林道ツーリングと田代山
バイク仲間であり山仲間でもある"なおべぇ"さんからお誘いが来た。
「バイクで林道を走って田代山に登りませんか?」
田代山は栃木と福島の県境に位置している。山頂に広大な湿地帯を擁し、そこから雄大な景色を望む事が出来る有名な山である。僅かな残雪を残す初夏から湿原を花が覆い尽くす時期は特に人気のスポットで、栃木の登山者としては一度は訪れてみたいと思う山でもある。
最短コースは猿倉登山口から標高差+600mを2時間で登り、1時間半で下ることが出来る。登山道は良く整備されていて迷うような所もなく、山歩きとしては大変お手軽と言えるのだが、登山口までのアプローチがなかなか大変なのである。
栃木県側からは、栗山から土呂部を経て砂利林道を延々と走ることになるが、場合によってはこの林道が閉鎖されることもあるらしく、通行が楽な福島県側から向かうとなると宇都宮から大回りになってしまって大変時間がかかる。
今回の企画はそんなプローチの大変さも、栃木側からの正攻ルートをバイクの林道走りをで楽しんでしまおうという、バイク+山、一粒で二度美味しい的なものである。
大笹牧場に朝7時半集合を目指す。昨日まではずっと天気が予報が良かったのに、日曜日朝の予報は曇りのち雨と一転。家を出ると東の空は恨めしい朝焼けのオレンジである。日光街道を西走していくと、時折気まぐれのように雲間から射す日差しがもどかしい。太陽と雲の駆け引きはどうやら今日は雲の優勢のようだ。後は雨が降らないことを祈るばかりである。
今市から小百を抜けて大笹牧場へ向かう。牧場への裏道のようなこのルートは、観光ルートとしてのデフォルトである「旧霧降有料道路」が無料化された今もなお自分のお気に入りコースである。鄙びた感じがするこの小百ルートこそ峠を越えるという実感を味わえるからだ。
朝の冷たい空気に山ズボンがちょっと厳しかった。上半身は初冬レベルのウェア構成なので寒くは無い。だが下半身はちょっと見当違いであった。普段バイクに乗っていても、真冬以外はGパンで走ってもさほど寒くはないものだが、山ズボンは機能的に風通しや速乾性が優れておりこれが仇になってしまう。要は風通しが良すぎるのだ。
さてさて、大笹牧場で3名の同行者(なんと往年のレプリカバイク、NSR250で林道を走るという猛者が一名)が集合して出発する。自分は下半身が辛いのでバイクカッパのズボンを履いて走り出した。
大笹牧場から栗山へ降り、土呂部から田代山林道へとバイクを進める。ダート入り口で一旦休憩としたが、既にこのあたりも葉が美しく染まっていて目を楽しませてくれる。
休憩箇所でもう一名の参加者と合流し、ダート区間は各自フリー走行となった。林道ビギナーの自分は大人しく景色を楽しみながら進むべし。
林道からの眺めは素晴らしく、自然林の織り成す紅葉もまさに盛り。県境の山並みもまた素晴らしい。以前パジェロミニで走った事がある田代山林道であるが、やはり風を感じて走ると景色も一層際立って見えるものだ。
ダート入り口で休憩 | 林道からの眺めは素晴らしい |
車での参加組と登山口で集結し、約20名のパーティとなる。我らがグループ以外にも沢山のハイカーが登っていく様子から、この山の人気が伺い知れる。
巨大な熊鈴、鈴というよりもはや鐘といったほうが正解かな。登り始めの一箇所と、その先にもう一箇所に設置されている。賑やかに鳴る鈴の音を、この山深いいずこで熊が聞いていたかは知る由も無し。
登山口へ集結 | 登山開始! | これだけ人が多いと熊もさぞ喧しかろう |
登山道は一本調子の登りで、結構斜度がある。歩き慣れない人はきついかもしれないが、道が荒れて歩き辛いなどということとはまったく無縁で、各自のペースを維持すればさほどてこずることも無い筈だ。
小田代まで登ると暫くは平坦で楽が出来る。その後に最後のアルバイト区間を登りきれば雄大な山頂湿原が待ち構えている。
一本調子の登りも一休み | 気持ち良い湿原歩き |
空は相変わらずどんよりとしているが高曇りで遠望は思いのほか利く。尾瀬の山並みがしっかりとその全容を見せてくれていたのは嬉しかった。湿原の草花はもはや冬支度へと一足先に向かったようだが、一面の枯れ模様もそれなりに見ごたえのある情景であった。正直に告白すれば、やはり花が咲き誇る時期に・・・と思ったが、それは次回の楽しみにとっておこう。
避難小屋前で所狭しと昼食タイムとなった。こんな大人数で山ご飯を食べるのは小学校の遠足以来40年ぶりくらいかな?
参加者の方が重い荷物を担ぎ上げてふるまってくれたホットケーキ。中年親父に気さくに話しかけてくれる若者達に触れ、久しぶりに人のぬくもりを感じる事の出来る山行であった。
避難小屋前で食事 | ホットケーキをご馳走になった | 下山路も景色が良い |
概略コースタイム
登山口発(10:08)-小田代(11:23)-田代山周遊道(11:50)- 弘法大師堂着(12:07)-
昼食-行動再開(13:06)-周遊道終点(13:21)- 登山口着(14:43)
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