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月山とリベンジ夫婦山

アーカイブ:今市鹿沼の山達  日時: 2010年05月16日 22:06
月山 夫婦山

-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 昨年に続き2度目のこの二座。今回はMixiの企画に参加させていただき午前中はグループで月山、午後は単独で夫婦山に登ることにした。

 先週月山へ登った人のアカヤシオ情報によると、「もう少し」という事であったので、今回は見頃を迎えるのではないかという期待が膨らんだ。だが一足遅かったようで今年も見事に外れ。それでも遅咲きの株で、ほんのりピンクに染まった頂上付近を楽しむ事ができた。

 集合場所の栗山ダム前駐車場に少し早めに着いてしまったが、身支度を整え眼前の雄大な赤薙山方面をしばし眺める。正面奥に霧降道路の六方沢橋がよく見える。去年の丁度今頃であった。赤薙山から丸山に抜け、途中の六方沢橋の真後ろで咲き誇るアカヤシオの群生に出会ったことを思いだした。

 メンバーが集合し、西尾根からいよいよ取り付く。しばらくは急登だが、高度を上げるとやっとお目当てのアカヤシオがちらほらと見かけられるようになってきた。しかし、既に落花したり色が褪せてしまっている。どうやら見頃は先週の半ば辺りだったようである。

     
栗山ダムサイドより赤薙山    西尾根のアカヤシオ   

 狭い月山の山頂は続々とハイカーが訪れる盛況ぶりだ。皆一様にアカヤシオを悔しがるのもいささか滑稽であるが 、まぁ花とはそんなものであろうと思えるのが登山の懐の深さではないかと妙に納得したりする。

 下山は北尾根をダムに向かって直滑降。急登に喘ぐ人達を尻目に快適に高度を下げてあっという間に下山終了。今回登った西尾根は若干距離が長いが、去年登りに使ったもう一本のルートである北西尾根に比べると北尾根は地図の上ではさほど違いが無い。それなのにどうしてこんなにあっけなく感じたのだろうか。謎である。

 ダムサイトで各自お弁当を広げる。小春日和といった言葉のほうが似合いそうな、爽やかなそよ風吹くランチタイムに暫し歓談の花が咲いた。

     
月山頂上    笹の道を下る   

 さて、午後の部は去年登路に手こずり大薮漕ぎを余儀なくされた夫婦山のリベンジである。

 例の「入山者は自己責任で・・・」の看板からスタートする。いきなり一面の笹薮のお出迎えだが、序盤は甘っちょろい甘っちょろい。去年洗礼を受けているので全然動じずに足元のルートを探りながら進んでいく。

     
夫婦山は相変わらず道不明    目を引くツツジの大きな株    どこまでも笹薮が続く

 コースで数少ないランドマークである二本の松に到達して、まずは一安心である。去年は往路にこの松を見ずして、ルートを南に外して薮の中をトラバースしていたのだから今年は上出来である。(というか素直に歩けばあまり迷わないのかもしれないが)

 二本の松から少し進んだ辺りで周回コースの分岐点がある。去年下山時にこの分岐を見ていたので、踏み跡濃いこの先を直進すれば山頂からの南西尾根に続くであろうと確信していた。今回はここを登ることに決めていたのである。

 方角的にはここしか無いので外れるはずは無い。こつこつと笹の中の踏み跡を追って登っていくと、やがて稜線の笹原と、そして取り残されたようにポツンと佇む大岩の姿が目に入った。どうやらルートに間違いは無かったようだ。

     
絶好のランドマーク    稜線まであと僅かのひと漕ぎ    大岩

 一体いつから霧降の山々を見守り続けていたのだろうか。その孤独な岩の上によじ登り、自分もまた壮大な風景に挨拶をする。

 大岩から先は穏やかな膝丈の笹尾根となる。なだらかに登り、振り返るたびに変わっていくパノラマを見るのが楽しい。

     
大岩より雲に隠れる女峰山    稜線は穏やかな笹尾根    大岩方面を振返る

 少し冷たい風で笹がざわめく静かな山頂に足を投げ出し、ザックに忍ばせておいた氷入りの水筒で喉を潤した。眼前には先ほど仲間と登った月山が惜しげもなくその全容を見せている。
高原山から赤薙山までの、この雄大なパノラマを独り占めできる贅沢さ。至福の一時だ。





 下山は、去年登りに使ったルートを降りるべく、山頂から踏み跡かすかな笹尾根を東へ下る。南西にトラバースする地点は覚えていたのだが、ここで進路角を確認せずに濃い踏み跡を追って失敗した。
 徐々に登っていくのでおかしい。一旦少し薮を下ってみるが、結局屈強な薮包囲網にあえなく撃沈。蜘蛛の巣に絡め取られたような感じで降参である。そのまま薮を強引に登り返して笹薮に出ると上に山頂が見えた。

 体力も往路ピストンの担保もあるのでもう一度トライすべし。今度はGPSとコンパスと地図で精緻にルートを吟味する。よくよく見ると、有るじゃないかこんな所に踏み跡が。でもこれって犬猫目線じゃないと気がつかないよなぁ、などなどぶつぶつ一人文句を言いながら2回目の夫婦山は再びお山の勝ち。夫婦山よ、次回こそスッキリ歩いてやるぞ!

