H君との久々の山行である。
ほぼ一年前に歩いた仏頂山と高峯が彼との最後の山行であった。最近はどうやら無理をしなければ大丈夫だろうということで、今回はなるべく体力の負担が軽い所を厳選し、今市にある茶臼山と毘沙門山を繋げて歩くことにした。ちなみに毘沙門山は下野新聞栃木百名山なので、過度な期待は出来ないが楽しみである。
今回は車二台体制で毘沙門山下山地の林道にパジェロミニをデポし、H君の車を茶臼山側に駐めた。この茶臼山登山口駐車地は、明確に駐車が許可されているのどうかが不明だ。R121から入って僅かの場所にあり、周囲に民家等もあるのでちょっと無断駐車っぽい雰囲気も漂うのだが、「栃木百名山」にも記述があるのだからきっと間違えはないのだろう。
さて取り付きはいずこ。
駐車場の右手奥に道標があるが、踏み跡を追っていくと上に向かっていく。頭上を窺うと岩が崩落防止の為のワイヤーでフィックスされている。とてもハイキングコースとは言えない。日頃の癖でちょっと登ってみたが、これは流石に無いだろう。今日はH君も一緒なので安全第一である。隣の尾根だな、と思って一旦駐車場側から近づくと別な道標がちゃんとあるじゃないか。最近はこういう超基本的な道標を見落とす癖がついてしまって困りものである(汗)
無事登山道に乗り、順調に高度を上げていく。里山の共通項。取り付きは急登である。段々と左側(南側)の樹間に住宅地が拡がってくるに従い、犬の鳴き声や車の音が鮮明に聞こえてくるようになってくる。生活圏内であることが実感出来る。まさに里山である。
茶臼山側駐車地 | 初めは急登 | 眼下は住宅地 |
登りが緩くなってくるとやがて茶臼山へ到着。
眺望はすっきりしない。駐車地からここだけのピストンだとちょっと寂しいかな。
小ピークを超えてコルから登り返したのがTV電波の中継所である。パラボラアンテナの向かう方向は矢板方面なのだろうか。
TV中継所 |
中継所から先に進むと、進路は左に折れて一旦急降下である。道標がしっかりしているので迷うことはまず無いだろう。
毘沙門山への登り返しは、岩が顔を覗かせていたり、落ち葉を踏みしめる急登があったりと、変化があって楽しい。茶臼山までの初めの区間以外は植林地の暗い道が多く寒々とした雰囲気であったが、このあたりになると混合林でにわかに明るくなってくるので気分が良い。
H君のペースにあわせて、ゆっくりと、しかし確実に。そして山頂。なかなか良い景色である。正直期待はあまりしていなかったが、高原山方面にぐるりと180度近い眺望である。少し右に目をやると鶏岳のトサカのようなシルエット。反対側は反射板があるのであまり良く見えない。
毘沙門山への登り | もうひと踏ん張り |
鶏岳 | 反射板の裏側 |
毘沙門山より高原山を望む
H君と、とりとめの無い話をしながら眺望をおかずにして昼飯とする。今日は風が無いから案外寒くもない。陽だまりの山頂にのんびりとした時間が流れた。
再出発すると、山頂から僅かな場所に女峰山のビューポイントがあった。これを見ないで茶臼山へピストンしてしまったら、さぞや残念だろうにという箇所である。
下写真(中)の分岐は曲者である。「栃木百名山」の地図にはこの分岐点付近から北北西に下り、地形図に記載のある林道に終点付近で接合するように書いてある。自分もここは"大桑"をめざすべしとして道標に従った。大体「下山口」という表記が一体どこへ下るのか記載が欲しいところである。
大桑への道が、途中から進路を変えて北東へ降りていくのを見て様子が違う事に気づきここは撤収。分岐まで一旦戻って"下山口"を選んだ。GPSを見るとほぼパジェロミニのデポ地に向かっているようであるし、若干道が荒れている感も否めないがしっかり道標が張り巡らせれて居るハイキングコースだから心配は無いだろう。多少の車道歩きもOKとしよう。
程なく林道に出会うと、ドンピシャ。パジェロミニの駐車地へ到着した。
山頂北西側より | この分岐曲者 | 無事下山 |
H君を茶臼山の駐車地まで送り届けて彼とはお別れ。流石にちょっと燃焼不足気味なので、今日はもう一座を予定している。
こんな時の為にと、とっておいた東照宮裏の外山である。日光の街中から、あるいは向かいの鳴虫山のルート上にある神ノ主山からも、その小高く鋭いピークは印象的に我々の眼に映る。
車を駐める場所がいささか不安であったが、丁度よい塩梅に路側にスペースがあったので停めさせて貰った。
車道沿いから左側の砂利道を暫く進むと廃屋(?)があって行き止まり。途中に登山口の道標なども無かったが、どうやら左手のほうに登山道のような雰囲気があるので、構わず藪をザクザク渡っていくと鳥居が連なる道へ合流した。
女峰山と赤薙山を見上げる外山 | 左奥の道を直進すると× | 鳥居が幾重にも |
