赤雪山~仙人ヶ岳周回
参考にされる場合は自己責任でお願いします。
2007年12月9日 仙人ヶ岳
赤雪山をどう登るかについてはかなり以前から悩んでいた。
松田湖を起点とした周回コースがあるが、ちょっと物足りないような気がする。「栃木百名山本」には名草の巨石群方面からのアプローチが掲載されており、これは良さそうなのだが車の回収が難しい。以前、ブログ友のNonさんが歩いていたのを思い出し、仙人ヶ岳への縦走をして周回コースとすることにした。
松田湖の最奥地にあるキャンプ場駐車場に車を停めると、正面に見える高みが下山の際の降下開始点である展望地(561mP)だ。
湖畔をぐるりと廻るようにして、今しがた走ってきた車道を戻る。日陰は身震いするほど寒い。程なく道路脇の道標に従い登山道へ入った。今回赤雪山に登るコースは山頂へストレートに突き上げる南尾根コースである。
初めのうちは植林帯に付けられたジグザグを登っていくが、標高350mあたりから車でも通れそうな幅広の真っ直ぐな尾根道となる。
キャンプ場の駐車場 | ここから登る | 車でも通れそうな広い尾根 |
更に進み、等高線が混みだすと再びジグザグの道が現れ、軽く岩角が出てきたりする。尾根といえども両脇が木に覆われているので眺望は少ない。
立派なあずまやが建つ赤雪山の山頂からの眺望は、南側が開けているものの、その他の方角は枝に邪魔されすっきりしない。小休止をしていると男性2人組が東側の尾根から息を切らして登ってきた。聞けば、やはり仙人ヶ岳まで縦走するという。
彼らに先発して仙人ヶ岳への尾根道に足を踏み入れた。赤雪山までは過剰とも言えるほどよく整備された山道だったが、こちらのエリアはやはり通過する人が少ないのだろう。いつもの慣れ親しんだ感じの山道に、心癒される静かな趣が戻ってきた。「栃木百名山本」には"踏み跡も薄いため、初心者には勧められない"とあるが、明らかに行政が設置した立派な道標が要所にあり、初心者の方も安心して歩ける登山道になっている。危険な箇所も全く無い。確かにアップダウンが続くというのは本のとおりだが。
赤雪山頂上 | 南方面 | 仙人ヶ岳へ向けて |
北向きの一部区間で残雪がアイスバーン状になっていた。想定していたので携行していた4本爪軽アイゼンを装着。雪が消えてもまた凍結区間が出てくるので、腰にアイゼンの袋を下げて何度か脱着を繰り返す。
地形図を見ていて、標高差40~50mのアップアダウンが数回あるというのが頭に入っていたからペース配分を崩さずに登ることが出来たが、「こんなに下るの勿体無いなぁ。折角汗かいて登ったのに」と未だそんな煩悩に悩むことしきり(笑)
所々アイスバーン | アップダウンの繰り返し | ステンレス製の道標恐らく私設? |
仙人ヶ岳の北東尾根が近づいてくると目指す仙人ヶ岳の山頂付近が大きく見えるようになってくる。尾根に突き上げたあと、等高線の込んだ623mPに汗を絞られる。ここで先行者のシルバーグループに追いつく。対向ですれ違ったグループもやはり年齢が高そうな人達で、人気の山であることを実感した。
仙人ヶ岳の山頂は既に数組の先客が弁当を広げているところ。自分の前にいたグループのメンバーに知り合いがいたようで「やぁやぁどうも」と歓声が上がっている。古賀志山のように、常連さんはパーティを変えながら登っているのだろう。
赤雪山で出会った男性二人組もやがて山頂へ到着。自分もザックを降ろして昼食とした。他のパーティの人達は随分声高でテンションが高い感じだが、先ほど追いついたグループのメンバーから酒の匂いが少しした。どうやら途中の休憩で既に気付け薬を処方してきたのかもしれない(^^;
複数のパーティーで喧騒渦巻く山頂は、この後も続々と到着するグループで膨れていく。重ね重ねも仙人ヶ岳は人気の山である。
