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林道三昧、ジェベル初全日ツーリング

アーカイブ:オフロード  日時: 2009年09月13日 21:19

 ジェベル購入後の初の全日ツーリングに出掛ける。
 ホントは某山に登るつもりで土曜の夜にしっかり支度を済ませていたのに、朝になったらどうも鼻水が少々。チト風邪っぽいので、予定していたハードなコースは体調万全な時に行くことにした。という訳で、遊びとなると実に臨機応変に行動出来る自分に喝采。

 さてさて、頭の中で以前から練っていたコースを実行へ移す。残念なのは綿密な予定を立てて居なかったこと。林道だって導標くらいはあるだろうから大体の方向感覚だけ頭にインプットしていけば何とかなるだろうと思ったが、結構コレが反省点になったことを後ほど知る事になる。大ミスでロスタイムという程の事は無かったが、多少のミスコースや一箇所方向感覚麻痺で逆走もあった。(GPS軌跡は編集でカット)林道走りにも地形図とGPSのポイント設定が必要だという事を大いに学ぶ。

 まずは一本目。古峰ヶ原峠を越えて粕尾峠側に南下するとすぐ都沢林道の入り口がある。存在は随分以前から知っていたし、パジェロミニでも一度少しだけ侵入したことがあったが、何せ先が見えないので撤退していた林道である。

 笹に覆われた導標が良い雰囲気を出している。関東ふれあいの道の一部なのでどちらかというと歩道なのだろうか。だが道は終始酷く荒れた箇所もなく、オフロード初心者に優しい。都沢の流れに添って走る区間になると、なかなか気持ちの良い爽やか林道である。対向車後続車とも無く、ハイカーに逢うこともなく全区間を完全に独り占めすることが出来た。
 道幅がある程度広い事や、勾配の急な区間が無い事から急速に荒れていくとは思えないが、古峰ヶ原~粕尾峠間が完全舗装化で開通したことを考えると、同じ足尾に向かうルートとして都沢林道が廃れていくのは時間の問題だろう。

     
都沢林道入り口    笹に覆われた導標がGood    都沢林道はイージーオフ

 足尾の街を抜けて国道を南下する。草木湖の北端にある沢入(そうり)から北西の山域が目指す2本目の林道になるが、その前にわたらせ渓谷鉄道の沢入駅へ寄り道をして休憩を取ることにした。

 駅舎の廻りはちょっとした集落になっているが、人の気配どころか猫一匹すら目に入らない静かな佇まいである。時折国道からけたたましバイクの排気音が流れてくるのが耳につく。自分もバイク乗りだが、マフラーの音は出来るだけ静かなほうが良いと思う主義なのでいささか残念な気持ちになった。

     
沢入(そうり)駅で休憩    駅舎脇から    これから向かう方面

 国道122号より小中西山林道へ入る。行く手にはハイキングコースもあり、「寝釈迦」などもあるらしい。別な機会に是非"足"で訪れてみたいものである。

 林道のほうは完全舗装だが、折れた枝が道に散らばっていたりと多少荒れ気味である。時折植林帯のまっただ中を進んでいくような箇所有り、傾斜のきつい箇所有りで、今まであまり走ったことの無いタイプの雰囲気だ。GSX1400でも注意すれば通過出来るだろうが、やはりジェベルだと軽快で小気味良く走れる。

 先刻より風が強くなってきたが、途中の鉄塔から東側の景色を眺めて小休止していると、鉄塔を切り刻む風の音がごぅごぅと凄まじい。

     
小中西山林道入り口       鉄塔より東側県境方面

 林道区間の最北点に駐車場がある。袈裟丸山への登山口になっているようだ。あるじの帰りを待つ数台の車と南側の眺望が迎えてくれた。

     
      途中の駐車場から南側眺望

 ここから更に林道を辿ると分岐があり、南に向かえば大滝を経て国道122号へ周回復帰出来る。だが、今回はこの地点より更に西側に延びる小中新地林道を目指す。

 それまでまがりなりにも舗装だった道が一気に悪路に変わり出す。袈裟丸山の南西尾根側登山口辺りからは砂利道が多くなり、いよいよ本格的なオフロードと化していく。救いは道が谷沿いに付いていないということだろう。慎重に走れば全く問題無い。

