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古賀志山北尾根から中尾根周回

アーカイブ:宇都宮近郊の山達  日時: 2013年01月03日 17:46
-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --
※当コースには一般登山道でない箇所が含まれています。参考にされる場合は自己責任でお願いします。

ブログ仲間のケン坊さん、リンゴさんからいただいた情報で『古賀志山北尾根』の存在を知った。
 『古賀志山北尾根』は、宇都宮市が管理整備している北登山道 のことではなく、森林公園駐車場から北へ伸びる舗装林道長倉入線の右手尾根を登るコースである。
 かつて天狗鳥屋から下山する際に偶然このルートの一部を知ることがあったが、当時は山歩きを初めて日が浅く、道迷いが怖くてたまらず林道にエスケープした想い出が懐かしい。
 また、今回はかねてより気になっていた559mPの西北西にある『弁天岩(弁当岩)』を訪れるのも計画に組み入れた。

 森林公園駐車場に車を駐めて歩き出す。右手にある林道長倉入線に入りほんの少し進んだ所で右手にある道が取り付きである。
 道形もはっきりしており、迷うようなポイントは全く無い。また傾斜も緩く、里山散歩の雰囲気で進んでいく。

     
林道長倉入線へ入ってすぐ取り付く    雑木の自然林    時折松が交じる
     
里山らしい道が続く      

 349mPに到達するまでの間に、下から上がってくるしっかりした道形が2本見られた。手前の一本は北尾根のすぐ西の谷筋を登り、もう一本は北尾根と林道の内側にあるもう一筋の尾根を上がってきている模様。ここ古賀志山エリアでは、もはや尾根形ある所に踏跡必ずアリといった感じになっているようだ。

     
   林道長倉入線終点が見える    道はどこまでも広くしっかりとしている

 このコースの中で唯一大きく分岐する360mPに到着。進路がはっきり二択となり、北へ進む尾根と北西へ進む尾根に分かれる。どちらも道形はしっかりしているのでうっかりすると引き込まれ易いが、ここは北西の尾根が正解である。
 二つの尾根に挟まれた眼前の谷が地形図で読み取ったものよりかなり大きく感じられる。疎林で下がよく見えるので広く感じるようだ。読図の未熟さを思い知らされた。
 また、良く目を凝らすと谷の中に幾筋もの古い仕事道が付けられている。かつてこの谷を間伐した時期の名残なのだろう。

     
唯一の分岐点    分岐点より北へ降りる尾根   

 一旦高度を下げて林道鞍掛線を横断し、再び尾根筋を辿るようになるが、依然として道形ははっきりしている。

     
林道鞍掛線を横断      

 北に向かう小尾根を登りきり、進路が北西へと変わると伐採地に出た。意表を突かれた感じで展望が開けたので少し得をした気分になった。左から鞍掛尾根490mP~鞍掛山、更に右には雨乞山の三つのピークも行儀よく並んでいる。この角度、高度から至近距離で見る鞍掛山の山並みはなかなか新鮮である。

 伐採地の終端に到達すると、そこからは鞍掛尾根に突き上げる最後の登りになり斜度がきつくなる。ここまでが随分緩やかな登りだったので、多少息があがるがそれも僅かな区間。鞍掛尾根合流直前で落ち葉に隠された踏跡を見失うが、上を見て構わず直登。

 無事鞍掛尾根に乗ってしまえば、後は古賀志山までの一本尾根である。

     
伐採地より      
     
      鞍掛尾根に乗るとやがて盗人岩がよく見えるようになる

 元旦の早朝に登った540mPに到達。そこからの日光連山は、男体山だけが一人機嫌が良いようで、女峰山から赤薙山は雪雲に閉ざされている。

{540mP単独で登る場合は、南側の林道の最上部に車を置き、堰堤の所から鞍掛尾根に突き上げると30分で到達。下山は東の尾根を辿ると地図に表記の無い林道に出て、そこを下ればはじめに来た林道に合流。僅かに堰堤側に戻れば駐車地に到達するミニ周回が可能}

 岩を一箇所登って559mPがいよいよ近づく。今日は寄り道をして未踏の弁天岩を訪問するこにする。

 弁天岩の登りはなかなか高度感があるが、それでも東稜直下の岩場や中尾根取り付きの岩場に比べれば僅かな時間で通過出来る。落ち着いて通過すれば特に問題無いと思う。ただ、足のホールドに若干苦慮する箇所があるので小柄な人は苦戦するかも知れない。岩慣れした方なら問題は無いだろう。

 岩を登りきり、少し西側に行くと眺望の良い弁当岩という所へ出る。更に西へと続く道形があるが今日はここまでとし、岩の上で食事休憩とした。

     
今日の540mPからの日光連山    弁天岩にチャレンジ    弁当岩もなかなか風景良し!