コーヒーも終えたので、一足お先に出発するとしよう。
熊の分岐に近づくと、一体は山火事の跡が痛々しく散見される。熊の分岐の表示板も端が焦げている。山火事はつくづく恐ろしいものだ。自分もストーブで火を使うので充分注意が必要だが、煙草を吸う人には特に注意して貰いたいと切に願うものである。
熊の分岐からは猪ノ子峠へ向かう道を選ぶ。ルートを分けた岩切への稜線が気持ちよさそうに向かいに伸びている。
仙人ヶ岳が見えてきた | 山火事の跡 |
熊の分岐の標識も焦げている | 岩切へ向かう稜線 |
やがて伐採地跡の展望地(561mP)へ到着。朝、出発の時に駐車場から見上げた箇所である。ぐるりと180度以上の眺望が開け、眼前の赤雪山、そして左に目をやると今日歩いてきた稜線が一望できる。遠く東の彼方には形の良い筑波山が見える。眼下には松田川ダム、そしてその一番手前に駐車場に置いてあるパジェロミニが肉眼で確認出来るほどだ。右手には猪ノ子峠へ伸びる尾根がすーっと伸びていくが、一本筋の稜線から切れ込む渓谷は遮るものもなく素晴らしい景観である。
駐車場が小さく見える | 遠く筑波山がひときわ高い | 恥ずかしながらセルフ撮り |
この眺望地より、猪ノ子峠と松田湖へと、ステンレスの道標が道を分ける。松田湖へは初め赤土の急降下。これが実に滑りやすくて難儀する。やがて北東へ向かう岩尾根となり展望はますます衰えない。今日のルートの中では最高の場所だ。また、道形はしっかりしてはいるものの幾らか藪っぽいところや痩せた岩尾根は程よく野趣があり、歩いていて実に楽しい。赤雪山も仙人ヶ岳も管理された登山道が多いのでで安心だが、やはり山道はこうした味わいも欲しいものだ。
このコースとて特に危険な箇所はないが、他のコースと比較するなら幾らか難易度は高い。山を歩きはじめたばかりの方は経験者の同行が望ましいと思う。
松田湖へ向けて下る | 猪ノ子峠へ向かう稜線 | 道形ははっきりしているが野趣溢れるコース |
途中、珍しい層状の露岩の脇を超えて暫くすると再びステンレスの道標がある。ここを見落として尾根を直進してもやがて別な林道に拾われダムに向かうようだ。
岩尾根に別れを告げ右90度へ転換して高度を下げる。初めはスギの幼木が植えてある日当たりの良い道も、やがて落ち込むように植林帯へと突入していく。
珍しい岩が露出している | 岩尾根もここまで | 杉幼木の植林帯へ |
ひとしきり急な下りをこなしていくと突然作業林道の終端部へと飛び出す。見上げると、よくぞこんな所にルートを作ったものだなと、道を拓いた人のインスピレーションに脱帽。
急斜面が厳しい | 作業林道へ飛び出す |
林道をひたすら下っていくと突き当たりの沢で道は消失。その先の寂れた堰堤脇の踏跡を辿ると駐車場へとたどり着いた。見たところ、駐車場方面から林業用の重機が入るルートは無さそうなのだがこの林道が思ったほど荒れていないのが唯一不思議である。
寂れた感じの堰堤、駐車場はこの先 |
GPSのログを見ると、沿面距離約9Km、累積標高+973mと結構ハードなコースであった。眺望が終盤の松田湖への下降区間だけというのが少し寂しいが、仙人ヶ岳と赤雪山を単独で歩くよりもずっと楽しみなコースであった。
概略コースタイム
駐車場発(08:25)-赤雪山登山口(08:36)-491mP(09:10)-赤雪山(09:39)-
585mP(10:23)-623mP(11:08)-仙人ヶ岳(11:52)-昼食休憩-行動再開(12:09)-
熊の分岐(12:33)-展望地561mP-岩尾根終了(13:13)-作業林道出合(13:24)-駐車場着(13:41)
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