薮をかき分け雨乞山
最近やたらと仕事が忙しい。この景気低迷の時代に仕事が有るというのは幸せな事かも知れないが、「有りすぎる」というのも困ったものである。30代の頃も猛烈に忙しかった時期はあったが、当時は仕事で燃え尽きた感があり家では脱力していたものだ。最近は忙しくともどこか余力を残す知恵がついたようで、これをずるいと言うか賢いというか、50歳を目前にしてもまだどちらかはっきりとは判らないものである(^^;
で、まぁ普通なら日曜くらい家でゆっくりといった所だが、日頃クヨクヨする時間の多い中高年にとって黙々と汗を流すのは精神的にも大いに結構。だが、ジムに会費を払ってマシンの上でハムスターみたいな真似事は性に合わない。やはり自分は山である。
寒さもいよいよ本番を迎える"薮山の旬"、日曜の午後に地図に山名も無くば、ルートも不明な雨乞山(あまごやま){360m級}へ向かった。
雨乞山は、かねてより新里街道を日光方面に車で向かう際に、その形の良い姿が気になっていた。また、男抱山からも西に、その鋭敏なピークが認められ、あそこに立てないものかと思っていたところ、ブログ仲間のけむぞうさんが先日歩かれたのが刺激になり、是非自分もと思い立ったのである。
鞍掛山へ向かう道の石鳥居のある手前、少し左側にスペースが膨らんでいる所に車を置く。ここから田んぼのあぜ道を失礼させていただき、チェーンで封鎖された舗装林道を進んで行く。
真新しい砂防ダムがあったり、なかなか整備が行き届いた感じの植林地は奥に行くとやや荒れてくるが、まだ舗装道路はしっかりしている。あらかじめ地図で検討しておいたポイントから薮が生い茂る斜面へ取り付いた。道も踏み跡も皆無だが、標高にして30m~40mも登れば尾根筋に出る筈だから何とかなるだろう。
序盤は伐採された緩斜面なので楽に登れた。そのうち薮と倒木が出てくると斜度も手伝ってなかなか手強くなってくる。安全で体力を消耗しないコース取りは案外難しいものだ。
舗装林道入口 | ここから左へ取り付く | 行く手を阻む薮 |
尾根に出てみると鉄条網が稜線伝いに張られている。隣が射撃場なので(今は使われていない感じがする)危険防止の為に立ち入り禁止のようだ。手入れがされていないで数箇所破れている所もある。下を窺うと、射撃場方面に下っていく踏み跡が微かにあるので往来があるようである。
尾根も容赦の無い薮に覆われているが、なんとかストックで払いながらやり過ごす。やがて現在伐採が進行中のエリアになり、薮とは一旦お別れになった。
尾根上に鉄条網が | 尾根上も薮が | 植林地を登る |
チェーンソーを使って上手に椅子とテーブルがあしらえてあったり、真新しい切り株があちこちにあるところを見るに、平日に作業員の方が作業している様が目に浮かぶようである。
稜線を段々登り詰めていくと鉄条網も無くなり雰囲気も明るくなってくる。西側に枝の合間から見える鞍掛山のシルエットが大きい。
最後の電車道のような登りを終えると、そこが一つめのピーク。西峰である。景色はかろうじて枝の合間に西側北側が少しといったところだ。
きこりの休憩所 | 鞍掛山が見える | 西峰 |
西峰から一旦鞍部に降りるのだが、薮に覆われていて尾根筋がよく見えない。少し南に下る方向に踏んだ感じがあるのでこちらを辿る。方角をロストしないようにトラバース気味に降りると古い作業道に出会う。少し先を見ると鞍部より若干下げた南側に続いているのが見えたので、そこまで進み再び尾根に取り付き直す。やたら棘の多い薮なので難儀した。今日はこんな薮なのに軍手を忘れた事を大いに後悔する。取り付いた尾根から西峰への踏み跡がばっちりと付いていたので、やはり入り口を見落としたのだ。
