古峰ヶ原峠から方塞山
2007年10月28日 三枚石と方塞山
今年は暖冬なのか。日頃生活していく中では充分寒いからそんな筈はないと思うのだが、山は何故か雪が少なかったり雲竜渓谷もスッカン沢も氷爆の育ちが今ひとつだという。
今シーズンはまだ雪道をきっちり歩いていない。唯一の前黒山も途中敗退の不完全燃焼であった。
このまま春になってしまうのかとやきもきしていたが、まずは行動してみければ解らない。桝形山と赤薙山は今年も是非登りたいものだが、その前に気になっていた古峰ヶ原を今回は歩くことにした。
林道前日光線がまず関門だなと考えていたが、古峰神社の脇からどんどん高度を上げても一向に道路の着雪は無い。スリップするのでは無いかと思うほど塩カル(融雪剤)が大量に撒かれており、古峰ヶ原峠まで路面に雪があったのは数箇所のみであった。
峠に着き支度を始めると、これから登る尾根の上から丁度日が射し始めたところ。どうりで寒い筈だ。
今日はスノーシューとワカンとアイゼン。とりあえず全て持ってきたが、雪面はここ数日降雪が無かったのか、よく締まった状態。トレースはスノーシューのものがあるが、既に風化しつつある。幸いなことに今日はまだ誰も歩いていない。
今日の行程にはきつい登りが無いから、出だしからパウダースノーならスノーシュー、そうでなければツボ足で行けるところまで行ってその先はワカンと決めていた。とりあえずワカンをザックの背中に括りつけてツボ足でスタートである。
締まった雪面なので、たまに沈む程度で特に問題は無し。樹間から溢れる陽光が恋しい。
古峰ヶ原高原 | 一の鳥居 |
二の鳥居を過ぎると吹きさらしはトレースが完全に消し去られ、沈み込みも多くなってくる。無理をしないでワカンを履くことにした。
二の鳥居 | 吹きさらしはトレースが消える | ワカンを履くことにした |
部分的に夏道も探せない程の新雪の上を行く。美しい風紋もまた踏み越えて登っていく。ルートは尾根通しなので間違えることは全くないが、完璧にノートレースだといくらか気後れがするものだ。
ノートレースを行く | 風紋が美しいがここも踏んでいく |
途中、三枚石手前の1377.7mPへの道標あり。少しそちらへ登ってみたが、当然のことながら三角点は深く雪の中に封じ込められていた。
1377.7mPはこの上 | 登ってみると | 何もない、というか埋まってる |
岩がサンドイッチ状に重なる三枚石へ到着。これを見るのは二度目だが、雪の上で見るとまた違った新鮮さがある。
ここより方塞山方面は更なるノートレース区間である。
ウサギかな? | 三枚石へ到着 | 更にノートレース |
方塞山の手前ピークとのコル辺りから動物の足跡が非常に多くなってくる。三枚石までの区間は、アニマルトラッッキングを見つけては微笑ましい心持ちであったが、この辺りはもはや動物たちのメインストリートと化している状況。夜間などビバークでもしようものなら、動物達にツェルトを剥がされて食い物を奪っていかれそうな勢いである。
動物達もきっと思っただろう。見慣れない足跡だな、人間か?なんてね。
ルートが溝状になっている | 蹄の足型が | これは水滴でなくて全部足跡 |
電波中継所のある方塞山へ到着。抜けるような青空が眩しい。丁度頭上を通過する旅客機を仰ぎみる。暫くすると轟音が遅れてあたりにこだまする。他には何も音のない静かな山頂であった。
丁度頭上を通過 |
山頂からは南側の眺望がすこぶる良く、手前に横たわる山脈は熊鷹山に至る稜線なのであろうか、そして遠くには富士山が抜きん出た姿を覗かせている。
まだ時間が少し早かったのでしばし周辺を散歩しようと思い、山頂南の放牧地を下ってみる。一直線に伸びる小動物の足跡を追うようにして、我が足跡もまた続く。
遠く富士山が見える | 点々と続く足跡を追って | 我が足跡 |
前日光ハイランドロッジが眼下に見える頃、あまり下り過ぎても登り返しが辛いのでこのへんで食事とすることにした。一旦夏道へ戻り展望の良い所にあるベンチでザックを降ろした。
食事の用意をしていると遠くから犬の吠え声、やがて姿を現したビーグル犬の首輪には発信機がついている。こちらをチラと一瞥しただけで直ぐ任務に復帰。よく仕込まれた奴だ。後からもう一匹やってきたが、これも雪面を嗅ぎまわって黙々と仕事をしている。やはりこちらを少し見ただけで特に関心は示さない。あたりには、遠く姿の見えない場所で彼らの主人が鳴らす熊鈴の音が鳴り響くだけである。山の中には動物も沢山いることが先ほどの足跡で見てとれるが、今日の行程で出会ったはのは唯一この二頭のみであった。
最スタートは後は、牧場の中を横切るようにして緩やかに登っていく。八方ヶ原を思い出すような放牧地特有の景色の良さ、開放感がある。
枝の影模様 | さらさらの風紋 | ここを登っていく |
方塞山の西の稜線へ戻り下山を開始する。
下りは樹間から日光方面の山並みがチラチラと見えるがどうもスッキリとは見えない。アングルを替えればどうかなと少しルートを外したりもしたが、どこから見ても結局枝に邪魔されてスッキリとはいかない。ルートを外すと深く潜ることになるが踏み抜きとまではならないのでこれもまた楽しいものだ。
ルートを外すと20センチ位沈む | 快晴なり |
比較的良好な位置から撮影したものが下の写真。しめくくりは、駐車地から僅かに足を伸ばし高原ヒュッテからの三枚石を方面をしばし眺め、雪の山行をお終いとした。
社山から黒檜岳への稜線? | 皇海山が形よく聳える | 下山後、高原ヒュッテ(無人小屋)から見る三枚石方面 |
概略コースタイム
駐車地発(07:58)-ワカン装着(08:34)-1377.7mP(09:23)-三枚石(09:31)-
つつじ平(09:42)-方塞山(10:15)-昼食ポイント(10:44)-行動再開(11:16)-
方塞山(11:52)-三枚石(12:28)-駐車地着(13:26)
最近のコメント
焼森山から鶏足山へ
鶏足山は、徒歩でのハイキング向けに地元の方々(所有
10月21日
田川遡上
岡崎様、こんばんは。 九州の方なのに宇都宮の情報
12月25日
田川遡上
早速ご連絡をいただいて恐縮しています。町名のほかに
12月24日
田川遡上
岡崎様、拙ブログへのご訪問とそしてコメント、ありが
12月21日
田川遡上
田川の上流逆川の石アーチ橋の写真を拝見しました。
12月21日
裏那須の三倉山目指すも敗退
亀三郎さん、今晩は。 甲子温泉泊プランに一票♪
6月16日
裏那須の三倉山目指すも敗退
業務連絡 大倉山 研究中 暑さ対策 水分対策 最初
6月16日
静かなる紅葉の塩沢山
スルメの道標は既に失念してしまいました。 途中の
5月27日
静かなる紅葉の塩沢山
こんにちは 次の山の候補のひとつなので研究に来まし
5月27日
二股山と鳴蟲山
亀三郎さん 過去ログにレス。ありがとうございます
5月12日