-- 『e-trex Leggend US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --
H君との山行第二弾。
どこにしようか迷ったが、自分が行きたいという気持ちに軍配があがり、鶏鳴山(けいめいざん){961m}へ登る事にした。
鶏の文字が付いた山は、県内では有名な鶏頂山(高原山塊)、鶏岳、鶏鳴山、鶏足山がある。鶏岳は既にクリアしているので今回は2座目の登山となる。
コースは分県「栃木県の山」にガイドされている尾根周回コースである。ネット情報だと山頂から南の尾根はあまり歩かれていないという事なので念の為にGPSへポイントを多めに仕込んで出発だ。登りの累積標高差が800mあまりもあるのでちょっとH君には厳しいかなぁ。まぁ無理なら途中で引き返すか。
周回コースの林道着地点近くに手頃なスペースを見つけて車を駐めた。静かな山と聞いていたが、ここまでに見た車は1台のみである。さて今日は何人の登山者と出会うのだろう。
事前情報の通り、林道を進むと程なく立派なログハウスが現れる。この脇の林道を更に進んでいく。空には雲が厚い。しかし高い感じもする。雨はきっと降らないだろう。高度を稼いでいる間に晴れてくれれば良いのだが。
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駐車地脇の清流 |
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山は会社私有地だ |
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立派なログハウス脇の登山口 |
林道脇から文字通り"山へ取り付く"ようにして登山道に吸い込まれる。砂利林道は初めのうち登山道の脇を付かず離れず並行する。
暫く登ると別方向からの作業林道に出会うが、ここは山に向かって直進だ。樹にくくりつけられた小さな道標もあるが、さすがに私有地だけあって市や県が整備しているような明瞭な道標はこの山域には無いようだ。
山頂のある主尾根に乗るまでの登りも、中盤にさしかかるころになると徐々に斜度がきつくなってきてロープが張られた箇所も出てくる。
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道標を見落とさないように注意 |
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小さな道標 |
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根っこうねうねロープゾーン |
標高が780mを超えた頃一旦やけに道幅が広くなりしっかりとしてくる。作業林道でも作る予定なのだろうか?
標高830m付近で下から上がってくる林道と北側から上がって来る別な林道に更に出会う。ここから先はさすがに林道も途絶えている。この林道の終着点では周囲は木が伐採されており東側の景色が良い。
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何故か道幅が大きい |
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林道最高点より南東方面 |
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同左地点 |
林道最高地点で一旦小休止を取り再びスタートするが、ここから先は更にロープゾーンも多くなり、いよいよ斜度もきつくなってくる。だが、地図を見る限り最後の大詰めのようである。
息があがるので休み休み高度を稼いで登る。H君も辛そうだが2回目の山行にしては善戦をしているではないか。さすがに若さである。
急登の途中に、忽然と「山神」の碑あり。
どうやら上の方が明るくなってきた。長い樹林歩きもとうとうお終いだ。エイヤと最後の登りをやり過ごすと山頂主尾根の北端である。程なく祠が数個立ち並ぶ好眺望ポイントだ。
祠の脇には手作りの絵馬が並んでいたりとなかなか賑やかだ。山頂への道標もオシャレで奮っている。
ここからの眺めは実に素晴らしく、少し先にある岩棚からの西から南西にかけての眺望は見応えがある。雲が掛かっていて、かすかに男体山の山姿が見られたが、冬の空気が澄んだ良い天気の日に是非また眺めてみたい景色だ。
好眺望を後にして尾根を辿るとすぐ山頂に到着だ。 私(社)有地だけあって?山銘板もそこいらの山とは少し変わっている。お洒落な山銘板のお出迎えだ。
山頂は周囲を樹木に覆われて、唯一西側が枝の間からかすかに覗ける程度。時間は少し早かったが疲れていたので昼食休憩とする。
昼食後は南側へ延びる尾根を辿ることになるが、山頂から一旦踏み出すと途端に踏跡が薄くなる。落葉が積もりふわふわとした感触が心地よい。
北側からのルートは良く歩かれているが、南側はあまり人が入っている感じがしない。少し先に行くとまた道型はしっかりしてくるものの、あまりにも踏み跡が薄いのでルートに若干の不安を感じない訳では無い。とにかく尾根を外さないように注意して進む。
赤テープの過信はとかく危険なものだが、このコースでは尾根上の青ペンキと交互に確認していけばしっかりと誘導してくれる。中途半端に赤テープが散乱している山域とは違うようだ。
もっとも、枝道とかがまったく無いので、道を外しようが無いというのが正直なところだ。加えて大量にインプットしたGPSのポイントを頻繁に確認しながら進んでいたので今回はまったく危なげ無い進行である。
途中、今日唯一の単独行登山者とすれ違う。挨拶以外の言葉は交わさなかったが、彼もまた静かな山歩きを堪能しているようだ。
滑りやすい急斜面を降りて、鞍部から標高にして50~60m程登り返せば木立の中の947mピークへ到着。
休憩後の登り返しは結構疲れるものだ。H君と共に「疲れるねぇ」と立ち止まって息を整える。
尾根はずっと木に遮られて眺望は無い。たまに枝が薄いところから漏れてくる日差しがいとおしい。例えて言えば、暗闇に差し込む一筋の光といったところか。
ヤセているという程でもなく、大きな尾根でも無く、これぞ稜線と感じるような心地良い道(写真下中)を高度を下げていく。また少し登り返すと今度は815mピークだ。
815mピークからは東向きの尾根に乗り換える。ここから高度を下げていくと道の様子が若干変わってくる。比較的若い木などが切り倒され放置されている。計画的な伐採とは言い難い状態だが、何か理由が有るのだろう。少し殺伐とした感じも漂う。
高度が下がってくると沢の音が聞こえてくる。時折木立の合間に景色も見え隠れするようになってきた。右の谷では何やら造山工事をしているようだ。
下に通る林道が見える頃になると、生い茂る草の丈も高くなり途端に道が不明瞭になるが、しっかり赤テープを追えばここも問題は無い。ただ、最後のほうは滑りやすくて斜度が若干キツイので要注意だ。
林道に降り立つと、向こう側にひっそり佇む我が愛車。さながら、息をひそめてじっとしている動物のように感じたのはあまりに山が静かだったせいなのだろうか。
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下山時希少の景色(南側) |
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林道出合直前は道が不明瞭に |
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斜度も結構あり滑りやすい |
概略コースタイム
駐車地発(8:50)-登山口(9:01)-林道最高点(10:26)-祠(10:56)-山頂着(11:14)-
昼食休憩-山頂発(11:33)-947mピーク(12:00)-815mピーク(12:32)-駐車地着(13:39)
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