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2007年06月 アーカイブ


2007年06月24日

スープやきそばツーリング

 今年は入梅したら速攻梅雨の中休みになってしまったりと、冬に続いて異常気象のオンパレードといった感じが続いている。雨が降ったの降らないのといったことは、たかが「外遊び」への影響を憂慮する程度の自分にとってはさしたる問題では無いが、農業関係者や季節商売者にとっては深刻な問題と言わざるを得ないだろう。

 さて、このような社会的問題とはほど遠い事で恐縮だが、ツーリングも随分ご無沙汰だったところ、いつものYAHOO仲間で企画があり、待ってましたとばかり参加することにした。

 直前までの天気予報は、ストラックアウトでいきなり真ん中を抜いたように梅雨の中休みよろしくお日様マークの予報。蓋を開けてみれば、お日様は前日の土曜日に店じまいといった感じで今ひとつはっきりしない空模様であった。それでも肝心な部分は、おおむねドライな路面を走行することが出来て、まずまずなツーリング日和。何よりも久々に仲間との走行で楽しい時間を過ごすことが出来た。

 コースは、日光-光徳牧場-山王林道-五十里湖-R400で塩原-スープやきそばで昼食-八方ヶ原-大間々往復-帰路といった山間主体のコース故、いやがうえにも「山」が視野に入ってくる。

 山王林道最高標高地点では、何台かの車が駐車していたり、切込・刈込方面や太郎山への道標がちらっと見えたり・・・。いずれにせよそのうち山登りでも是非訪れてみたいものである。

 塩原のスープ焼きそばは、昼のピーク時間をややまわっていた為、10人以上の大所帯なのにすんなりと店に入ることが出来た。自分は普通盛を頼んだが、仲間内で特大盛りを頼んだ人がいたので失礼して写真を一枚パチリ。

     
明智平で休憩    川俣 噴泉橋    スープ焼きそば 特大盛り
奥が大盛り

2007年06月20日

平日の鳴虫山

 平日に山行をしているというと、とうとう不良中年の仲間入りかと思えばさにあらず。
 珍しく、振替休日をとることになり、平日に休むというサラリーマンなら垂涎もののこの時間を何に使おうと思案したところ、「当然、バイクか山でしょう!」。

いろいろと思いめぐらし山行に決定。

 行き先は、中高年に人気の高いと言われている鳴虫山(なきむしやま){1103m}にすることにした。
 登山人口の大部分が中高年である昨今、あえて"中高年に人気の高い"という表現はなにゆえか、その謎を探りに行く山行である。(本当か?>自分)

 何はともあれ、もっともらしい理由をくっつけての出発であるが、天気がいまいちすっきりしない。大気が不安定であり、夕方にはにわか雨や雷雨の可能性が若干あることを天気予報が報じていたからである。山中での雷は最大の脅威である為、現地の状況で登山前の撤退、登山後は山中で遠雷を聞いたら即最短ルートで下山という覚悟で出発した。

 今回は車を使わずにJR線に乗り日光へアクセスすることにした。改めてのんびりした気持ちでローカル線の旅を楽しむのもまた良いものである。
 普通ならば日光へは車やバイク以外のアクセスが考えられない。あえて電車に揺られながら行くのも脱日常を感じることしきり。

 日光駅の改札を出てみると、それなりに青空が見えてはいるものの、男体山方面はガスが掛かっているが、雷雲のような動きが激しい感じが無いので一安心だ。多少の雨は覚悟して行動を開始することにした。

 コンビニで今日のランチ(おにぎりとパン)を仕込んで、住宅街の裏手にある登山口へ。
 登り始めてすぐに天王山に到着だ。鳥居をくぐれば小さな広場があり、日光市街が一望出来る。さながら近所の裏山といった趣である。

 天王山を後にして更に登って行く。評判通り道標や登山道もしっかりしており、間違えやすいポイントにはちゃんと案内がある。全山通しての印象だが、逆に通常コース以外もいろいろ歩かれており、よく見るとかなり濃い踏み跡があちこちにある。そういった所に全て「封印」がされているところが面白い。他県からの登山者も多いだろうから、地元観光担当部署の骨折りで、道迷い遭難者を出さない配慮であろう。

