読後爽やかです。

赤薙山は 女峰山~赤薙山縦走したときの 思い出の山です。
東照宮脇からの登山道 標高差1200mのそれはきつい山行でした。
このときに 初めて(シャリバテ)の言葉の意味を思い知らされました。

朝食をとらずに 登り始めて ばててしまったのです。途中の「遥拝石」のところまではなんとか
頑張ったんですが 山小屋では グロッキーでした。でも そこで食事をとったら 女峰山頂までは
私が仲間のうちで 一番元気になっていました。完全に シャリバテでした。


このときの 思い出はいま一つ 下山途中の赤薙山で 雷雲の真っただ中に入ってしまい
ものすごいカミナリにあってしまったことです。

普通カミナリは頭上で聞こえますが このときは 四方八方 下からも聞こえました。
口の中の 金属の詰め物が 帯電していて ピリピリしていたのがわかりました。
今まで生きてきて 一番怖い カミナリ体験でした。

女峰山は男体山よりも 変化があり楽しい山です 一度登ってみてください。

せろー:

東照宮~女峰山頂標高差1600mでした。ほんとにきついよ。

山小屋は 唐沢小屋です。「遥拝石」は 登山ルート途中にある黒岩の別名です。

まっちゃん:

せろーさん、こんばんは。

標高差1600mですか。
ちょっと我々の足ではあり得ないです。
1泊2日だな(爆)

登るとすればやはり体力温存で、志津林道の一番奥のゲートまで車で行ってそこからピストンになるでしょう。

取りあえず今夏の目標は、去年未達の男体山をまず退治したいと思ってます。
(逆に退治されちゃう可能性大)

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