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2010年04月 アーカイブ


2010年04月29日

田川遡上

今回の走行軌跡はこちらからご覧ください。


 GW初日(とは言っても金曜土曜は仕事)は、低気圧の前線通過で丁度昼前後に雨が降った。午後からまばゆいばかりの青空が戻ってくると、もう家にじっとしてはいられない。

 実は先日偵察で少し走った田川沿いのオフロード。どこまで行けるか試してみようじゃないか。午後の中途半端な時間を埋めるには丁度よい内容だ。

 スタート地点は宇都宮駅前に掛かる「宮の橋」である。行き交う若者達にうさんくさそうな目つきで見られながらも、メット姿のまま写真をパチリ。

 川沿いの細い道をとことことスタート。途中に柵があるが、特に車両進入禁止とも書いてないので通行させてもらう。

     
宇都宮駅前宮の橋       四輪はここまで

 鎌倉橋付近で白沢街道を横切る。すぐ畦道へ復帰して川沿いをキープする。この先石畳があったりと、いろいろと趣向が凝らされている区間があるが、遊歩道で車両禁止という訳ではない。道幅一杯を使って、釣り人の車がたまに往来していたりする。

     
白沢街道、鎌倉橋付近      
     
     
     
     

 先日の偵察走行で見つけた絶壁の上の石祠。時間が無かったので詳しくは調べなかったが、実は奇しくもブログ仲間のけむぞうさんがつい先日訪れたそうだ。

 正面から見るととても人が近づける様子では無い。裏手に民家がありその脇から登れるのではないかという所までは先日の偵察で判っていたが、あまりにも"人の家の庭先"っぽい雰囲気があったのでためらっていたのである。

 今回は小さなバイクだから、ちょいと脇に置かせていただいて登ってみる事にした。

 む!はじめは穏やかな道もすぐ荒れだした。おっ、今度は、立派な階段が・・・
 ものの数分で登りきった先には一の鳥居。くぐれば、赤い屋根の建物に「御嶽山」の文字。

 二の鳥居脇の碑文を読むと天保五年云々のくだりがある。結構古くからここに構える社のようだ。

     
隠れスポット、御嶽山    民家の裏手から   

     
   一の鳥居    広場がある

     
   二の鳥居    天保五年建立?

 更に二の鳥居をくぐると、その先に道路から見えた絶壁に毅立する石祠が見えた。そしてその向こうには半蔵山や、篠井富屋連峰のはずれに座する兜山と鬼山の姿が見える。

 傍らのツツジが、けなげにも彩を添える狭い山頂でしばし休憩。あぁまたすばらしい場所を知ることが出来た。

     
最奥の石祠    半蔵山    鬼山、兜山

 下山は進入禁止(不法投棄対策)だった舗装林道を下るか、来た道を素直に戻るか、それとも目の前の作業道を辿るか。

 答えは3番。すぐに突き当たりで道は終了。一旦斜面を上がって向こう側を覗くと、先ほどの道と民家が見える。構うもんかと薮の斜面をざくざく降りていく。先のほうの田んぼで作業中の人に見られてるんじゃないかと思うと柄にもなくちょっと恥ずかしかった。

 このあと、田川は西と北に分岐するが、北に向かう逆川沿いにバイクを走らせて行く。右手には篠井連峰が近づいてきた。

     
帰りは別ルートでプチ薮    篠井富屋連峰   

 榛名山の真横を通り過ぎ、更に進むと、一旦狭くなった川幅は更に先で堤が有りまた広くなったりしている。農家にとって、川は大切なリソース(資源)であることがよくわかる。

     
榛名山    随分細くなった逆川   
     
チェンジペダルに花が    まだまだ行ける    アーチ橋って珍しい

 可能な限り走ってみたが、自分の腕前ではここがリミットである。向かう薮に走行を断念!