 若干の急登をこなすとそこは神ノ主山(こうのすやま){842m}である。日光市街への展望が開けているが、生憎の天気で今ひとつの景色である。一番よく見えなければならない男体山や女峰山もガスの中。晴れていれば相当に豪快な風景だと思う。是非次回リベンジしたいものである。

     
コース注意が随所に    神ノ主山 山頂    神ノ主山より日光市街

 神ノ主山を後にすると、鳴虫山までは小ピークをいくつも超しながら徐々に高度を上げていく。

 特徴的なのは、杉の根がうねうねと登山道に露出していることだ。(下写真左)
 足がかりがあって登りやすいという人もいるようだが、自分は階段系があまり好きでないので、巻道があれば積極的にそちらを登った。

 天気があまり良くないので、登山道に差し込む日差しも弱く、鬱蒼という雰囲気がぴったりとする。それに加えて、越えた小ピークの次にまた挑みかかるように忽然と立ちふさがる小ピーク。蛸入道よろしくウネウネとした足が張り出していて、さながら次から次へと出現してくるボスキャラを倒しながら進んでいくような感じである。

 もう一つの特徴は、三角点の標柱が随分と地面から飛び出している点だろうか。ウネウネした根っこが「動」ならば、対局な「静」の標柱。よく見てみると結構面白い組み合わせである。

     
木の根階段    標柱のある風景    標柱のある風景

 樹間からちらっと見える空を、更に低い雲が覆ってきた。そのうちパラパラと雨粒の落ちる音が聞こえてくる。天然の雨傘とはよく言ったもので、小降り程度では樹に覆われた登山道はまったく濡れないものだ。ちょっと雨足が強くなって来たが、雲は明らかに早く移動しているし流れる逆側には明るさもある。5分ほど休憩を兼ねて様子を見てから行動を開始した。

 雷鳴だけは聞き逃すまいとしていたが、遙か彼方で"ごう"という音がしてみれば、みな飛行機の通過音や里(日光市街地)での生活音。900m~1000m地帯だが、登山口が既に570mあるのだからこの標高差は充分里山レベルであろう。

 雲の通過と共に雨はやみ、相変わらず出現を続ける蛸入道ボスキャラを次から次へと退治していくと、程なく行く手に光が差した。鳴虫山の山頂へ到着である。立派な展望台があり、これまた観光関係者の力の入れようが感じられる。が、しかし、依然景色は深いガスに覆われており、追い打ちをかけるようにまた次の雨雲が流れてきた。

 暫くすると今登ってきた登山道から声がして、2人連れの中年女性、続けて同じような年齢のやはり女性3人のパーティが登ってきた。会話の内容をかいつまむと、どうやら自分も含めて全員同じ電車でやってきて登ったようである。孤独な往路であったが、山頂での昼食は場所を同じくすることになった。

 雨を避けるべく一旦携帯傘を開いてはみたものの、ザックから食事を取り出そうとしたらもうやんでしまった。まったく忙しい雨雲である。

 こちらは無口な一人旅。比べて女性陣は話題が豊富である。ドカっと腰かけ弁当を取り出すと、「さあおしゃべりの時間よ」とばかり話に花が咲く。そんな中、「お先に」と声を掛けて山頂を後にした。

 結構急な下りが続き、ようやく緩やかな尾根歩きになったころ、一瞬雲間から光が差し込み始めた。するとどうしたことだろう。それまで比較的静かだった山が一斉にざわめき始めたのだ。ヒグラシが鳴き始めたのである。初めはそこ此処に鳴いていたのが、やがて呼び合うような大合唱とでも言おうか、他の種類の蝉までつられてまるで山全体が大合唱をしているような感じである。まさに「鳴虫山」ではないか。

 さらに面白いのはその後である。一瞬の光の恵みをもたらした雲の切れ間も去りゆき、また元のどんよりとした空になるやいなや、今までの大合唱はぴたっとやんでしまった。まさに自然の寸劇の一幕を見る思いであった。

