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先週、先々週と悪天候の週末ですっかりアウトドアも停滞してしまったが、待望の晴れマークに「雪」か「薮」かと思案をしていた。
予想外の春の足音の早さにはいささか困惑するが、花の時期が近づいてきたことは山歩きをする者として歓迎である。今年はどんな花とまみえることが出来るのか、楽しみである。
奥日光にスノーシューで雪収めも考えていたが、しばらく高い温度が続いていたので雪崩もあり得る。流石に単独では危険なので「雪」はパス。ならばと、薮山ネタ帳の未消化案件である上河内の羽黒山南東尾根を敢行することにした。
羽黒山は山頂直下にある神社下まで車で上れるので自分も幾度となく訪れているが、実は歩いて登ったことが一度も無かった。今回は南東に長く延びる薮尾根を辿り、参道に合流して頂上を目指し、下山は石畳の参道を下るルートとした。
南東の尾根の末端と高速道路が接する所にユッピーの森と銘うたれた看板があり、ここよりより少し入ると駐車場がある。脇には立派な水洗トイレもあるが、あまり訪れる人もいないような感じがするのだが。
今里より羽黒山全景 | 駐車地 |
網の目のように良く整備された階段の遊歩道添いに上を目指す。毎度のこと、階段を嫌って脇の斜面を登っていくのだが、侮れない斜度でなかなかキツイ。アキレス腱が辛くなってきた頃には展望所に寄り道をして一休み。南側に長閑な田園風景が広がる。
まず遊歩道を行く | 途中に展望所あり |
更に階段を上り詰めて遊歩道最高点に到達。奥を見ると微かな踏み跡が薮の奥へと続いている。恐らく自分のような物好きが往来しているのだろう。
薮は始めのうちこそ軽く特にうるさいこともないが、段々と荒れた植林地へと変わっていく。足の踏み場を捜しながら尾根形を辿っていくと伐採地に飛び出した。
遊歩道最高地点 | 軽く薮 | 荒れた植林地を行くと |
南西側に篠井富屋連峰が広がる眺望はすこぶるよろしい。人知れず歩く薮でこんな景色に出会えた時は、砂浜で一粒のダイヤを見つけたような気分になる。これだから薮山はやめられない。
好眺望の伐採地を後にして自然林の軽い薮を進む。所々獣道が見え隠れする程度だが密集した薮ではないので苦労は無い。全般的に尾根の西側は植林地、東側は自然林といった感じだ。
331P地点に一旦登り詰め、北北東の緩い尾根を降下する積もりだったが、ここは薮が濃さそうな感じなので一旦植林帯へ下巻きをしてから針路補正をした。
伐採地から好眺望 | 再び軽い薮を行く | 一旦下巻きをする |
鞍部より尾根の中心を拾っていくと自然と340m級の双耳ピークの一つめに到達した。ここから真西に下り、もう一つの340m級Pへ向かえば良いのだが、四方を薮に囲われて少しきつくなってきた。GPSとコンパスと地図を総動員してしばし考察。慎重に針路維持をしながら突破だ。もっとも尾根をどちらへ外してもすぐ判るような単純な地形だからさして心配もないのだが。
西側の双耳ピークからはにわかに道形がはっきりして踏み跡も濃い。快調に高度を下げていくとやがて東から登ってくる参道と合流する。どうやら本日の薮コースはあっけなく終了のようである。
針路維持の為に突破 | 参道と合流 |
あとは石畳の参道をのんびりと登ればよい。所々に丁目石があるが、中には崩壊してしまっているものもある。パジェロミニならやすやすと登れてしまうほど道幅が広いが、このように広い道を作る必要があるほどかつては人の往来があったのだろうか。苔むした路傍の石のみぞ知る過去の賑わいである。
石畳を登り詰めると一旦車道を跨ぎカラッソ坂へ。脇に階段があしらえてあるが、ここもあえて急斜面を進んでいく。斜面側にロープが張られているが頼らずにもう一踏ん張り。美味い飯を食べるには、もう少し苦労しないと。
石畳の参道 | 丁目石 | 車道を跨ぎカラッソ坂 |
なかなかキツイな、と息を荒げて登り詰めた茶屋脇からいつのも展望小屋前を通り過ぎる。車で上がってきた家族連れの子供の声がはしゃいでいる様子が聞こえてきた。
訪れた時は展望小屋でしばし景色に見入るのが習慣だが、今日は目指す山頂まであと少し。脇目もふらずに神社の石段を登っていく。山に登らなかった頃はこの石段でさえ息を弾ませ汗を滲ませたものだが、最近は大分脚力がついたのだろう。こんな所にやってくるのに、雨具から非常時グッズや予備の食糧と水、果てはツェルトまで携行のフル装備でパンパンの重いザックを背負っても幾らか余裕を残して歩いている自分に少し嬉しくなった。
茶屋脇の展望台 | 羽黒山神社石段へ |
神社脇から先は、今回初めて歩く領域である。境内に続くコンクリート道路はいただけないが、ここを少し下ると西側に眺望が広がる見晴らし地があり、更にその少し先に道路に埋まった三角点があった。山頂である。
予想はしていたが、流石に興ざめは否めない。まぁ、今日の目的は南東尾根攻略だったから山頂はオマケと思うことにしよう。
北側突端にある蜜嶽神社を見てUターン。見晴らし地で昼食とした。
ここからの景色は篠井富屋連峰を一望し、奥手にはドシッと日光連山。なかなか見応えのあるものだ。帰りに判ったのだが、神社の階段脇の車両止めのコンクリート道をゆるゆる行けばあっという間にここに出ることが出来る。山歩きが嫌いな人をお弁当に誘うのも良いかも知れない。また季節によっては夕日を眺めるのも一興であろう。
コンクリートに三角点 | 山頂手前の眺望地より |
往路のピストンで下っていく道は、樹の切れ間から差し込む淡い光に春を感じる。一足先に芽吹いた若葉の青さも初々しくて鮮やかである。頬をなぜる柔らかな風に別れを告げると参道は谷間へと差し掛かって行った。
参道を下山する |
やがて、朱に塗られた鳥居が下界との境を仕切る頃になるとその先に車道が見えてくる。石鳥居をくぐれば本日のルートは全て終了である。
参道入り口 |
石鳥居から1Km程度の車道歩きで駐車地へ復帰するが、始めの取り付き区間で遊歩道に気を取られて235.8m三角点を踏んでいなかったことに気づいた。少し登り返して階段脇から薮に入ると、そこは紅白の棒がたった一本刺さっただけの三角点であった。
かなり早い時間に下山してしまったので帰りは少し寄り道をしようと思い、今里から西走して大網へ抜けるべく冬室の集落を走る。向かう正面にはその名も字の如し、飯盛山がそびえ立つ。このまま林道大畑線を進むと丁度飯盛山の南東の裾を越えるような感じになる。
235.8mP | 冬室より西走す |
峠に到達すると何となく消化不良の足が疼く。どれ、一気に150mの急登で汗を流してくるかぁ。
登り詰めた山頂から眺めると、早春の穏やかな陽差しを浴びた羽黒山がそこに佇んでいた。
転げるような急坂 | 飯盛山から羽黒山 |
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