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干支の山、寅巳山

アーカイブ:宇都宮近郊の山達  日時: 2010年12月31日 22:00

-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --
※当コースには一般登山道でない箇所が含まれています。参考にされる場合は自己責任でお願いします。

 2010年最後の山歩きは、干支のトラの名前を冠した寅巳山である。

 遠く東京や大都市からも登山ツアーがこの地方の無名な里山に訪れていたというのだから驚きである。2010年にもう一座県内で脚光を浴びたのは、標高2010mの赤薙山。こちらは栃木の主峰群とも言える日光連山の一角をなす名山であるから頷ける気がする。

 さて、ツアーハイカーはともかくとして、地元の里山愛好家としては押さえておきたい一座だ。3年前の初夏、田植えも終わり緑が全山を覆いつくす時期に一度登っている。この時はガイドブックに従い、南側の野鹿台団地裏から周回するコースを取った。

 今回はどう登るか。

 日光街道を西走する時にいつも思っていた。篠井にある雷電山から寅巳山、さらにその西側の浅間山までつないで歩いたら面白いのではないかと。
 地形図を精査すると、雷電山と寅巳山間は一旦車道またぎにはなるが、そのほかはなんとかルートを引けそうな気がする。今回は現地の偵察をまったくしていないが、雷電山も寅巳山も共に一度は歩いているのでなんとかなるだろう。

 まずは、雷電山の東の麓にある神社手前の駐車スペースに車を置き出発。前回に続き今回も此処を登山口した。

 前日(12月30日)に県内は寒波の影響で広範囲に降雪があり、篠井付近では車道でも日陰で2センチくらい積もっているところがあった。雪を纏った薮は今回が初めてだが、これもまた一興であろう。東側に目をやると、寒々とした朝の空気の中、先般登った篠井連峰に冠雪した様子が珍しい。

 神社裏からの取り付きは特に踏み跡も無く、左手の植林帯の急登を行くか正面突破で薮を突っ切るかの二択である。右手は薮が濃くて谷状になっているのでパス。

     
雷電山取り付きの神社前    神社に参拝後裏手から失礼    雪の薮だぁ

 薮を払いながら登っていき、左手の植林帯の斜度が緩むのを見計らってそちらへ移動。暫く登ると予定ルートと歩行進路が一致した。境界杭が出る頃になると踏み跡も明瞭になってくる。どうやら地元の人達の歩く道に乗れたようである。

 このコースで唯一珍しい露岩を通過して、程なく寅巳山の頂上へ到達。ここまでは順調である。

     
   境界杭を追う    岩の露出が珍しい

 石祠と小さな梵天が置かれた山頂を辞して、北西へと伸びる明瞭な尾根を伝う。一旦コルから360m級Pへ登り返す予定であったが、ここで本日一回目の進路角ミス。言い訳をするとすれば、地形図の三角点位置と実際の三角点位置が50m程違いがあったことである。これはログを見て後で判ったことだが、現地ではこの違いに気づかずに思い違いをしたのである。尾根の派生を見極められずに予定より50m近くも余計に高度を下げて谷に出てしまった。よく見ると上方に稜線が繋がっているのが見える。現在地をしっかり再確認して、眼前の360m級Pへ直登することにした。

 無事予定ルートに戻ると境界杭も現れほっとする。まだまだ修行が足りないようである。

     
寅巳山頂上       下山がなかなか難しい
     
コースミスで一旦谷へ    登り返す途中で    境界杭を見るとほっとする

 327mPまでは小薮がうるさいが、ルート的には難しくない。だが、327mPから先は北に一旦降りて更に西へというつもりであったが、薮があまりにも濃いのでこれは断念。薮の手薄な所を選んで車道へ向かって降下する。

 予期せぬコースアウトで思いのほか時間を費やしてしまったが、無事車道へ出ることが出来た。次は向かい側の寅巳山に取り付くのだが、薮が濃くて文字通り"取り付くしまも無し"といった感じだ。車道を少し北上して、薮が切れかかっている箇所から強行突破だ。

     
流石にこの先はギブアップ    この奥から出てきて    こちらから寅巳山へ

 薮に入るとすぐ旧い作業道が現れた。出来るだけコイツを利用して楽をしながら登っていくと、ほぼ目論見のコースに乗ることが出来た。尾根形も明瞭になってきたな、と思っていたら再び尾根派生を見誤りコースアウト。今回は向かうべき稜線間に急斜面があるので無理をせずに降りてきた斜面を登り返した。

 どうみても地形図と現場の状況が一致しない(少なくとも自分にはそう見えた)が、よく見ると赤テープが一本見えた方向に尾根が延びているではないか。いやはやルーファンは難しいものだ。自分はまだまだ観察力と洞察力に欠けているなぁと痛感した。

 薮を払いのけながらも高度を上げていくと、目指す稜線はますます明瞭。踏み跡も一時的にではあるが濃くなってくる。だが、すぐに次の薮が待っている。

     
枝を払いのけ稜線目指す    大分歩き易くなってきた    一旦穏やかなるも薮が待っている

 標高400m地点あたりまで到達すると、まだ薮は残るものの道形がはっきりしてきた。雷電山同様、山頂の少し手前にある岩を通過すると程なくして寅巳山頂上である。

     
樹間から雷電山    山頂まであと少し    これまた希少な岩

 三年前は山頂がすっかり緑に覆われていてまったく眺望が得られなかった。だが落葉のこの季節、うっすらと周囲の景色が見えるのが嬉しい。

 今日の薮歩きは木に積もった雪が解けて森の中は雨降り状態であった。今考えるとカッパを着たほうがよかたっかなと後悔しているが、何とかヤッケで歩き通してしまった。

 山頂で遅い昼食をとっていると、濡れた体があっという間に冷えてきた。コースミスの連続で予定時間も押している。どうやら今回の薮歩きは自分の負けのようである。体力も時間もまだ余裕はあるが無理は禁物。ここは潔く負けを認めて来るべき新年に雪辱を期待しようではないか。
 後半の浅間山への縦走を諦め、所用で近くまで来ている家内に電話をかけた。野鹿台団地へ降り立ち、迎えにきた家内の車に収容されて2010年の山歩きは幕を閉じたのである。

     
寅巳山へ到着    南側、日光街道方面    下山途中より浅間山越しに日光方面

概略コースタイム
駐車地発(10:42)-雷電山(11:12)-コースアウトの谷(11:27)-車道(12:01)-
二回目コースアウト(12:32)-寅巳山(13:04)-昼食休憩-行動再開(13:44)-
野鹿台団地着(14:08)

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コメント (2)

けむ:

まっちゃん あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします

>遠く東京や大都市からも登山ツアーが

このどちらかといえば渋い里山にビックリですねえ。
卯年の2011年はどこのお山にいらっしゃるんでしょう。
「うさぎ」のつく名前の山って、ありそでなさそでですよねー。
近場で超マイナーな里山なら行ってみたいです。


まっちゃん:

けむさん、おめでとうございます。

卯の付く山は、しぼれさんが早速登られたようです。
http://blogs.yahoo.co.jp/qsa5238/22354389.html
冬枯れの間に是非狙いたいところです。

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