 その後も緩やかな尾根を進むと程なく合峰(がっぽう){1084m}へ到着。
 合峰は、本によっては合方と表記されていたり松立山とも呼ばれていたりするが、地形図では無名ピークである。

     
鳴虫山    鳴虫山より北西方向    合峰

 合峰には小祠があり、ここから谷沿いに鐵澤不動へ降りていくルートがある。元来修験道であり、若干急な下りもあるらしいが、ガイドブックによると道はしっかりしているということなので次回はチャレンジしてみたいものである。それにしてもこの案内板、山域全体の雰囲気に比べて随分と派手ではないか。

 合峰から更に高度を下げて少し登り返せばそこは独標(どっぴょう){925m}。ここもまた地形図では無名ピークである。この後は下り一辺倒だ。左手(南側)に見えるピークが969m峰ならば、その裏手はバイクで何度も超えたことがある滝ヶ原峠の筈。

 この辺からの登山道脇には小さな紫陽花のような?花が一面に咲いていた。先日寅巳山で見た花と同じだ。群生とはまさにこの事。一面に咲き誇っているようである。

     
合峰よりの修験道    独標    群生している

 高度をどんどん下げていくと、木の根階段の代わりに人口の階段が目立つようになってくる。残念なのは、その大部分が崩壊してしまってかえって歩きづらいことか。また、この辺になるとたまに草や枝が道に張りだしていたりして、そこをくぐるようにして進むようになる。帽子のつばに何かが居るのに気が付き、見てみると尺取り虫のような細長い虫がしがみついている。どうやら悟られまいとして渾身の擬態演技。小枝にでもなりきったつもりなのだろう。そっとしておくとまたのそのそと動き始めて、動かすとまたピタっと止まる。まるで「ダルマさんが転んだ」をやっているようで面白い。そのまま宇都宮まで連れていっても仕方がないので、その辺の葉っぱに待避してもらった。

 電力関係の作業林道のような広い道に行き会うと、ほぼ登山道もおしまい。
 「鳴虫山へ」の道標をいくつか過ごしながら日光第一発電所へ到着。無事下山終了である。

     
なんだろう?山イチゴ?    懸命に擬態中    次の登山者へのプレゼント?

 発電所を過ぎて日光自動車道の下をくぐると、含満ヶ淵と化け地蔵がある。こういった散策コースがデザートのように有るのが中高年人気の秘密なのかな?
 威勢よく流れる含満ヶ淵をしばし眺め、ずらっと居並ぶ化け地蔵の前を進む。よく見ると地蔵さんの顔が一つ一つみな違っているのにビックリ。有る程度似た傾向のやつもあれば、全く個性的な顔立ちで、どこかで会った事のあるようなのも居た。また、よだれかけや帽子も趣がこらされていたり、写真のようにひときわハイカラなお地蔵さんが居たりする。

     
居並ぶ化け地蔵    なかなかお洒落なのも居る    含満ヶ淵

 含満ヶ淵を後にして、滅多に歩くことの無い日光の裏手である町並みを歩き進む。含満ヶ淵から大谷川へ注ぎ込む瀬の水音が心地よい。ここを散策をするだけでも良いのではと思った。

 日光駅までは3Km以上あるが、のんびりを決め込み、ちょっとお洒落?な日光ウォーク。大谷川の橋から神橋の写真を撮ったり、日光駅までの商店街を覗きながら歩く。
 東武日光駅前では、TVでも紹介されたという揚げ湯葉饅頭をいただき本日の山遊びは終了!

     
神橋    揚げ湯葉饅頭    今回も鮮明な軌跡がとれた

概略コースタイム
JR日光駅前発(9:10)-登山口(9:30)-天王山(9:45)-神主山(10:26)-892m峰(10:45)-1058m峰(11:28)-鳴虫山着(11:51)-昼食休憩-鳴虫山発(12:20)-合峰(12:45)-独標(13:25)-日光第一発電所(14:20)-含満淵(14:30)-神橋(15:06)-JR日光駅着(15:50)