 この区間は対向車後続車も全く無く、途中導標の無い分岐が数箇所あった。手持ちの情報だけでは少々心許ない感じがした。地形図をプリントし、GPSにチェックポイントを仕込んで来れば・・・と後悔もした。だが何とか夢中で走り抜け、皇海山の南西エリア方面からの林道との合流点でオフ車のツーリンググループと出会った時は内心ほっとする。

 写真がいきなり飛んでしまうが、根利で一般道に復帰したあとは、赤城山の東側の快適県道をひた走り国道122号へ復帰した。途中昼飯を蕎麦屋で取り午後の部の開始である。

 午後は草木湖の東岸についた道路をぐるりと辿り、湖のほぼ中間地点辺りで東へ護岸が食い込んだあたりから「三境線」に入っていく。桐生側から通過することをずっと考えていたのだが、今回はコース取りの都合で逆コースとなった。

 三境線は、道路地図やネット地図、そして地形図にも途中から記載の無い山越え林道である。ここもまた全線完全舗装されているが多少荒れた区間もある。また、眺望ポイントも唯一一箇所のみである。三境山の南南西尾根を跨ぐ区間はトンネルで通過することになるが、奥深い山中に忽然と現れるトンネル内は明かりの一つも無く、唯一出口の光を頼りに進むのは中々風情あり。バイクのヘッドライトとしてはかなり強力の部類に属するジェベルのライトが、いつにも増して力強く感じられたのは言うまでも無い。

     
小中新地林道    三境線入り口(草木ダム側)    三境トンネル

 トンネルを抜けると唯一の眺望ポイントあり。うっかり通り過ぎそうになったが、慌ててUターンして一休みだ。

 ここから暫く走るとやがて石鴨の北方、根本山の登山口手前で三境線は終了となる。梅田に向けて走る県道も初めは道幅が狭く、一台通過した対向車をやり過ごすのにバイクでもやっと。梅田湖に近づくにつれ道も良くなってくると一日の緊張も解けてきた。さぁ、あとは宇都宮までの一般道をひた走るのみ。単気筒の振動がステップから足裏に伝わってきてマッサージのようだ。スリムなシートにケツも悲鳴を上げだしてきた。それでも楽しかった一日を振り返ればなんのその。かくしてジェベルとの全日ツーリングは幕を閉じる。

     
三境線随一の好眺望ポイント    三境線出口(根本山南西)    根本山登山口まで約300m、バイクで行ける

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コメント (2)

けむ:

まっちゃん こんばんは

根利のあたりはまだダートが残っているんですね。
古~い林道ガイドに「全線ダートで」とあったので行ってみたらほとんど舗装してあってがっかりしたもんだったです。17~8年くらい前のお話ですが。
探せばあるもんですねえ。

草木湖東岸ではXLディグリーで入っていったものの、荒れがひどくてあきらめて戻った道がありましたっけ。三境線だったのかな~。なにぶん昔のことなので思い出せません。
今も知られていない林道がひっそりありそうなエリアですよね。

連休は山ですか? それとも林道でしょうか。
天気が好ければいいですね。

まっちゃん:

けむさん、どうもです。

ダートが長距離続くと流石ビギナーにはちょっとプレッシャーがありますが、なかなか野趣溢れるコースでした。

三境線は「こんなところに何で道つけたの?」ってな感じです。地図上でも途中で道が途切れているのに全線舗装といったところが面白かったです。

連休初日(土曜)は久々に家内とパジェロミニドライブで栃木福島県境の林道を走ってきましたが、予定のコースが途中道が崩落して通行止め。福島側から帰りに考えていた林道で北上しました。
後日ブログ記事にて。

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