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ライド&ハイク(Ride&Hike)

アーカイブ:県北の山達  日時: 2009年10月11日 22:00

-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 Ride And Hike

 バイクで登山口まで行ってハイキング。この時期大混雑がデフォルトな那須エリアへのアプローチはこれしかないっしょ!

 てな訳で、初の試みを敢行す。目的地は、混雑確定の表那須を避けて沼ッ原だ。先週がピークであった姥ヶ平の紅葉のせめて残照で良いから一目見たいと思い向かうことにした。姥ヶ平だけで紅葉よりも人酔いしてしまうのは嫌。どうせならばと、コースは白笹山から南月山廻りである。

 バイクでアプローチする場合不安が2点あった。

その1.
  トレッキングシューズでギアチェンジが問題なく出来るか?

その2.
 ウェアーはどうするか?この時期結構寒い。バイク用を着ていっても登山時は脱がなきゃならない。勿論持ち歩きは×

 シューズについては、ソールが厚いので少しシフトフィールに違和感があったが馴れれば問題なし。靴紐を緩めていればほぼ問題なしである。登山口で履き替えることも考えていたが杞憂に終わった。今回はオフロード車(ジェベル)での出撃なので楽ちんライポジにも助けられたようだ。

 問題はウェアーだった。
 携帯性を考慮して、薄手のライダーズ風ジャケット(もどきの街着)をバイクと登山で共用したが、襟元がしっかり防風出来ていないので走っているときはいささか寒い。荷物を減らす為にヤッケを家に置いてきたが、南月山~牛ヶ首への区間は強風と低温で耳が痛い程寒い。帽子は飛ばされそうになるし、フード付きのヤッケが欲しい所だった。結局"走る"にも"歩く"にも中途半端な装備となってしまった。もう少し気温が下がっていたら通用しなかったかもしれない。リアのキャリアボックス装着計画を早めたいところだ。

 さて、沼ッ原までの道のりであるが、混雑などまったくあり得ないような閑散としたもの。もとより"表"のようなことは無いだろうと思ってはいたが、全く車の流れが感じられない。これなら無理してバイクで来ることも無かったかな、と思って駐車場に着くとやはり溢れた車の路駐が延々と続いていた。路駐の列を横目に悠々と駐車場最深部までバイクで乗り入れゴールイン。冷たい思いをして1時間半あまりも走って来た特権であろう。

 マイクロバスなども数台駐まっていて、かなり大量のハイカーが次々と出発していく。その殆どが直接姥ヶ平へ向かっていくなか、一人白笹山への登山口を踏み出す。

 那須山域全体の中ではかなりマイナーな感じが漂う白笹山への道。期待を裏切ることの無い静かな佇まいで迎えてくれた。地図で見るとかなり等高線が込んでいるが、山全体を大トラバースしながら、かつジグザグに付いた道は案外楽に登れるものだ。

     
スタート    笹の中の穏やかな道を行く    陽差しも鮮やか

 高度が上がってくると、南側の景色や駐車場のある沼ッ原調整池のすり鉢のような姿を見ることが出来る。登山口から南東に向かう初めの大トラバースが終わると一転して北へ向けたトラバース。ジグザグを繰り返して白笹山の肩に乗ると日の出平方面の大きなシルエットが見えてきた。地味ではあるが変化のあるコース、なかなか良いではないか。

     
南西方面    沼ッ原調整池    日の出平方面

 ガイドブックで読んでいた通り、本当にあっけない白笹山の頂上。道端に道標があるのかな?と思ったらそこが山頂だった。

 まるで通過点のような山頂で汗を拭い、一息ついたらそのまま東へとルートを辿る。程なく、眼前の黒尾谷岳から南月山に向けた尾根に彩られた紅葉、そしてその先に拡がる那須野ヶ原の景色が目に飛び込んできた。この景色を見ずに白笹山からピストンで沼ッ原に戻った人は大いに残念であること間違い無しであろう。

     
白笹山頂上    黒尾谷岳    振り向いて白笹山

 それにしても生憎なのは風の強さである。登り初めは幾らか青空も見えていたが、標高を上げるにつれ強風にガス。前日の天気予報で期待をしていたのに少し心が折れそうになるが、それでも雨が降らないだけラッキーだろうと思い直す。

 白笹山頂上手前で追い抜いたグループ一組。対向が、単独2名という静かな那須歩きもそろそろおしまいである。何やら道を塞いで弁当を広げている団体さんを跨いで通過すると、強風に絶えながらも鈴なりのハイカーが食事を取っている南月山の山頂だ。

 一人分のスペースをやっと確保し、自分も腰を下ろして食事組の仲間入り。山頂北側のガレ場を続々とハイカーが登ってくるのが見える。雨は降っていないが皆とりどりにカラフルな雨具等着込んでいる。砂礫の荒野にまるで花が咲いたようだ。
 成る程、食事を終えて歩き出すともの凄い強風。飛ばされそうで体を支えているのが辛い。指や顔が冷たくて痛い。まだ10月の上旬なのに流石に風の通り道で有名な那須岳である。

