八方ヶ原雪原散策
今季はスノーシューで何処に行こうかと考えていた。山の駅たかはらの北側に広がる放牧場付近が穏やかなコースなのでうってつけであると聞きおよび、まず足慣らしにこちらを歩く事にした。
昨年は、シノーシュー2回目にして山の駅たかはらから大間々経由八海山神社。帰路は林間コースと欲張って歩いたが、所有しているスノーシューは緩斜面用なので斜度がきついところは案外苦戦したものである。雪がある程度締まっていればワカンの方が歩きやすいのではないかとも思った。
ちゃんと雪山を歩けるほどの体力も装備も自信も無いから、とりあえず楽しく雪道を歩ければ良しとしよう。ということで八方ヶ原のスノーシュー散策である。
正直言うと、少しばかり欲を出して、あわよくば北方にある桝形山を踏みたいと思っていた。桝形山へのアプローチは夏道ならば、桝形山林道を最後まで詰めてそこからほんの僅かで到達できる報告がネットに見られる。山頂は、景色も無く静かな佇まいだそうである。今回のスノーシューハイクに一興を加えるべく林道からの最短アプローチを想定してGPSにコースを入力した。斜度が緩いから雪が無ければきっと激しい薮に阻まれるだろう。また、桝形山近辺はクマ棚なども見られるということなので、春から秋にかけては単独で入山したくないエリアでもある。雪がある今ならば条件は整ったも同然。簡単に山頂に至れるのではないかと思った。だが、この考えが多少甘かったことは後で知ることになるのである。
山の駅たかはらに到着すると既に5~6台の車があった。既に皆入山している様子だ。ハンターなのであろうか、傍らにはトラックからスノーモービルを降ろしている人たちも見られる。
流石に気温は低い。スノーシューの締具調節がうまくいかなかったので、少しの間だけグローブを外したら指先がたちどころに痛くなってくる。準備が済んだ頃には小雪がちらつき始めた。ちょっと厳しそうなら引き返すか、と思いながら出発。まずは林道を辿って北へ向かう。
先客の山スキーの跡を追っていくと、やがて向こうからやってくるトレースの主二名。「静かな所ですね」と声を交わす。実際、この後はスノーモービルの若者が往復するのを見ただけで、ひたすら一人で銀世界を堪能出来たのだから、まさに静かなエリアだったのである。
山スキーの先人有り | 我が足跡 | スノーモービルの跡 |
桝形山林道へ入ると、スノーモビルはおろか山スキーやスノーシューの痕跡も完全に途絶える。たまにあるのは兎の足跡のみである。下が道路なのでスノーシューの沈み込みは10センチから20センチの間。丁度快適な歩きが楽しめる按配である。心配していた天気も晴れ間が顔を覗かせる時間が多くなってきた。青空のもと、まったく乱れの無い雪の輝きはまるでダイヤモンドをちりばめたようだ。そこを一歩一歩踏みしめることが出来る至福の時間である。
もう少しで埋没 | 向かう先はバージンスノー |
ここまで来る途中、道を外れて林の中を一箇所ショートカットしてみたが、樹の周りは雪が締まっていないので膝くらいまで埋まってしまう。一旦埋まるとスノーシューは逆に足が抜き辛くて始末に負えないものである。僅か50m足らずの距離であったが大奮戦。こりゃとても手に負えないなぁと思った。
そんな訳で、桝形山への取り付き想定ポイントに到着したものの、いつもの薮なら試しに少し足を入れるだろうに、今日はちょっとその気になれずギブアップ。雪は自分にとって未知数多いから、当然の判断であろう。
桝型山へは断念(お手上げ) |
桝形山取り付き想定地点からは来た道を戻ることになるが、同じ道をピストンしてもつまらないので、縦横に走っている別な林道を進んでみた。これがまた正解。何処までもバージンスノーを踏み続ける心地よいコース。これは穴場だな、と強く実感。
バージンスノーをどこまでも |
展望台で食事を済ませ、この後は遊歩道の道標に従いツツジ谷方面へと進む。こちらも本日は自分が初めての通行者であるらしい。広々とした風景が広がり気持ちよい。放牧地のヘリに柵があるのでこれに沿って歩けばよいから迷うことも無いだろう。
展望台、ここで昼食 | ツツジ谷へ |
暫く行くと、何処からか突然猟犬が現れた。猟犬というにはいささか頼り無さげな感じがするが、首輪に無線の発信機と熊鈴。そして飼い主の氏名と携帯の番号も付いていた。
しきりに首を雪にこすり付けて、さも外して欲しいと言わんばかりのゼスチャーである。それに良く見ると腹周りが随分痩せているではないか。ハンターが要らなくなった犬を山に置き去りにするという酷い話を聞いたことがあるが、もしやという不安が頭をよぎる。
犬は、ようやく人にめぐり合えて助かったとでも言いたげに狂喜しながら自分の周りをどこまでも付かず離れず。これは困ったな。
先になって進む時は、とにかく匂いを嗅ぐので忙しい。時折自分の小便でマーキングをするのはいざという時にトレースバックする為なのか。とにかくこんな小さな奴でも仕事してるなと実感させられる。時折、体全体が埋まってしまうような箇所も懸命に超えながら進む様子はなかなか愛らしいものである。
自分でルートを見つけられなくなると、スノーシューが踏んだ跡をしずしずと着いてくるので、こちらも妙に連帯感を感じてしまう。山に犬を連れてくる人の気持ちが少し判ったような気持ちになれたひと時であった。
僅か30分の、一人一匹の即席コンビも山の駅たかはらで直ちに解消。犬が駆け寄っていった先ではスノーモービルの人達が丁度暖かいもので食事中であった。「やぁご苦労様!何処に行っていたの?ほら、お食べ」と声を掛けられて尻尾を振っている。
気を揉んだのは杞憂であった。どうやらお付き合いして貰ったのは自分のほうだったようである。
猟犬出現 |
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