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2008年03月 アーカイブ


2008年03月29日

残雪の日光前衛に一人佇む

-- 『e-trex Leggend US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 丹勢山(たんぜやま){1398m}

 私もその存在は随分以前から知っていたが、やはり男体山やいろは坂に隠れてしまって存在感を感じないのは皆さんも一緒だと思う。

 分県別「栃木県の山」を眺めていると、4月初旬の残雪の日光連山の景色よしとの記載があり、一気にこれに惹かれてしまった。今年は(も)例年より桜の開花が早く、3月下旬も4月上旬と読み替えて良いのではと思うと、もういてもたっても居られない。

 今回もH君の都合が付かず単独である。だがルート自体は特に難しい所は無さそうだ。途中1100m程度の所まで車で行けそうだし、下山は若干退屈かも知れないが林道歩きなのでこれまた問題無いだろう。残雪が心配だが、これは様子を見ることにして出発だ。

 天気は上々。日光街道を西へ向かうにつれ男体山の白い勇姿が段々大きくなってくる。

 今日も観光客で賑わう神橋を通り過ぎると、道路の右手に丹勢山が見えるようになった。清滝の分岐を旧道へ入り派出所の所を右折する。古河の旧社宅街である丹勢町を抜けると表男体林道の標識があり、程なく林道の入り口である。

     
日光市街から見る丹勢山       いよいよ林道

 林道は初め舗装路だが、途中ぷっつりと切れたように砂利道になり所々スポットであるがダートもある。2駆車ではFFでもかなりキツイだろう。

 砂利のヘアピンカーブを慎重に幾つもこなしていくと道幅が広い地点に到達。駐車地に予定していた沼の平分岐点である。

 準備をしていざ出発。だが登山口が今一つ不明瞭である。というよりも無い?

 どうもガイドブックの文面から読み取れるような明瞭な登山口は期待出来無い感じであるが、見渡す限りの笹原。よく見ればかろうじて踏み跡程度のルートが続いているのでまずはこれを追う事にした。

 とにかく見通しは良く目標物を見失うことは無かったので、微かな踏み跡を捜しながら進んでいく。高度が上がり南側の樹幹越しに前日光の山並みが見える頃には大部登山道らしくなってきた。

 左手のいろは坂を走るバイクのエンジン音が時々聞こえてくるものの、まだ春も浅く鳥達のさえずりも聞こえてはこない。実に静かな山だ。

 ふと足元を見ると鹿のものと思われるフンが多数。いろは坂が近いので猿の集団などに出会ったら厄介だなと考えながら歩く。猿ならまだよいが、笹原に突入する時に、用心の為の強力3連クマ鈴を躊躇わずに装着。駐車地にも人影が無かったので、どうやら今日の相棒はクマ鈴のジャンジャンした音色だけのようである。

     
駐車地    一応登山口だが…    鹿のフン?があちこちに

 ガイドブックの記載の通り、暫く歩くと斜面を大きくトラバースしていた道が溝(谷)に突き当たる。「慌てずに目印を見ながら溝に添って登る」と書いてあるが、確かに樹に薄くなってしまった赤ペンキが多少は見られるものの、かなりまばらで心許ない。依然として見通しは良いので何処をあるいても問題は無いのだが、やはり谷から離れないように歩いていった。

 多少きつめの登りをやりすごすと、緩斜面の部分で一層見通しが良くなると共に踏み跡消滅。しかし、少し離れたところに赤ペンキの目印が数カ所あるのを見つけ若干コースを外しかけたことに気づき修正する。だだっ広い所を方角だけを頼りに歩くのも結構ドキドキものである。

 やがて、ラクダの背のような小ピークを回り込むようにして進んでいくと奥に丹勢山の頂上らしき山姿が見える。背中のGPSとコンパスと地図を動員してほぼ間違いの無い地点に居ることを確認。奥に林道のようなものも見えるので緩い斜面の林を進む。すると、パッといきなり南面が開ける。本当に突然である。

 それまでの緊張感溢れる笹の斜面歩きから解放されたせいもあり、思わぬ景色のご褒美にどっと斜面に腰掛けて小休止だ。

 さぁ、後は一旦林道に出て最後の一登りで山頂に着く筈。まずは無事林道に合流した。

     
緩斜面になると更にルート不明    突然南面開ける 薬師岳?    無事林道に合流

 砂利の林道を一旦間違えて逆方向に歩いてしまったが、すぐにバックして東へ。ふと振り返り上を見れば男体山が珍しい角度から顔を覗かせている。
 少し先に行くと広場が現れた。傍らの案内板を見るとヘリポートらしい。基本的にこの林道は一般車通行禁止なので、資材運搬や緊急時対応の為なのだろうか。トラックのようなタイヤ痕が幾筋か見られる。