2007年06月16日

高原山最高峰 釈迦ヶ岳へ登る

 前回敗退の高原山へ向かう。

今回は、中間テストを控えて勉強にいそしむ娘は参加不能。家内は娘を置いてはゆけぬということで、単独で向かうことになった。

 前回の家族ハイキングは大間々駐車場から八海山神社往復という距離的にも超お手軽コースの予定であったが、悪天候故の敗退。
 今回は自分だけなので、剣が峰から大入道経由で廻ってみようか。いや折角だから往復3時間を頑張って釈迦ヶ岳(しゃかがたけ){1795m}まで足をのばしてみよう。

 八方ヶ原といえばこの時期ツツジが有名である。一面のツツジの海原を期待して行ったのだが、小間々周辺はもう既に見頃が過ぎてしまっていた。
 駐車場は今の時期相当に混雑するという事前情報を警戒して、朝7時半頃には既に小間々駐車場に到着した。結構な台数が既に停まっており、なおかつ皆さん行動を開始しているようである。見れば大部分県内ナンバーなので常連さんなのか。

 車内で朝食をとってしばし休憩。身支度を調えいざ出発だ。遊歩道を使って大間々へと向かう。
 大間々手前から林を抜けると一体に広がるツツジ。樹々に覆われた遊歩道歩きから解放されたことも手伝って、鮮やかなツツジの花を楽しむことが出来た。

 大間々駐車場に到着したのは8時40分頃だが、既に駐車場は満車。後で調べて解ったのだが、ツツジを見るのならここからミツモチ山へ向かうのも良いらしく、これは是非来年の家族企画に採用しよう。

 それにしても今日は風が強い。しかしながら空には雲一つ無いピーカンである。実は、昨晩から続くこの強い風の原因は解っていた。
 大型の低気圧が東海上に去りつつも、外輪の気圧が混んでいる部分が未だ本州上に残っているからである。日曜になれば低気圧は完全に去り高気圧に支配される予報天気図を見ていたので、風の事だけ考えれば今日より明日という判断だが、まぁヤセ尾根で吹き飛ばされそうだったら今回も敗退すれば良いだろうと思った。
 結果的には翌日に残る疲れを考えると、土曜日決行が正解だった。だがこれはあくまで結果論。(筋肉痛の日曜日にこれを書いている)

 駐車場からしばらくは砂利林道(車両は進入禁止)をのんびりと歩く。時折老夫婦が花の写真を撮っていたりとなかなかのんびりした雰囲気である。見上げれば真っ青な空に緑の筆を下ろしたようなきらめき。気温も丁度良いし、風さえ無ければこれほどのハイキング日和は無い。

 程なく登山口に到着し、入山ノートに記帳してここからが山道である。今回の山行で思ったのだが、山としての深さやそれに付随する危険度は流石にそこらの里山より一枚上手。しかしながらコースの整備度(道標や道そのもの)はさすが高原山は一流である。最近は、道標などろくに無いあるいは全く無い、そして踏み跡が薄いとか厚いとかそういったところを登っていたので、こうも潤沢に標識が設置されているとさながらカーナビで走って居るような感じである(笑)

 整備と言えばもう一つ思ったのが、特に後半の剣が峰~大入道~小間々間の笹道。昨シーズンに登山道に生い茂った笹を丹念に刈り取り、ハイカーが誤って笹の中に迷い込まないよう配慮されている。これもまた日頃藪山にいそしむ自分にとっては過剰サービスという気がしないでもないが、確かに足元を凝視しての笹漕ぎは危険かつ道迷いの原因なのは火を見るより明らか。作業に携わる地元関係者に大いに感謝である。

 初めは緩やかだった登りもややきつくなってきて、上に明るさが見えてきてエイヤと更に一登り。眺望良好な尾根筋に到着。大間々駐車場から八海山神社に向かうこの南側のルートの名前は「見晴らしコース」。なるほど、コース名の期待を裏切ることなく見事な眺望風景が迎えてくれた。後から来た初老夫婦が大きく息をつき腰を下ろして休憩を始めた。つられて自分もザックを降ろしてしばしの休憩。