 牛ヶ首への道のりは、樹林に入ると一旦強風から守られてほっとするが、いよいよ牛ヶ首となると一層激しい風に曝されるようになる。いざ辿り着くと、もはや吹き飛ばされないようにじっと耐えるのが精一杯。下りの体制で重力のおもむくままに体を投げ出しても足が地面に着かないという大変貴重な体験を生まれて初めてした。小さな子供やお年寄りなどはあっという間に吹き飛ばされてしまうのではないか。長居は無用である。直ちに姥ヶ平目指して降下を開始した。

     
気持ち良い笹尾根    強風の月山頂上    牛ヶ首が見えてきた

 姥ヶ平付近の紅葉はやはり一週間前に盛りを迎えていたようである。荒涼と風が吹きすさぶ中、残された時間を惜しむように誇らしげに輝いているように感じたのは自分だけであろうか。四季の移ろいとはこんな所にもあるのだなと柄にも無く感傷に耽る。時折雲が切れて拡がる青空がなんとも清々しい。

     
姥ヶ平方面       ひょうたん池分岐

 分岐点から木道を渡ってひょうたん池に寄り道をするが、綺麗な紅葉と茶臼の姿をカメラに収めることが出来て満足である。

 姥ヶ平から先は遊歩道かと思える程によく整備された道を下っていく。途中奇岩あり、思わず足を止めたくなる実りや小さな葉、心地よい小径を歩くのが楽しい。

     
ひょうたん池から       奇岩あり
     
      心地よい小径

 三斗小屋分岐を過ぎていよいよ標高が下がってくると雲が切れて陽差しが戻ってきた。見上げた青空と浅黄色の葉が美しい。一面の笹原にきらめく光がまるで宝石のようだ。砂礫で荒々しい茶臼や朝日岳もよいが、こんな那須もまた素晴らしいと実感出来る山行であった。

     
      今日の相棒

概略コースタイム
駐輪地発(9:30)-白笹山(10:46)-南月山(11:29)-昼食休憩-再出発(11:45)-日の出平(12:06)-
牛ヶ首(12:20)-姥ヶ平(12:54)-ひょうたん池(13:02)-三斗小屋分岐(13:21)-駐輪地着(14:39)

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コメント (4)

Non:

 こんにちは。いいですね~、紅葉の時期に白笹山&南月山! 私たちの場合、07年は8月、
08年は9月だったから、どちらも紅葉とは無縁だったんですよ。いつか計画してみたいです。

 それよりも、皆とは逆廻りで歩くというシブい選択をなさって、なるほど混雑を避けるには
ベストな方法ですね。ただ、まっちゃんさんはあっさりと、
> 山全体を大トラバースしながら、かつジグザグに付いた道は案外楽に登れるものだ。
とお書きになっていますが、私はけっこうシンドかったイメージが残っていますよ(^^;)

 それと改めて、ものすごい強風だったんですね。無風だとガスが溜まりやすくて、
青空の見える日は強風が吹いて… 紅葉も早いですし、この辺は地形が特異なんでしょうね。

まっちゃん:

Nonさん、こんばんは。

そうです、Nonさんの08年9月コースを参考にさせていただきました。
白笹山までの道のりは目立った景観こそありませんが、何となく雰囲気があって自分的にはなかなか良い山だなぁと思いました。

>私はけっこうシンドかったイメージが残っていますよ(^^;)
夏場はザックの荷物の重量が冬場に比べると2Kg位は軽いので身軽なせいでしょうか。
それにしても何となく最近あまり登りで疲れないような。
これは自分自身の体重が5Kgあまりも減った事のほうが全体の軽量化に寄与しているようです(笑)
{まさかのスポーツクラブ効果でズボンがゆるくなっちゃって嬉しい悲鳴です}

せろーG:

まっちゃん こんばんわ。

写真 いつも良く撮れてますね。感心しています。
勿論 腕がいいのは承知していますが
カメラは何を使っているのですか?

まっちゃん:

せろーさん、おばんです。

腕は良くないですが、取りあえず枚数は沢山撮るようにしてます。
実は昔白黒の銀塩は少し囓ったことがあるのですが、構図とかは全然勉強してないので、自分の感性(これがかなり駄目駄目です)だけで撮ってます。

使っているカメラはPanasonicのDMC-LZ10というコンパクトデジカメですが、見た目は機能良さそうなのに画像は前使っていたもっと安いやつの方が好みでした。
充分な光量があって人物が被写体だったりすると案外綺麗に画像を作ってくれるので、どうやらADコンバータ(光学アナログ情報をデジタル化するプログラム)がそっちの方に振って設計されているのだろうと思います。最近の普及価格帯のコンパクトデジカメは大体同じですね。

ブログネタにするなら画素数なんか1024×768以上は要らないから500万画素もあれば充分なので、もっとナチュラルな発色の風景専用デジカメ発売してくれないかなぁ。
{買う奴いないっすよね。あんまり}(笑)

コンパクトデジカメって調整の自由度が低いしまた効果も確認しづらいし、昔のフルマニュアルカメラ世代としては不満を感じる事がありますのでデジタル一眼に興味のある今日この頃。
でも登山にはあれを持って行く気はしないなぁ。重そうですもんね。かさばるし。

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