 さて、ここから最後の登りになるわけだが、ガイドブックに示されたポイントがどうしても解らない。平坦地に突出したような感じの山頂なので、どこからでも取り付きOKな感じはするが、西の端を少し北側に廻ってみたもののそれらしいルートも見つからない。主尾根ははっきり見えているので、構わず適当にザクザクと入って行って尾根に乗り上がる。西側に結構立派なピークが見えるので一瞬間違ったのかなと思ったが、地図を見返して再出発。

 上がるにつれ岩が多くなり、岩の合間の残雪が冬の厳しさを物語っている。ルート上のツツジ(ヤマツツジ?)が沢山つぼみを付けて春の訪れを今か今かと待っているようだ。そんなツツジの株の群落をかき分けながらようやく山頂へ到着。

     
振り返れば    ヘリポート    丹勢山頂上

 山頂からは北側に間近に見える壮大な日光連山。赤薙山から女峰山。大真名子とそして男体山。残雪の迫力パノラマである。
 南側こそ枝に邪魔されてはいるが、とにかく素晴らしい眺望である。この大眺望を独り占めにしながらの食事だ。

 大パノラマに吸い込まれてしまいそうな静かな山頂にゴォっと飛行機の飛ぶ音が聞こえる。真上を眺めると青い空に薄い雲、そしてその中に鮮やかな赤と白の機体が北を目指して飛んでいく。向こうから見える筈も無いのに、おおぃと手を振ってしまいたくなるようなそんな光景であった。

 いつも歩いているような樹林の中だと、案外一人でいても心細く無いのだが、ここまで広々とした空間の中で一人というのもかなり孤独。一体この見渡す限りの風景の何処に呼吸をする者が別に居るのだろうかと思わせる程、寂しいとか心細いとか、そんな感じを通り越したようなゾクゾクするような孤独感に、自虐的にも酔いしれる自分が居た。ともすれば、自分自身が風景の一部に溶け込んでしまいそうなそんな錯覚にも陥りそうである。

     
山頂から男体山    大真名子山    女峰山~赤薙山
     
高原山    山頂の残雪    少し下った地点から
     
      中禅寺湖と社山~黒檜岳

 大眺望の山頂に後ろ髪を引かれるようにして下山を開始する。下りはルートを外さないで踏み跡を辿ることが出来た。林道に出て見れば、確かにガイドブックに書いてある通り目印はあったが、これは注意していないと解らないかもしれない。せめて日光市のほうで道標の1枚位立ててもよいのではないだろうかと思う。

     
明智平の建物が見える       本来の取り付き点

 さて、後はひたすら林道を歩いて駐車地に戻るのだが、先程から気になっていた西隣の立派なピークの少し下の方にある広々とした笹原の斜面、こちらへちょっと寄り道することにした。
 林道を少し西に進み、適当に斜面に取り付く。先ほど登ってきたルート同様、浅い枯れ笹で見通しは良い。あまり考えずにただ上に登ればよいのだ。斜面のに所々にあるダケカンバに差す陽光が美しい。

 いい加減登ったところで斜面に腰を下ろすと気持ちの良い風景が拡がっている。まるでスキー場のような感じで、北側の荒々しい風景とはまたうって変わって穏やかな景色だ。

 遠く、日光前衛の孤峰、鶏鳴山。そこから続く三角錐の笹目倉山。その奥には羽賀場山の稜線も控えている。左に目を転ずれば、特徴的な山容の鞍掛山から先日歩いた古賀志山までの尾根もはっきりと見える。

     
隣の笹原を登る    鶏鳴山~笹目倉    鞍掛山~古賀志山

 笹原を登り詰めるとまた林道に出るが、そのちょっと先のピークで撤収することとした。丹勢山の頂上から見えた男体山手前の1482mピークまではもう一頑張りしなければ到達出来ない感じである。ここで深追いして冬眠明けの腹を空かしたクマなどに出会ってしまっては、この広い山中では到底成す術も無し。くわばらくわばらである

 何はともあれ楽しい寄り道であった。今考えると、あの眺望はあそこに登らなければ絶対見ることが出来なかっただろう。

 下山の林道歩きは単調だが、登りルートの緊張感にいささか疲れた心と体には優しい。登りの笹原ではどこかでクマやシカや猿が息を潜めてこちらを睨んでいるのでは無いかとビクビクしながら鈴をやたらと打ち鳴らしながら歩いていたが、林道という人工物の上を歩くと、何故か第三者の庇護を受けているようで心強い限りである。依然として周囲には人はおろか鳥一匹も気配を感じないのは変わりないのだが。

 そんな中忽然と雨量観測所が出現だ。配電盤があってアンテナがあるということは電源がここまで来ているということなのだろうか。それにしては電柱も見あたらないのだが。

     
丹勢山    雨量観測所   

 砂利道歩きに少し飽きてきた頃、裏見の滝方面へ北へ延びる林道分岐点に到達。こんな山奥によくぞ道を拓いたものだと感心する。
 ここで大きくヘアピンカーブして、あとは直線的に進むだけだ。