     
夫婦山より月山    唯一の目印は枝のコンビニ袋    下山もまた厳しィ!

概略コースタイム
《月山》

ダムサイト駐車場発(9:11)-西尾根取付(9:37)-1230m級ピーク(10:08)-月山頂上(10:37)-
ダム湖畔(11:22)-ダムサイト駐車場着(11:57)


《夫婦山》

駐車地発(13:14)-二本の松(13:28)-分岐(13:33)-大岩(13:42)-山頂(13:59)-
休憩後出発(14:14)-トラバース分岐1回目(14:20)-再び山頂(14:29)-
トラバース分岐2回目(14:35)-分岐(14:51)-駐車地発(15:09)

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コメント (9)

リンゴ:

月山は2年前のGWに行きましたよ~。
山全体がピンクに染まる様を期待していたのですが少し早過ぎました。
勿論ついでに夫婦山・・・と欲張ったのですが、取り付きさえ良く分らず諦めました。
稜線からの尾根道や展望は良さそうですが、それに至るまでは難儀しそうですね。
月山と比べて登山者が少ないのでしょうか?

まっちゃん:

リンゴさん、こんばんは。

体験された方の「見事な・・・」という報告を聞くと、
それならばと思ってしまいますが、なかなか難しいです。
それだけに綺麗な花と出会えた時の喜びもひとしおだろうと思ってます(^_^)

夫婦山は道標が無く歩く人が少ないので、登山道はどんどん廃道化しているようです。
今の状態では、私はガイドブックに載せるべきではないと思います。
あまり経験の無い方が「本に載っているのだから・・・」といった感じで入山するのはちょっとヤバイ雰囲気があります。

けむ:

まっちゃん こんばんは

去年はGWに行ってたんですねえ。
一年ってあっという間、しみじみ・・・
夫婦山はどのルートも薮ですか。
好展望なのにあまり人が来ないっていうのがちょっと意外です。
それだけに穴場感があるともいえますが。

まっちゃん:

今回の山頂からの南西尾根はなかなか気持ちよかったです。

大岩から更に地図の破線ルートで車道まで下るのを次回は狙っています。
この辺は笹薮だけだからきっと何とかなるかも的な雰囲気ありました。

Non:

 こんばんは。週末は月山&夫婦山でしたか~ いい山ですよね、両方とも。
月山は一昨年、去年と連続で、夫婦山は一昨年に月山とあわせて歩きましたが、
夫婦山は勿体ないですね、このまま廃道化してしまうとしたら。
 あの笹の道は歩いたものにしか分からない爽快感というか、最高ですもんね。
ただ、おっしゃるように、山なれない方にはおススメできない雰囲気で
(2年前もNon夫がご夫婦を先行した)、これも元牧場という性格のせいで
仕方がないのかな、とも思いますが。

 アカヤシオ、花はどれもそうですが、今年は特にタイミングを見計らうのが
難しいですね。それにしても、すでに懐かしい風景。また歩きに行きたいです(^^)

せろーG:

一日に 二つの山をやっつけちゃいましたね(笑)
すごい気力体力だ 感心します。

パノラマ写真いいですね。そのような機能のついたカメラじゃないと撮れませんよね?

まっちゃん:

>Nonさん

夫婦山は、隠れ家的な雰囲気が出てきて自分的にはなかなか好みの山です。
登山口にあれだけ「自己責任」と大書されてしまうと、普通のハイカーは二の足を踏んでしまうのでしょうね。


>せろーGさん

標高差だけ見ると二つ合わせて普通の一座みたいな感じなので結構登れちゃいます。
今年の秋あたりに紅葉の月山と合わせて企画してみたいので、都合がついたらご一緒に如何ですか?

パノラマ写真はカメラに機能が無いと難しいです。
今回は、先日買ったペンタックスの八千円のカメラで撮影です。
なんとなく発色が派手目なので場合によってはドギツクなる傾向がありますが、明るい画像が撮れます。
今まで使っていたパナソニックは、色が地味めですが基本性能はかなり高機能。
足して2で割ったようなカメラがあれば良いのにと思います。

こんばんは

月山、夫婦山の研究のためお邪魔しました^^v
たしかに、夫婦山からの景色、最高ですね!
しかし、、、笹ヤブの写真を拝見して、、、
「こりゃ、、、アカン」と・・・
わたしの場合は
こうゆう山は無理なので
ダムをはさんで反対側の月山だけに
ターゲットを絞ろうと思います。

★でも、月山でも夏場は、向かないですかね?
 それとも、それなりに涼しいでしょうか?

それから、、、ほんと、、、月山って
ずんぐりむっくりですね。
、、、亀三郎と体型が似てるかも、、、
そのせいか、親近感が沸いて来ました~~~(爆笑)

まっちゃん:

亀三郎さん、こんばんは。

夫婦山は確かに笹薮漕ぎも楽しみの一つなので、藪を好まない方にはダメかもしれませんね。
月山あたりの標高だと真夏は厳しいかもしれません。
来年のアカヤシオを狙っては如何でしょうか。

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