登山道はどちらかというと毘沙門堂参りの為の参道としての色彩が濃い。歩きやすいように縦横無尽に踏み跡が付けられているが迷うことも無い。植林地の中にあるストレートの電車道のようなこのルートは、脱線するような不届き者ハイカーは皆無のようである。
小さな山だからと、タカをくくってちょっとペースを上げて登っていった。汗が額から吹き出してきてそろそろ一休みと思った頃、明るい空が見えて毘沙門堂へ到着だ。南に開ける鳴虫山の眺望。大谷川沿いの日光や今市の街。遠くには半蔵山から赤岩山まで。その向こうにはうっすっらと宇都宮の市街地が見える。
参道としての山道 | 毘沙門堂より | 霞む先は宇都宮方面 |
毘沙門堂の裏手を行くとすぐそこが山頂である。沢山の石仏が賑やかに、そして向こうに拡がる女峰山のりりしい稜線が迎えてくれた。
毎年、正月3日には毘沙門堂の縁日が開かれるようで、今年も沢山の人が訪れたのだろう。石仏の一体一体にまだ新しいミカンが添えられている。寒色系の風景の中にミカンの色彩が鮮やかで印象的だった。
男体山、大真名子山 |
女峰山 | 赤薙山、丸山 |
概略コースタイム
<毘沙門山>
駐車地発(10:12)-茶臼山(10:55)-TV中継所(11:24)-毘沙門山(11:56)-
昼食休憩-行動再開(12:40)-下山口分岐(13:00){5分ロスタイム}-駐車地着(13:10)
<外山>
駐車地発(13:47)-山頂(14:16)-2ndコーヒータイム-下山開始(14:47)-駐車地着(15:20)
コメント (4)
冬晴れで絶好の登山日和でしたね。
女峰山の写真いいですね。私も今年は女峰山の頂に立ってみようかな。
投稿者: せろーG | 2011年01月12日 21:32
日時: 2011年01月12日 21:32
冬は天気が安定していて、里山登りはまさにベストシーズンですね。
外山からの女峰山方面は独特な雰囲気がありました。
以前、丹勢山から見た女峰山が自分の中ではダントツですが、
http://www.mattyan.sakura.ne.jp/blog/2008/03/post_134.html
外山からの眺めも良かったです。
投稿者: まっちゃん | 2011年01月12日 22:14
日時: 2011年01月12日 22:14
こんばんは。Hさん、ついに山行に復帰、良かったですね! しばらくぶりの山歩きで、
ご本人も不安になられたでしょうが、積雪がほとんど無さそうですし、お天気に恵まれた
のも良かったですね。
さて、毘沙門山と戸山。どちらもすでに懐かしいです。毘沙門山はそれなりに変化があるし、
小ぶりなのに縦走気分が味わえるし、今も良いイメージを持っています。
戸山の方は新年にぴったりな感じで。考えてみたら、ちょうど上河内の羽黒山と同じような
存在かもしれませんね。山頂まで車で上がれないけど、展望とか神社とか。
ところで、ようやく昨年分のレポートまで終了しました。1月3日分は、あと少しで。
その後の分はこれからです。読図で歩いた分はその日のうちに写真などを見返すのですが、
まだ甘いな~が今年も続いています(^^;)
投稿者: Non | 2011年01月15日 21:56
日時: 2011年01月15日 21:56
Nonさん、こんばんは。
今回はコース内容もそうですが、H君のペースに任せて歩いたのが一番良かったのかもしれません。
今までも、先に立って自分のペースで歩いたら?と促すことはあったのですが、どうも先を歩くのが好きでないようなのでいつも後ろでした。
最近は私のペースがだいぶ良くなってきたので、絶対後ろは歩かないほうが良いよと言っておきました(^^;
外山は雰囲気ある山ですね。
コース取りが1つしか無い所が難ですが、いずれまた訪れてみたい山です。
地図を見ると、山頂から北に降りてコルから西へ下って周回なんてのもありそうですが、
山頂で一人コーヒーをすすっていたら、山頂直下の北斜面で人間以外の足音が聞こえましたので、どうなんだろうなぁ、このエリアって思いましたよ。
なんせ、稲荷川右岸の尾根に続いているのだから上のほうからいろいろやってくるのかも知れません。
去年雲竜渓谷に行ったとき、稲荷化左岸の林道から右岸の稜線上めがけてハンターが発砲しているのを見ました。
かなりでかいライフルで銃座を車のボンネットに固定して撃っていましたが、さぞかし大物が居るのでしょう。
今の季節は居ないだろうけど、外山の登山口(住宅地裏)にクマ出没注意の生写真(笑)付きの注意看板が掲載されていました。
クマは住宅地の残飯なんかを狙って降りてくる可能性大ですね。
古賀志山、鞍掛山界隈はすっかりNonさんの読図トレーニングフィールドとなりましたね。
自分もたまにはこのエリアをじっくり歩いてみたいものですが、貧乏性であっちの山、こっちの薮と欲張りで情けないです(^_^)
投稿者: まっちゃん | 2011年01月16日 20:10
日時: 2011年01月16日 20:10