 ここで家内にメールを入れようと試みるが、圏外だったりアンテナが2本立ってみたり、でも通信そのものは不能。いつもの低山なら大抵の所で携帯は使えるのだが、流石に眼下の集落からこちらへの指向性の電波は無いようである。このあとも幾つか街が見えるポイントでも発信を試みたが何処も駄目。連絡が無いので家内が気を揉んでいるのではと、行動中少しそれが気がかりだった。事前に解っていれば説明していたのだが。

     
大間々のツツジ    青空に映える緑    見晴らしコースより

 八海山神社へ向かう見晴らしコースはあまりにも景色が素晴らしく、所々足を止めたくなるほどだ。先ほどから見えている釈迦ヶ岳を目指して更に進むと程なくガレ場が始まり、遠くに小祠が見えてきた。あれが八海山神社{1539m}。

 神社の周りは岩だらけ。あたりを遮るものも無く眺望も良い。更にケルンなども積んでありアルペンムードが漂う。ここから来た道を戻るもよし、林間コース(北側の尾根のコース)を使って帰るのも、家族ハイキングや日頃山には行かない人にとってはうってつけのコースになるのではと思うことしきり。

 八海山神社を後にして更に進むと、少し道が静かな感じになる。適度な斜度のコースを黙々と登っていくとそこは矢板市最高地点{1590m}。木々に覆われ眺望は無い。
 この先、帰路の剣が峰~大入道コースにもこういったピークが幾つかあるが、いずれも眺望は無い。先ほどの見晴らしコースの景色があまりにも素晴らしかった故少し物足りないような気がした。

     
これから向かう釈迦ヶ岳    八海山神社    矢板市最高地点

 矢板市最高地点より高度を下げて剣が峰分岐へ。剣が峰は帰りに寄ることにしてそのまま西へ進むと更に高度が下がっていく。ここからが釈迦ヶ岳往復のコースに入った訳だが、道に不明瞭などというのは微塵も無し。しかし、流石に急峻なエリアにふさわしく、北側の谷は深く切れ込んでおり道が痩せている箇所もある。私などのようなビギナーハイカーが言うのもおこがましいが、初めて訪れる方は充分に注意をして通行されたい。地形図をご覧になれば解るが、落ちると一発で50m以上は滑落しそうな感じである。もっとも危険箇所にはロープを張って注意を促したりと、この辺も関係者の配慮はぬかりが無い。

 切れ落ちた区間を注意しながらやり過ごすと、今度は結構な急登区間が待ち受けている。トラロープに助けて貰いながら登るこの辺になると流石に疲労もピークになって来た。喘ぎ喘ぎ休み休み登って行く。止まる度に高度計を見ても稼いだ高さはまだ20m、やっと30m。

 ヘロヘロになりながらようやく登り切ると鶏頂山からの登山道と合流する分岐へ到着。釈迦ヶ岳山頂へはあと一歩の筈が、脚が進まずここでも立ち止まる。さぁもう一頑張り!

     
樹の切れ間から北側    剣が峰分岐    釈迦ヶ岳直前分岐

山頂到着。

苦しかった登りの疲れも一瞬にして吹き飛ぶような素晴らしい風景に暫し立ちつくす。流石は一等三角点を有する高原山の盟主。

 宇都宮市内からは日光男体山と共に高い山のシンボルとして慣れ親しみ、いつも「見」ていた山。今まさにその山頂に立っているという感動!

 相変わらずの強風で、遮るものの無い山頂はちょっと辛いものがあったが、皆さん枯れ笹の中で腰を下ろしてランチにいそしんでいる。これに習って適当な場所を陣取るとあら不思議。あんなに強い風も笹に覆われて風は殆ど感じない。

 雄大な景色を見ながらの昼飯は最高だ。コンビニのおにぎりもここではとびきりのご馳走である。非常時用にキープしてある氷入りの水筒からよく冷えたお茶を一杯飲む。あぁ極楽だね。
 その後、枯れ笹のベッドに横たわり青空を眺めながら一休み。こういった場所がある山頂は貴重である。

     
釈迦ヶ岳山頂より鶏頂山    枯れ笹特等席でランチ    南側眺望

 贅沢な時間を過ごして、さぁ気を引き締めて後半のコースへ。
 先ほど喘いで登った急登も、下りは慎重にも慎重を重ねてゆっくりと降りていく。登りではまったく気が付かなかった白く清楚な花が美しい。(恥ずかしながら名前解らず。どなたか教えてください)