 退散後にバイクを降りてみたら薮走行の残骸多数(^^;

 田川遡上計画はこれで一応おしまいと相成ったが、帰りにもう一箇所、兜山へ寄り道をしていこう。田川に面する山だからテーマを外してはいないだろう。

 4年前に息子と歩いた時はカマボコ板のような道標が地面に置いてあっただけだったが、今は真新しい立派な道標が新設されている。裏を見ると宇都宮市の文字がある。

     
降参!    一杯くっついてた    寄り道の兜山

 だいぶ木が育ったようで、ますます景色は利かなくなってきているが、静かな山頂からは枝越しに半蔵山が重々しく横たわるのが見えた。

     
   兜山頂上より半蔵山    泥だらけで帰宅

2010年04月25日

再訪、谷倉山



-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --


 春がどんどん通り過ぎていくというのに、ここ一ヶ月ほどなかなか山行予定と天気とスケジュールが噛み合わない。今回見送ったら今年はもうおしまいにしようと半ば諦めかけていた。だが予報とおりの期待を裏切らない快晴に多少の心残り(パソコンが故障してしまった)に、文字通り「万障繰り上げて」今期薮山の締めくくりの谷倉山を歩くことにした。

 谷倉山は昨年(2009年)の正月に、下野新聞社の"栃木百名山"ルートで登りにてこずったのが記憶に新しいが、登路の険しさとはうって変わって穏やかな尾根の印象が忘れられなかったのである。
 前回はガイドブック通りに谷詰めで登り、尾根半ばから谷を降りて周回をするといったルートであったが、今回はぐるりと外周の尾根を周回することにした。南端の神社からの取り付きはネットでの明確な情報を自分は見ておらず、また偵察も行ってはいない。だが、すぐ三角点(198.5mP)があることなどからあまり心配はしなかった。むしろその先の緩やかな尾根道が薮で覆われているのではないかと気になった。だが、その心配もことごく霧散することをこの後知ることになる。

 星野遺跡の所にある駐車場に車を置き、一旦車道で来た方向へ戻る。菜の花も綺麗に咲き、鯉のぼりが元気に泳ぐ風景はまさに春爛漫である。県道の大きな道路に出るとすぐ脇にある神社、「村社星宮神社」が今日の取り付き地である。

     
粟野より谷倉山    菜の花と三峰山    ここが今日の取付となる

 よく手入れされた鳥居をくぐり、短い階段を登るとすぐに社殿があった。裏手を見渡しても急斜面の土手ばかりでとても登れそうも無い。だが、右手の青々とした薮の下をよく見ると踏み跡発見。これを追うと、ジグザグ2回程度であっけなく尾根突端に到達である。今になって思えば今日のコースの最大の難関にして激薮であったが僅か数分でクリアという拍子抜けでもあった。

     
うぅむこれは手強い    踏み跡アリ    尾根突端に出ればこっちのもの

 すぐに198.5m三角点。続いてしばらくダラダラとした感じで小薮がうるさいが高度が上がるにつれ、まるで整備された登山道のように歩きやすくなってくる。

     
198.5mP    次の登りまで少し辛抱    尾根に乗ると快適!

 等高線の緩いピークは往々にして予定線から外れそうになるが、それでも上へ上へと歩きやすいルートを選びながら行く。時折比較的新しい靴跡があるが、よく見ると何かを掘り起こした跡が周囲に見られる。金になる植物の株でもあるのだろうか。ここを歩くのはそんな山師か自分のような物好き位らしい。取り付きの198.5m三角点からはずっと人工物のかけらも無い静かな山旅である。348mPで一息ついて更に進む。

     
コツコツと上を目指す    何か採掘した跡が    348mP

 348mPから先はにわかにツツジが増えてくる。花はまだほんの少しであるが、葉の色の鮮やかさがひときわ目に染みる。あと半月もしたらきっと見事なツツジのトンネルになっているだろうに。

     
   ツツジの多い尾根   

 465mPで赤く塗られた石の境界杭を見る。上の木の枝には今日初めて見る赤テープがあった。北側に明瞭な踏み跡が続いている。恐らく林道から登ってくるのだろう。

 ここからコースは真東になる。正面に谷倉山を見据えて進めばよいのだが、目指す山頂はまだまだ遥か彼方。地図ではそんなに距離が無いはずなのに実際その場に立ってみるといかにも山はスケールが大きい。人間って奴も山に比べれば遥かに小さな体なのに、こんなに遠くまで、そしてあんな所までよく歩いて行けるものよと感心する。

 465mPからの谷倉山主稜線は明るく開けており心地よい。薮山なんてどこへやら、綺麗な植林の並びはまるで街路樹のようだ。

     
465mP    目指す谷倉山    遊歩道並み

 尾根を詰め切ると、そこに電波塔施設があり裏手に殺風景な山頂三角点がある。一応踏儀礼として踏み、すぐさま踵を北北西の伐採地に向けた。前回は日陰の北斜面の深い霜柱を踏みしめながら歩いたが、今日はうって変わって暖かな春の陽気。運ぶ足も軽やかである。