     
下りの林道    裏見の滝方面分岐    同左

 駐車地手前にはゲートが有るが開きっぱなしになっている。清滝から登ってきた下の区間と比べると、遙かに上の方が道も穏やかであり安全な感じがするが、ゲート先は一応林道関係者のみ通行可となっている。

 無事何事もなくパジェロミニの許へと帰還することが出来た。先ほど入山した笹原を眺めると、今もまた静寂があたりを支配している。山に呑み込まれないで良かったと、珍しく殊勝なことを考えながら下りの林道を走る。

 朝、交差点を曲がった場所付近で4時間半ぶりに人間と遭遇。孤独な山行は終わった。

     
駐車地手前のゲート    駐車地付近道標    林道の様子

概略コースタイム
<車>
清滝派出所前右折(10:14)-表男体林道入口(10:18)-沼ノ平分岐{駐車地}着(10:34)
<徒歩>
駐車地発(10:45)-谷添い(11:18)-笹原の緩斜面(11:44)-南側開ける(11:53)-
林道出合(11:56)-一旦迷って-山頂着(12:25)-昼食休憩-
山頂発(12:56)-林道復帰(13:12)-隣の小ピーク(13:22)-林道復帰(13:34)-
雨量測量施設(13:46)-裏見の滝方面の林道分岐(14:27)-駐車地着(14:43)

2008年03月27日

過去の山行を一覧に

 ブログのトップの部分に「今までに登った栃木の山達」を追記した。

 県内の低山を歩き出して丸1年以上経過したが、過去の記録を改めて眺めて見ると我ながらよく登ったものだと思う。

 山行サイトでは、皆さん過去の実績を一覧でまとめているのを見かけるが、折角だから倣って作ってみる事にした。どうせなら並び替えの機能は外したくなかったので仕様を練る。


(以下つぶやき的な記述 解る方のみ読み進められたし)

 HTMLとデータは分離したほうが後々楽なので、実装はCGIでいくとして・・・

 メインのサーバーは「さくら」だがこちらはPerlしか使えない。「さくら」の容量を補う為に最近借りた「TOK2」はMySQLとPHPが使える。でも容量無制限で安価のTOK2はサーバー自体の動きも遅いしMySQLAdminの動作もちょっといじった感じではかなり重い感じだ。それにこれだけの仕様でRDB使うのもプログラマーとしてはアレだしなぁ。第一レスポンス悪いの嫌だしね。

 ということで、データはテキストファイルで、並べ替えはPHPスクリプト側で実装という結論に達した。
(実はPerlは最近いじってないのでメンドイというのが最大の理由)

 結局TOK2の重さはやはり少し響いているようだが、1発目の表示以外はそこそこにスピードが出るようになったのでメデタシメデタシ。最も最近、ブログのエンジンであるMovableTypeを4へVerUpしたいのだが、移行の細かい部分を考えると面倒で手が出せない。山行記事が随分多くなってきたので再構築に時間が掛かるのが気になる今日この頃である。


2008年03月22日

二股山と鳴蟲山

 
-- 『e-trex Leggend US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 宇都宮から真西を眺めていると、山頂が足袋の爪先のように二股に分かれている特徴的な山容が目に付く。北峰、南峰を持つ双耳峰の二股山(ふたまたやま){570m}である。遠くから見ても二つの頂の間のコル(鞍部)ははっきりしており、是非一度はあそこを歩いて見たいと思っていた。

 今日はH君の都合が付かない為、久しぶりの単独行である。単独行なので、安全の為なるべく人の多い所へ行こうと考えていた。二股山は古賀志山などに比べるといま一つメジャー度を感じないが、行ってみればどうしてなかなかの賑わいの山である。

 鹿沼の街から二股山の南側を巻くようにして県道を進み、ほぼ西端に位置するあたりで林道へ乗り入れる。すぐ舗装が切れるが間髪入れずにパジェロミニを4駆モードへ。FF車なら充分走れる道だが、やはり何となく安心感が漂う走行だ。

 ほぼ突き当たったあたりに広々とした駐車地がある。台数的には10台以上は軽く置けるだろう。この先も4駆車ならあと数百m先の林道終点まで登れそうだが、充分な広さが得られない事や右側の崖が一部崩れかかっていたりで安心して駐められるのはやはり先ほどの駐車地である。

 駐車場の片隅にコース詳細図が張り出されていた。2月に下見に訪れた時は無かったのだが、今回はこの駐車地からのピストンしか考えていなかったので、次回訪れる時は是非参考にしたいところだ。

     
二股山への林道入り口    広い駐車地    コース詳細図

 駐車地より登り始めると、伐採された坊主山が一部崩落していたりして殺伐とした雰囲気を感じる。また、駐車地の左手の斜面を見ると相当に巨大な岩が露出していてこちらも圧迫間がある。

 沢添いの道を登っていくとやがて植林帯に入るが、古い伐採の跡が片づけられずに苔むしていたりして、これまた雑然としているところがガイドブックやネット記事でもよく指摘されているポイントだ。確かにどちらかと言えば「綺麗では無い」という印象を受ける。