     
南側眺望    中岳    白く清楚な花

 先ほどの切れ落ちた危険地帯を再びやり過ごし、その後登り返して剣が峰{1540m}。
 剣が峰もはその峻険な名前とは裏腹な小広い静かな頂である。眺望は全く無い。きつい下りで多少腿が痛くなってきたのでクールダウンを兼ねてザックを降ろし、しばし静寂を楽しむ。

 ここから大入道へ向かう尾根は、穏やかな道が続く気持ちの良い道である。全体的に下り基調だが、若干の登り返しが釈迦ヶ岳往復で疲れた体にムチを打つ。

 北西方向にぞびえる明神岳や前黒山を木立の合間に見やりながら進んでいくが、相変わらず風が強く、山をごうごうと鳴らしている。聞こえて来るのは山のうなりとセミ(山セミ?)の降りかかるような鳴き声のみ。時折遠く聞こえるヒグラシの声が何故か懐かしく感じる。
 尾根から西側山域につながる深い谷を見ていると、到底人が入り得ない険しさがある。あそこにはクマでもイノシシでも、本来有るべき姿の自然がきっとあるに違いない。そんな事を考えながら歩いていた。

     
剣が峰(たぶん)    剣が峰    大入道へ向かう尾根道

 あと少し、と気持ちを引き締めてどうにか大入道{1402m}へ到着した。この時点で既に山道を10km以上も歩いているので疲労は当たり前である。自分の体力では釈迦ヶ岳往復を抜いた位がベストかな?と思った。

 大入道でもまた腿のクールダウン。今回から持参の筋肉疲労用瞬間冷却スプレーを吹き付ける。周囲に人気が無かったのでズボンを下げてパンツいっちょで、太ももにもシュッと一吹き。
 冷たいのは良いのだが本当に筋肉痛に効いているのかしらん。まぁ気休めで無いよりましだろう。冷たいのは間違いないから。
 よくマッサージをしてほぐれてきたら、さぁ出発。最後の下りを注意しながら降りないと。ここで怪我などしたらつまらないからね。

 冒頭にも書いたように、よく手入れされた笹の間のコースを降りていく。途中沢を横切るあたりでちょっと道が散逸する感じがあっても、岩にデカデカとペンキで矢印が書いてあったりと実に親切である。

 最後の沢(桜沢)を横切り一登りすると小間々キャンプ場が見えてきた。ゴールはもうすぐ。あとは平坦な林を抜けるとそこは駐車場だ。
 7時間以上にもわたる山行も無事終了。急いで家内へ無事メールを入れた。

     
大入道    今回のGPS軌跡   

追記

 今回はコース中常に日差しが差し込んで衛星の補足が可能、かつザックへのGPS受信機の取り付け位置の改善が功を奏し、ほぼ完璧な歩行軌跡を捉えることが出来た。
(上写真右)
剣が峰~釈迦ヶ岳間で一部谷側に軌跡が飛んでいるがこれは測定誤差。ここに落ちたら死んでます。

 また、新たに購入したザックも、歩き始め1時間位は肩紐に違和感を感じたものの、程なく慣れてしまって、逆に腰の部分のしっかりしたベルホールドが思いの外軽快な背負い心地になるということを実感した。更に、今回初めて着た汗を溜めない新素材のアンダーウェア。激安店の安物だが、なかなかの高機能。従来なら汗で下着がベットリ濡れて嫌な思いをしたものだが、こいつは快適そのものだ。新素材の進歩に驚いた。山やスポーツだけでなく、これからの夏場に向けて日常生活での着用も良いのではと思う。

追記その2

 今まで当ブログを読んで頂いていた方にはちょっと違和感があるかもしれないが、従来の「ですます」調から「である調」へと今回から書き方を変えることにした。
 理由はいろいろとあるが、「ですます」調の表現力って案外難しいのではと最近気づいたのが最大の原因か。