 弁当岩からは日光連山方面の眺望も良いが、古賀志山側の最近伐採された尾根筋がその全容をあらわにしており、あちらもまた歩けるのではないかしら、と思わせる開放感がある。

 昼食の後は弁天岩を下り559mPへ。景色は弁当岩で堪能しているので、ここは立ち止まらずに通過する。後は中尾根を下るのみである。
 途中の496mPは何度か通過したことがあるが、カマボコ板に書いたような手製の山名板を見つけた。初めて見たのだが、以前からあったのだろうか。

     
弁当岩より、左,559mP 右,古賀志山    中尾根の途中から    こんな山名板発見

 中尾根は何度歩いても、変化良し眺望良しで、古賀志山ルートの中では一番好きなルートだ。途中、鞍掛山方面や今日歩いてきた北尾根もよく見える。

 フィニッシュは細野ダムを目指して落下傘よろしく岩場の急降下。途中、一眼レフを首に下げた若者が登ってきたが、岩角に筐体やレンズがぶつかって壊れないかと人ごとながら気が揉めた。

 年末年始の食い過ぎ消化山行のつもりだったが、終えて見ればなかなか充実の一日であった。食べ過ぎたものが充分こなれたかどうかは定かではないが、帰宅後の晩飯が美味くて腹八分目で無かったことは明らかである。

     
中尾根より見る鞍掛山    中尾根岩壁の向こうに古賀志山    あの高みから落下傘下山

概略コースタイム

駐車場発(08:02)-384mP(08:38)-分岐(08:46)-林道鞍掛線横断(9:04)-
伐採地(09:16)-鞍掛尾根へ合流(09:41)-540mP(10:41)-弁当岩(11:27)-
昼食休憩-行動再開(12:02)-559mP(12:11)-496mP(12:41)-
北登山道合流(13:42)-駐車場着(13:58)

{鞍掛尾根合流までの『北尾根』の区間は、読図トレーニングなどを行いながらゆっくり歩いた}

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コメント (8)

おはようございます。
素晴しいレポートにビックリ仰天です。写真等も含めて詳細な
情報満載のブログに初めて出合った感じです。
ケン坊なんか、とてもコメントできる状態じゃない>恥<
弁当岩には鎖が無かったですか? 時々外されているようです。
(鎖は邪道だという理由とかで...)
中尾根の496の山名板ですが、そんなに古くはないかと...
有難いですが、正直言って周囲に目印になる物がなく、第三者に
説明するのが難しい?って感じでした。
最後の崖は下りだと(ダムが目に入って)恐怖感が先立ちます。
臆病なケン坊には条件が厳しいかも?
とにかく素晴しいブログに拍手です。

リンゴ:

北尾根ルート、完璧なレポに今回も脱帽です(^_^;)
私の場合はルートを外さないように前方ばかり気にしていましたが、周辺の道形や地形など良く観察されていますね。
中尾根ルートは通して歩いてないので次の機会にと思っています。

こんにちは^^
すごっ、、、鎖場があるルートは、亀さんちには無理ですが
前出のお二人がコメントされてる通り、
まっちゃんさんのブログ、、、
内容が濃いですから、ついついクリックして写真を拡大して見てしまいます(笑)
わたしは、一度だけ「北コース」を経験しましたが
次は、ケン坊さんに言われた「中尾根コース」を考えています(*いつかの将来、、、汗)
それに向けて、、、こちらでも「研究」したいと思います!!
でもでも、、、まだ、皆さんほど、、、古賀志山の「土地勘」??がないので、、、
調べるのも、、、時間がかかりそうです。
(鎖場無しの安全ルートを、、、ん?もしかして、、、鎖場は不可避ですかね・・・)

Non:

 こんにちは。「謹賀新年」の記事も拝見しました。普段から見慣れ/慣れ親しんでいる
山々を眺めて… という年明けも、いいものですね(^^)
 弁天岩… なつかしい。数年前にNon夫と“間違って(笑)”着いてしまった記憶が蘇ります。

> ここ古賀志山エリアでは、もはや尾根形ある所に踏跡必ずアリといった感じになっている
 私もそう思います。よほど険しい岩尾根や崖でなければ、ほとんど歩かれている印象です。
ヤマレコで詳細を載せている方もいますし、段々とメジャー化するのも分かりますよね。

 我が家は2日から遠征へ。山中はずっと氷点下… 貴重な経験を積むことができました(^^)

まっちゃん:

ケン坊さん、こんばんは。

弁当岩はトラトープと鎖もついてました。
あそこを何も無しで登るとなると、自分もボルダリング教室で特訓受けないと無理です。

>(鎖は邪道だという理由とかで...)

いや、邪道というか、安全を確保出来るならそんなことは絶対無いと思うのですが。
確かに頼り過ぎはいけないですが、補助で使えば全然OKだと思います。


中尾根の最後の下りは自分も初めての時は「え!」と思いました(^^;

まっちゃん:

リンゴさん、こんばんは。

周辺を観察するのは、次のネタ仕込みということで・・・
そういったことを考えるのも登山の楽しみです。

もっとも、古くからの先達が多い古賀志山は、自分が思いつくくらいのコースは完璧に歩き込まれてるんじゃないかなと思いました。
やはり、一度古賀志山通の方と一緒に登って教えを頂きたいところです。
(実は会社に一人、週末は必ず古賀志山という人がいるので今度話しをしようかなと思ってます)

まっちゃん:

亀三郎さん、こんばんは。

鎖場は確かに苦手な方には鬼門になりますが、中尾根も北登山道の広場と繋がるところを使えば、楽に行けると思います。
また、最後のほぼ垂直岩場を回避する道がありますので、そちらを使えば通しで安心して歩けます。
機会がありましたら是非どうぞ。

まっちゃん:

Nonさん、こんばんは。

古賀志山エリアは思わぬ所に思わぬポイントがあります。
謹賀新年を撮った540mPも、一昨年の大晦日の偵察では東の眺望が無くて初日の出向きじゃないなと思っていましたが、下山の時に東側180度眺望の岩場をピークから30秒下降で発見。なんか嬉しくなりました。

そんな訳で、今年は東も西もOKなこの場所に決めていたのでした。
これからは今まで未踏だった西側エリアでまた新たな発見が出来るのではと期待しています。

Nonさんは県外遠征でしたね。
後ほどブログのほうへおじゃまします。

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