 ジグザグの比較的緩やかな斜面を登る頃には、すっかりいつもの落ち着いた雰囲気の植林地歩きとなる。山頂から伸びる主尾根に着けば、向こうに見える建物はNHKのテレビ中継所。この中継所を越えるとすぐそこが二股山北峰である。

     
登り初め    雑然としている    NHK中継所

 途中眺望ポイントが全く無かっただけに、東側だけとはいえ開けた景色に暫し癒やされる。

     
中継所のアンテナ    北峰頂上    古賀志山方面

 ザックを降ろして休憩していると、単独の中年女性が息を切らして登ってきた。荷物からガイドブックを取り出して自分の歩いて来たコースの事、今日はこれからもう一座登らなければならない事などを話して元気に去っていった。
 南峰に向かう急な下りから声がしたと思ったら、今度は比較的年齢の高い女性が数人顔を出す。下から岩をよじ登るので上で見ているとさながら顔が突然ニョキっと現れる感じだが、一番最後はおじいちゃん。もう70は過ぎているだろうか。いやはや元気なものだ。

 おじいちゃん達に刺激されて急な下りをそろそろと降りる。なるほど気を付ければ大した事は無いが、やはり先ほどの高齢者グループは凄い。何故ならば、このコルから南峰への登り。私は慎重にそしてぜいぜいと肩で息をしながら登ったのだが、高齢者グループは事もなげにやすやすとクリアしていったのだから。

     
鹿沼市街方面    北峰から南峰    コルから南峰への急登

 コルからの急登で息を切らせると南峰頂上。樹木越しに北峰で休憩している人が見える。激しいアップダウンだったせいか気持ち的には随分離れているような錯覚に陥っていたが、水平距離はさほど無いので会話の声もよく聞こえる程だ。

 南峰からは日光方面や東側も眺望がある。駐車地に張られていたルート図が此処にも有り、この先5分位で展望地があるというので取りあえず行ってみる事にした。

 南側に突き当たる感じで木が刈り払われた場所が展望地である。恐らく粟野や西方、葛生方面の山並みが見えているのだろうか。浪々と拡がる低山の山並みが美しい。

 一旦南峰へ戻り、少し時間が早かったが昼食とした。下山は往路をそのまま戻る。駐車地からの周遊コースもあるようだし、新設の道標があちこちに整備されているので次回はもう少し研究して登ってみたいと思う。

     
南峰頂上    日光方面    展望地より南側

 さて、思いの外早い時間に下山してしまったので今回はおまけ案として用意していた鳴蟲山(なきむしやま){725m}を登る事にした。かなり高度を稼いだ地点まで車で登れるということなので、時間が無い時のチョイ登りにでもと思っていたが、二股山のお隣さんとも言うべき場所なので車の移動も時間が掛からず絶好のチャンスである。

 林道から県道240号へ戻り更に西へ進む。鳴蟲山へのアプローチは送電線の作業林道を使って一気に山頂直下まで車で進入出来るという。この林道は2駆車だと少し不安があるかもしれないが、パジェロミニにとってはまったく問題無い。途中、新設の砂防ダムが眼前にドカンと現れたりなかなか荒々しい道なので、安全の為に悪天候の時や台風後などは近づくべきではないだろう。
林道入り口地点

 林道の全区画半ばあたりで通行止め。たまたまそこに軽トラを止めて作業をしていた林業関係者の方の話によると、つい最近までは鉄塔直下まで行けたのだが最近路側が崩れてこの先は通行止めになったとの事。見上げると目標の山頂近くの鉄塔も大きく見える。このまま林道を30分も歩けば着くだろうということなので車を置き歩行開始だ。

     
鳴蟲山へ向かう林道入口    ここで通行止め    行く手に目標の鉄塔

 通行止めのゲートの向こうは石を積んで車の往来が出来ないようにしてある。ゲートだけでは強行進入してしまう人が後を絶たないのだろう。石積みの向こうを見るとなるほど谷側がスッポリと崩れ落ちた形跡がある。一応修復はされているものの、やはり谷側が脆い感じでここを車で通るのはかなり危険な感じがする。

     
石を積んで通行止め    崩落箇所    崩落箇所より

 この崩落箇所を過ぎると後はまた通行になんの支障もない道が続く。ただ、流石に往来が無いせいか、草木に浸食されて廃道化している感もある。ヤブの中に忽然と現れるカーブミラーにドキっとしたりする。

 春を通り過ぎて初夏が訪れてしまったのでは無いかと思わせるような陽気の中、額に汗しながら林道を登り詰めると小広い部分で道がヤブに消え入っている。ふと右手を見ると何やら鉄製の簡易階段がある。さて、道標も無いしどうしたものかと思い階段を登って見る。見上げた感じはまさに鉄塔直下なのでルートが有るのかと思ったが、見渡しても何も無し。一旦ヤブに突っ込んだ顔を引っ込め広場へ戻る。