ここからは案外しっかりした尾根道が続くが、中央峰(雨乞山)直前の急登はなかなかきつい。枝や根を頼りに息き切らせながら登り切ると、やや明るいもののそこもまた眺望に乏しい。山頂の北側は結構鋭敏に切れ落ちていて凄みがある。
中央峰から南東への高度下げが難しかった。踏み跡は深く落ち葉に覆われていて、とにかく安全に行ける所を選んで進むといった感じで気が抜けない。難しかった箇所をやり過ごし、鞍部前の小ピークで再び薮に隠された尾根筋を見過ごす。よくよく見ればはっきりとわかるのだが、若干巻くのだろうなどと勝手な想像で踏み跡の濃い方を辿るとどんどん高度を下げていくので間違いに気付いた。リカバリして、薮をほんの少し掻き分ければ今度は軽快な尾根道である。なかなか一筋縄ではいかないが、メリハリが効いていて楽しい山歩きである。
西峰から再び鞍掛山 | 中央峰(雨乞山) | 軽快な尾根道 |
東峰(333mP)への登りは案外平穏。もう一息という所で岩が見えてきた。そこから眺望があるのかと期待をしながら登るも、ここもうっすらと南の雲雀鳥屋方面が見えるのみ。
東峰からはの下りは特に迷うポイントも無い。一番東側の四つ目の展望峰へ向かう中間点を下山ポイントと考えていた。ところが、様子を伺うとかなりの激薮でちょっと手に負えそうも無い。展望峰まで行ってその先の尾根を降りられなかったら戻るしか無いかぁと腕時計に目をやりながら進んでいく。
鞍部では北側から作業重機用の砂利林道が上がってきている。と、同時に樹に赤テープが巻き付けられていてにわかに人の手の入った気配が濃くなってきた。それまで野生の中を彷徨うようにして歩いてきたせいか少しほっとしたのも事実である。
東峰直下の岩 | 岩から雲雀鳥屋方面 | 展望峰手前鞍部 |
一登りして展望峰へ到着。パッと東側に開けた眺望が目に眩しい。今日のご褒美にしばし休息だ。
さぁ、下山はどうしよう。先ほどの鞍部まで降りて薮を突破しようか。南の尾根はどうだろうと偵察すれば、赤テープが続く。良く踏まれているし、手堅くこちらだなと即断だ。{薮はちょっと食傷気味}(^^;
深い落ち葉に転びそうになりながら降りていくとやがて車道の向こうにパジェロミニの姿が見えてきた。けむぞうさんコースでどんぴしゃ着地成功!
茗荷沢寄りにて | 手前展望峰,左奥鞍掛山 |
概略コースタイム
駐車地発(13:19)-林道から取り付き開始(13:34)-尾根(13:43)-東峰(14:08)-中央峰(14:37)-
コースアウトで約10分ロスト-東峰(15:00)-展望峰(15:17)-駐車地着(15:38)
最近のコメント
焼森山から鶏足山へ
鶏足山は、徒歩でのハイキング向けに地元の方々(所有
10月21日
田川遡上
岡崎様、こんばんは。 九州の方なのに宇都宮の情報
12月25日
田川遡上
早速ご連絡をいただいて恐縮しています。町名のほかに
12月24日
田川遡上
岡崎様、拙ブログへのご訪問とそしてコメント、ありが
12月21日
田川遡上
田川の上流逆川の石アーチ橋の写真を拝見しました。
12月21日
裏那須の三倉山目指すも敗退
亀三郎さん、今晩は。 甲子温泉泊プランに一票♪
6月16日
裏那須の三倉山目指すも敗退
業務連絡 大倉山 研究中 暑さ対策 水分対策 最初
6月16日
静かなる紅葉の塩沢山
スルメの道標は既に失念してしまいました。 途中の
5月27日
静かなる紅葉の塩沢山
こんにちは 次の山の候補のひとつなので研究に来まし
5月27日
二股山と鳴蟲山
亀三郎さん 過去ログにレス。ありがとうございます
5月12日