概略コースタイム
小間々駐車場発(8:05)-大間々駐車場(8:40)-登山口(8:50)-尾根上(9:25)-八海山神社(9:50)-矢板市最高地点(10:00)-剣が峰大入道方面分岐(10:14)-鶏頂山分岐(11:37)-釈迦ヶ岳山頂着(11:40)-休憩・昼食-山頂発(12:18)-剣が峰(13:24)-大入道(14:26)-一本目の沢(15:02)-桜沢(15:15)-小間々駐車場着(15:22)

2007年06月03日

寅巳山

 今日も家内の実家に所用あり。
で、確信犯的に準備をすすめ、先週の雷電山のお隣、寅巳山(とらみやま){445.8m}へ登ってきました。

 まずは取り付き地である野鹿台団地の最深部へ。

 以前バイクで下見を済ませてあり、車の駐車が難しそうだったので、今回は取り付き地へ家内の送迎付きの豪華?山行です。

 登山口は標識もなく、鬱蒼と草が生い茂っておりちょっと心細い感じですが、10mも入るとしっかりとした林道があってびっくり。
この林道もすぐに途切れますが、ガイドブック(栃木の山140)通りに谷を忠実に登って行きます。

 途中左手一体が伐採されており、尾根筋が丸見えで思わずそちらによじ登りたくなりますが、ガイドブックに従いここはじっと我慢で谷を詰めていきます。

 踏み跡が谷をはずれると次第に急登になります。喘ぎながらここを登り切ると、ガイドブックの表現がぴったり、文字通りポコンと「突き上げる」ようにして尾根鞍部に到達です。
{下山時に同地点を通過しましたが、尾根からは見過ごしてしまいそうになるほど}

     
登山口    登山口入ってすぐ    沢から尾根へ登る

 ここから更に北へ少し登って次の尾根に乗り換えると、程なく山頂へ到着です。ガイドブック等で既知の通り、展望はまったくありませんが幾つかの山名板が迎えてくれました。
 山頂広場を独り占めして昼食タイムです。三角点にカップラーメンを置いてその脇にある石に腰掛けて、さながら簡易テーブル(笑)

     
山頂    三角点    紫陽花のような?花

 帰路は、先ほどの「突き上げた」尾根の箇所まで戻り、尾根を南南西方面へ直進すると、忽然と現れる柱状節理。本当に唐突と現れます。この草木で覆われた山の中に隠された地質や如何にと思わせる表情の豊かさとでもいいましょうか。
  所々に控えめに咲く紫陽花のような花(無粋故名前解りません)を眺めながらの下山路もまた、踏み跡を外さないように慎重に下っていきます。
 結構な斜度と滑りやすい足元故、たまらずトレッキングポールの世話になりました。

傾斜が緩やかになったあたりで踏み跡は消失しますが、右側谷筋(登り路)を意識してそちらへトラバース気味に下りていくと登山口付近の林道へ合流。無事下山終了です。

     
柱状節理    団地入り口の地図 登山道への唯一の地元情報    田に写る寅巳山 なかなかに美しい

今回は思ったより衛星の補足状況が悪くGPSの軌跡はメタメタに切れていました。しかしながら、「栃木の山140」の記述通りぴったりの道程だったのはビックリ。寅巳山担当の執筆者の文章の適切さには脱帽でした。


概略コースタイム
登山口(12:30)-尾根突き上げ(12:55)-山頂着(13:03)-昼飯-山頂発(13:28)-柱状節理(13:38)-登山口(13:55)

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    栃木の山とその周辺の低山を巡る日々「里山逍遥」。もぉ、このタイトル見ただけで直ぐに相互リンクを申し込んでしまいました。新田次郎さんと飲んだことがあるという凄い方です。登山に対するフランクな考え方も共鳴できます。
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    季節の移ろいと自然の姿に心惹かれるブログ主さんの記事は、山好きな人ならきっと共感することと思います。自分も長い間隠れファンでしたが、この度相互リンクさせていただきました。
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  • PIAN PIANO.
    バイク仲間であり山仲間のなおさんのブログ。ブログ名のPIAN PIANO.(ピアン ピアーノ)は、イタリア語で「あせらず、ゆっくり」という意味だそうです。

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