     
廃道化している    林道終点    謎の階段

 林道の先のヤブを見ると僅かに刈り払われている道がある。鉄塔に向かって若干遠巻いた感じがするが、少し辿って見ると蛇行しながら鉄塔へ向かっているので間違え無いだろう。荒れているとはいえ、広場までが舗装林道歩きだったので土が足に優しい。
 ほぼ登り詰めた頃、山頂より下ってくる尾根道に合流する。上手を見るとあの巨大な鉄塔が広々とした空間に設置されていた。
 鉄塔直下からの眺めは後の楽しみにとっておき、まずはもう少し先の山頂を目指す。山頂は樹に覆われており眺望は殆ど無い。数個の石祠がカラフルな鉄塔とは対照的にひっそりと佇んでいた。

     
鉄塔は間近    尾根に出る    鳴蟲山頂上

 鉄塔のところまで戻り、ザックを降ろしてしばし休憩だ。北側に羽賀場山~お天気山の稜線が大きく見える。この稜線は笹目倉から丁度反対側の北側を眺めた時も感じたが、かなり起伏のある尾根だ。以前から歩いて見たいと思っていたが、近くで見るとやはりかなりアップダウンが激しそうで、ハードな縦走になることだろう。

 東側に目を転ずると、先ほど登ってきた二股山の双耳峰がよく見える。雄大な180度パノラマに暫し時間を忘れていると、鳴蟲山では本日初めてのハイカーと出会った。彼もまた単独行。お互い静かな山行である。

 帰りは登路を戻るが、遙か下のほうに主の帰りを待つ愛車の姿がゴマ粒のように見えた。終始南側の眺望を楽しみながらの下山。楽しい春の山遊びであった。

     
274鉄塔から続く送電線    274鉄塔    羽賀場山~お天気山
     
二股山    二股山の南側    ゴマ粒のようなパジェロミニ

概略コースタイム
<二股山>
駐車地発(10:11)-北峰(11:00)-南峰(11:10)-展望地(11:19)-南峰着(11:31)-
昼食休憩-南峰発(11:49)-駐車地着(12:30)


<鳴蟲山>
駐車地発(13:03)-林道終点(13:25)-山頂(13:44)-林道終点(14:05)-駐車地着(14:27)

2008年03月16日

我侭丼ツーリング

↑これは普通盛り

 最近食品業界に流行るもの。偽装事件に農薬混入。悪い事ばかり続いている。こういう陰な部分の流行のなかで、ここ一~二年メガブームが静かにしかも脈々と流れているのもまた事実だ。

 メガと言えば、「メガ丼」「メガマック」とかいろいろあるが、大きな容量で割安感を出すというのは実は案外歴史が古い。元は食料が充分に足りていなかった時代の名残で安くて量が多い、すなわち金額÷量=コストパフォーマンスに長けているということのみが評価された時期がそのはしり。

 その後飽食の時代になり、安かろう悪かろうは敬遠されて美味しいものをちょっぴりというのが市場の求めるところとなり、そして現在のメガブームは美味しくてしかも大きくというのがテーマである。不味くては土俵に登れないところが過去のブームとは違う。

 当然大きければコストは掛かる訳だから販売価格も上げなければならないのだが、あえて話題性を求める為、あるいは薄利多売を目指して企業努力で利益回収を試みる。多少の赤は広告宣伝費と見ることだってあり得る。このようにして、胃袋のデカイ人には実に良い時代になったのだ。出費を抑えて旨い物を腹一杯食べることが出来る。

 で、前置きが超長くなってしまったが、バイク仲間のツーリングで「メガネギトロ&マグロ丼」を食べに行ったのである。(もち、バイクで)

 茨城は日立にある多喜田という小料理屋。その名も我侭丼。盛りに関係なく値段は一律¥750だが、下写真右の説明にある通り、中盛り以上は完食しないと¥2,000のペナルティーが課されるというシステム。ちなみに大盛りはなんと2㎏だとか。

 盛りによって上に乗るネギトロやマグロの切り身の量は変わらないようだが、下の酢飯の量が増えていくようだ。ちなみに同行した一名が「中盛り」を注文しかけたが、店の大将にやめたほうがいいよ、と警告される始末。結局アドバイスを受けて普通盛りのちょい多めで収まったものの(一番下写真中)、見るからに食べられそうな体躯の彼をもってしても完食叶わず。中盛り、ましてや大盛りクラスになるとギャル曽根でも呼んで来なければクリア出来んだろうという感じである。

 私は一番上の写真の普通盛りを頼んだが、それでも普通の店で出てくる丼ものの5割り増しくらいはある。大盛り以上は絶対あるような気がする。肝心の味の方だが、食べる前に店の大将が説明してくれた通りに卵の黄身をネギトロに混ぜ込んで食べるとなかなかに美味。
 量が量だけに小食の人や女性の場合はちょっと敬遠されるかもしれないが、ちょっと頑張れば普通盛りはなんとかクリア出来るレベルだ。だからと言って中盛りになると途端にハードルが高く(大きく)なるのはやはりこの店のパフォーマンス性なのかもしれない。