 ザックを下ろして、伐採地の切り株に腰かけてから風景を一望。いつものランチに取り掛かる。奥日光から鹿沼の山並み、古賀志山、篠井富屋連峰まで、日頃慣れ親しんだフィールドがすべて見通せるのが嬉しい。高い山から見る迫力あるパノラマも素晴らしいが、この景色も自分にとっては値千金である。

     
相変わらず殺風景な山頂    伐採地よりパノラマ    日光方面
     
粟野から上がってくる建設中の林道    散り行く桜もまた美しい    後方より展望地

 一旦山頂まで戻り、残りの半周をスタートする。昨年這い上がってきた枝尾根の分岐を懐かしみながら今回は南下を続ける。真新しい間伐の枝や丸太が片付けられていないので歩きづらい。地形が隠されているので、えてして尾根形を見失いがちだが少し辛抱しながら丹念に歩いていこう。

 集落に向かってほぼ真東に伸びる尾根に乗り換えると段々と不明瞭な区間が多くなってくるが、引き込まれるような尾根も無いのでまさに電車道のようなもの。途中から木材搬出用の溝も出てくるがこれもかまわずに進路キープに努める。

 標高250m地点で本日唯一の道標を発見する。梵天山?見晴台?、一体それは何処にあるのだろうか。果たしてこの道標の前後はハイキングコースと言えるのであろうか?かつては整備されていてビューポイントがあったのか。大いなる謎である。


     
樹林帯を下る       はて梵天山とか見晴台は何処に

 下のほうへ行くほど踏み跡が錯乱して誘惑されそうになるが初志貫徹。GPSをこまめにチェックして薮をくぐり民家脇に無事フィニッシュ。

 帰宅してGPSのログを見て驚いた。今回は想い描いた通りにほぼ完璧に歩きとおせた事。薮納めに相応しい結果に大満足である。本当はこの周回尾根が、実は相当に地図通りに素直な実に懐の深い奴で、始終自分の進路を見守っていてくれていたのに違いない・・・とも思ったのである。

     
木材搬送溝を嫌って進路は薮    民家脇に無事到着    星野の里と谷倉山

概略コースタイム
駐車場発(9:03)-取付地(9:13)-198.5mP(9:24)-348mP(10:04)-465mP(10:30)-
山頂(11:07)-伐採地着(11:13)-昼食休憩-行動再開(11:50)-493mP(12:29)-
339mP(12:52)-集落(13:21)-駐車場着(13:25)

2010年04月04日

花見

 3月中に開花すると言われていた宇都宮の桜だが、ようやく土曜日に咲き始めた。日曜日のどんよりと曇った空の下、我が家の桜もようやく重い腰をあげたようにポツリとポツリと花びらをのぞかせている。

城山西小学校で「孝子桜祭り」をやっているということなので、家内と老母を連れて見てくることにした。

治会の尽力で屋台が校庭狭しと拡げられている。

 さて、肝心の桜だが、生憎ちょっと早めか。暖かくなれば今週の後半当たりが見頃かもしれない。祭りがあと1週間ずれていればと思ったが段取りもあるし致し方ないのだろう。

 樹齢450年という枝振りは流石見事。かねてより噂に聞いていた桜だけに花がついた姿を見られたのでまずは満足である。

     
城山西小学校    孝子桜    学校の裏に見晴台がある

 孝子桜も素晴らしいが、城山西小学校の佇まいもまた素晴らしい。校舎裏手に添って登ることが出来、その先に見晴台が設置してある。この見晴台から見る校庭と孝子桜は、ジオラマを思わせるような懐かしい風景に通じる雰囲気がある。
 校舎の遙か後方を仰ぎ見れば、赤岩山が垂直に岐立し学校自体が古賀志連峰の一部となっているような感じもある。

 この学校に通う子供達には見慣れた風景かもしれないが、ここを巣立っていった彼らの心の中の原風景となっていることは間違いないだろう。



 城山西小学校を後にして、R293を東に走った。
 先日登った羽黒山(上河内)山頂の景色を老母に見せてやりたかった。

 神社階段脇に車を駐めて、母親の背中を押ししながら緩い車道を登っていった。相変わらず重く垂れ込めた雲が邪魔をして日光連山にまみえることは出来なかったが、それでも82歳で三角点を踏む母は嬉しそうであった。

     
見晴台より    羽黒山にて    82歳の母と

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