     
道の駅はがに集合    お店に着いた    中盛り以上はペナルティー有り
     
なんと大盛りは2㎏    こちらは普通盛り多め   

2008年03月09日

たろっぺ茶屋

 久々に家内と二人で蕎麦を食べに行くことにした。バイク仲間などから話を聞いていた評判の上永野の「たろっぺ茶屋」を訪れる。

 永野と言えば先日登った三峰山、星野遺跡が思い浮かぶ方が多いと思うが、大越路トンネルを南へ抜けて県道199号を北西へ向かうと桃源郷のように情緒たっぷりの上永野地区がある。

 たろっぺ茶屋は素朴と言えば素朴。若干田舎を演出し過ぎる部分が無いとも言い切れないが、それでも味の方はなかなかしっかりとしている。

 まず突き出しの煮物と漬け物。ほんのり甘く味付けされた大根の煮物がなかなか旨かった。砂糖の甘みでは無い、恐らくサツマイモと一緒に煮たのであろうか。今までに食べたことのない不思議な味だ。

 母屋と離れ、そして我々が座った屋外の棚下席。満席の盛況でどうにもこうにも作るのが間に合わないので随分待たされる。まぁのんびり待って腹をすかせるのもよいだろうと、気長に向こう側の山を眺める。まだちょっと肌寒いがこれからの季節は気持ちの良い食事が出来ることは間違いない棚下席だ。

 天ぷらの盛り合わせが運ばれてくる。見栄えは充分。味はどうだろう。

 取り立てて高価な素材は使っていないものの、歯ごたえ充分の新鮮なアスパラや、少しクセのあるところがとても美味しいウド。定番のシイタケやかぼちゃなど、どれをとっても美味しい。

 さて本命の蕎麦がやっとできあがった。これもまた秀逸。一口目に蕎麦の香りが拡がる。つゆも旨かったが自分の好みからちょっと軸がずれていたかな?

 上永野の空気とお店の雰囲気、飾り気こそないが直球勝負の料理がよく似合う。なかなか満足のいく昼食探訪であった。

 で、・・・

 確信犯なのだが、「ここまで来たのだからちょっと足を伸ばして散歩させてくれ」と家内に告げ、県道を更に西へと走る。

 落合の集落にある高原山神社を越えてリーバスの終点である与州平へ、ここから寺沢林道へと乗り入れる。尾出山・高原山登山の為の駐車地下見である。
 パジェロミニもアスファルトの上では今一つ元気が出ないが、水を得た魚のような感じでぐんぐんと林道を進む。暫く走ると数台のハイカーが下山して着替えなどをしていた。どうやらここがガイドブックに紹介された駐車地のようである。一旦下車して山の空気を胸一杯に吸い込み、山行の機会を頭に描きながら林道を戻った。

 それにしても上永野の深部である落合から与州へ至る地域は、実に長閑で気持ちの良い風景が続く。花が咲きそろう頃にまた是非ゆっくりと散策を兼ねて訪れて見たいと思った。

     
たろっぺ茶屋       大根の煮物が美味
     
野菜の天ぷら    蕎麦も香りふくよか    寺沢林道

2008年03月08日

再訪、鞍掛尾根

-- 『e-trex Leggend US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 鞍掛山から古賀志山へと連なっていく尾根筋を誰が言うともなく「鞍掛尾根」と呼ぶ。
 古賀志山も鞍掛山も宇都宮市民に愛されている山であるのは言うまでもないが、この二つの山を結ぶ尾根筋、遠目に見ても起伏の激しいこの尾根筋を歩いて見たいと考えるのは宇都宮に暮らすハイカーならば誰しもが一度は抱く願望かもしれない。

 さて、くだんの鞍掛尾根であるが、私は既に3度目になる。正確には途中挫折一回、想定コース一部逸脱一回。すなわち全コースをきちんと歩き通したことが無かったのである。今回はまさにリベンジならぬ三度目の正直になる。

 途中挫折の一回目は体力不足と準備不足。そしてミスコースの二回目は地図読み能力の欠如と判断力の甘さが原因。鞍掛尾根に「おまえにはまだ早い」と諭されているようで内心結構悔しかったのは事実。今回は充分に周到な準備で臨み全コース制覇を成し遂げた。前回の失敗をまた繰り返してしまいそうな一幕もあったが・・・

 

 今回のチャレンジは単独では無い。H君同行だ。二人だとこういうマイナーなコースは(後で決してマイナーでは無いという事を知る)心強いということや、離れた地点に車をデポ出来て機動性が発揮出来るのがありがたい。

 まずは森林公園の駐車場で待ち合わせ。パジェロミニにH君を乗せて鞍掛山の方へと赤川ダム脇の車道を奥へと進む。細野ダムを過ぎ、対向車が来たら到底すれ違い出来ないような舗装林道を走る。

 峠から高度を下げて直線の区間に入った時、突然目に入ったのがあたり一帯の落ち葉が焼けて灰になった光景である。まだあちこちくすぶっていて煙が立ちこめている。数カ所赤い火も小さいながら見られる。割と平坦な場所だったのと、かなり広い範囲だったので下草焼でもしているのかなと思い通り過ぎる。だが周囲に全く人の気配が無い。H君と「あれは山火事なんじゃない」と話して急遽Uターン。

 戻って見るとやはりくすぶってはいるものの熾火のように中が真っ赤に燃えているところ、炎が立木を焦がしている場所もあり、慌てて消防へ通報する事にした。消火活動をしようと思ったが近づいて見るとかなり危険な雰囲気だし、延焼していきそうな感じは取りあえず無さそうなので消防車を待つことにした。
 どうも周囲の焼け方を見ると昨晩あたりに焼けたのでは無いかと思う。付近にビールの空き缶が散乱していたり、焼けたスプレー缶が何故か道の真ん中当たりに落ちている所から、未成年者が焚き火でもして飲酒をしたのでは無いかなどと想像してしまう。いずれにせよ空気が乾燥している昨今、山での焚き火は危険極まりない。

 10分も待っただろうか、消防車や警察、関連の車両がけたたましいサイレンと共に到着。目の前で消火活動開始。とはいっても元々大きな火の手が上がっていたのではないのでちょろちょろっと水を撒いて鎮火した。
 この後、発見&通報者として消防と警察から簡単な事情聴取を受ける。いざこれから登山と言う時に出鼻をくじかれたようでちょっと気落ちしてしまったが、まだ9時前なので今から行けば間に合うだろうと考え予定通りに行動を開始した。

     
消防車到着    くすぶっている    消火活動

 鞍掛山登山口の少し先の所へパジェロミニを駐める。路側にちょっと張り出したところがあって、そんな所でもすっぽりと駐車出来る。流石は軽である。こんな時の為におまえを買ったのだよと一人悦に入るのであった。

 さてさて、山火事騒ぎも一件落着した事だし気を取り直して登山開始だ。今回は長丁場故、出来るだけ体力温存したいところだ。従って、登りの楽な大岩を目指す東回りコースで登る事にした。

 楽なコースなのだがやはり急登の鞍掛山は辛い。それでもまだまだ元気な二人は息を弾ませて大岩に辿り着く。天気は上々。風も無く日差しが暖かい。これから向かう古賀志山が向こうに見える。気温が高いせいか霞が掛かって遠景は今一つだ。

 大岩で充分休憩を取り、文字取り馬の鞍のように平らな山頂尾根をのんびりと進む。相変わらず眺望の全く無い山頂を通り過ぎ、程なく分岐地点を古賀志山方面へと進む。なんと道標が新設されているではないか。最近道標整備のめざましい鞍掛山であるが、よほど歩く人が増えたのだろうか。

 暫く西へ進路を取る尾根であるが、440m級ピークから境界尾根は北へ方向を転じアップダウンのきつい460m級ピーク越えに向かう筈である。実は去年の失敗はここで北へ進路を変えることが出来なかった事だった。今年はここが山場とばかりに注意をしながら進むが、やはり今回も再び440m級ピークから明らかにしっかりと踏まれた西側へのルートへ引き込まれそうになる。下の方面にあちこちにヒラヒラしている赤テープに惑わされて失敗したのが去年。流石に同じ轡は踏まじと立ち止まり北へのルートを探す。少し直下降してはみたものの、道は有りそうもなく山肌は何処までも谷に向かっていく。

 このルート探索の最中に東側の木立の隙間に微かに稜線のようなものが見えた。一旦440m級ピークへ登り返して見ると、なんと北に向かう尾根の入り口に赤ペンキの大きな矢印が。東から歩いて来ると見にくいのが難点だがまずは一安心。今年はルートを外さないで済みそうだ。それにしても如何に廻りをよく見ていないで歩いているということである。ちょっと反省をした。

地図の拡大図はこちら

     
大岩から古賀志山    道標が新設されている    ここは絶対間違えてはいけない

 鞍掛山の北北西にある460m級ピーク越えはなかなかキツイ。等高線を見てもらえばわかるが、北へ方向転換する「例の分岐」から一気に下げて、まるで一こぶラクダようなとんがりピーク越えだ。

 また、コブを下りきった最低鞍部(約340m)から次の431mピークまで一気に90m高度を稼ぐのはかなり脚に負担が掛かる。休日の登山以外、日頃のトレーニングをしていないにわかハイカーの二人にとってはなかなかに骨の折れるコースである。

     
北方面が開ける    尾根からの鞍掛山    ピーク超えは続く

 今日のコースは多くても一人か二人くらいしか会わないのでは無いかと思っていたが、どうしてどうして結構ハイカーが多い。古賀志山の奥座敷としては渋いコースだと思っていた自分にとっては軽いショックだ。何と東京からやってきた6~7人の団体さんも鞍掛山から尾根に乗ってきたという。途中森林公園脇の林道からショートカットで尾根に上がってきた人達。古賀志山から鞍掛山へ向かう老夫婦や、いかにも歩き慣れた感じの中年3人組。すっかりこのコースもポピュラーになってしまったと言わなければならないようだ。
 ちなみに去年2回歩いた時はいずれも一日中人には出会わず、むしろ心細い位だったものだ。

 今日このコースを歩いた人達の中では一番ペースが遅いのではと自負する(笑)われら二人もようやく好眺望の530m級ピークへ到着。このコースでは唯一樹に邪魔されない広々とした眺望が得られるポイントだ。食事は此処か559でと考えていたが、山火事騒ぎで時間が遅れていたのでここで弁当を広げる事にした。

 岩に腰掛け、良く歩いたものだと二人してつぶやく。距離は決して無いのだが、ピーク越えが連続するこのコースはボディブローのように脚に疲労が溜まっていく。こういう時は大休止の後に腿がつったりするものなので注意注意。

 相変わらず霞がかった遠景はイマイチだが、稟とそびえ立つ雪の日光連山や手前に静かに控える鶏鳴山。左へ目をやれば、先日歩いた笹目倉の三角形の山姿が美しい。

     
鉄塔はアクセント?    昼食Pから    笹目倉と鶏鳴山

 一旦50m程下って2つのピーク越え。ランチ休憩で幾らか足取りが軽くなった感じもしたが、やはりかなり辛い。既に太ももがパンパンだ。

 559直前の北側、左手が切れ落ちた部分は水たまりがそのまま凍っていて危険箇所である。神経を使いながらゆっくりと進む。やがて、見慣れた南側からの道との分岐へ、そして559へ到着。

 いやぁー疲れた疲れた。この先ピーク越えはもう無いという安心感から丸太ベンチにどっと腰を掛け、しばし休憩だ。後ろを振り向くと、朝から歩いてきた鞍掛尾根が見渡せる。見ればやはりアップダウンはかなりのものだ。

 559で中年ハイカー二人(それぞれ単独)と話をしたが、鞍掛尾根縦走をするのに森林公園駐車場から天狗鳥屋脇の尾根を縦断して、鞍掛山登山口へ向かうコースで歩いた事があるという。流石に辛かったそうであるが、我々としてはそんな事をしなくても車で鞍掛山登山口へ横付けしてもまだまだ辛い。話をよく聞くと、このお二人、相当古賀志山を歩き込んでいるようで、最近のハイキングブームで心ない人が山を荒らしていくことをしきりにぼやいていた。

     
559から鞍掛尾根    同左    同左

 さあ、いよいよ下山だ。疲れも溜まってきているし事故があってはいけない。注意をしながら降りていこう。

 うーん、やはり太ももがかなりのダメージ。ピクピクと軽い痙攣を起こしそうになる。ちょっと立ち止まり軽くマッサージ。こういう時は少しづつ負荷を掛けながら動かし続けた方が良いので、リズム良く筋を伸縮させながら歩く。

 下山コースは一旦中尾根コースへ入り、途中、北登山道へのエスケープルートを通った。
 中尾根コースは途中ちょっとした岩場が何箇所かあるが、下から登ってくる犬連れのハイカーに二度遭遇した。かねてより犬が岩場を登れるかというのが気になっていたのと、たまたま3m程の鎖場の後だったので飼い主に質問してみた。

 犬はダックスフンド(のような)小型犬であった。だが、殆ど自力で登るという。肉球でグリップしながらルートも考えながら登っていくという。飼い主は勿論イザという時の為にリードは握っているのだから万が一滑落しても大事には至らないのだろう。だが犬にとっては自分の体の数百倍もある岸壁に素手(?)で挑むのだから、結構なチャレンジだと思う。愛犬がけなげに岩場をアタックする姿に飼い主が目を細めるのも解るような気がする。

 やれやれ、北登山道への分岐が見えてきた。ここからはやや急ではあるが南向きに降りていく。降り注ぐ浅春の日差し、広く開けた斜面が優しく一日の疲れを労ってくれているような心もちであった。

     
中尾根から古賀志東稜    中尾根から北登山道へ    鞍掛山麓にて

概略コースタイム
鞍掛山駐車地発(9:00)-周回コース分岐(9:18)-大岩(9:41)-小休止-鞍掛山頂(9:58)-
440m級ピーク(10:08)-約8分間道迷い-460m級ピーク(10:36)-尾根最低標高地点(10:54)-
431mピーク(11:10)-530m級ピーク着(12:17)-昼食-530m級ピーク発(12:46)-
559mピーク(13:18)-小休止-中尾根分岐(13:41)-北登山道への分岐(13:59)-
北登山道合流(14:07)-森林公園駐車場着(14:48)

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