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2012年01月 アーカイブ


2012年01月03日

二股山東尾根

120103route.gif
-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --
※当コースには一般登山道でない箇所が含まれています。参考にされる場合は自己責任でお願いします。
二股山の過去の記事
  2009年12月6日 二股山西稜
  2008年10月19日 一日に二度登った?二股山
  2008年3月22日 二股山と鳴蟲山

 2012年の歩き初め。直前まで何処にしようか迷っていたが、やはり腹案を一つづつクリアしていこうと考え、二股山の東尾根を登ることにした。

 二股山はここ数年篤志の方が登山道や道標などを整備されているようで、定番コース(一般登山道)が確立しつつある。西側の待居から林道を進み谷沿いに登るルートがもっとも明瞭なコースであり、マイカーアプローチの場合は一般的だろう。此処以外にも南側の加園、東の下沢や中坪からのコースが以前からあったが、道標がしっかりと設置されたお陰で一般ハイカーもより安全に歩けるようになってきている。

 自分の二股山は今回で4回目になるが、前回は一般コースではなく西側の山頂に連なるピーク群を辿る西尾根を登った
 西尾根ルートは思ったよりもアプローチが容易で、藪も殆ど無く所々に手製の道標も見られた。意外に登山者の足跡が濃いコースであった。

 今回の東尾根はネットで見る限り一例の報告があるだけで情報は少ない。自分は加園登山口駐車地からのアプローチで行動するが、取り付き予定箇所を見るとどうにも藪が濃く難しそうだ。過去数回の偵察でおおよそのあたりは付けてあるのだが・・・

 おなじみになった加園登山口に車を駐めて林道を戻る。左手に目指す東尾根の431mPが突出している。稜線沿いの杉木立の並びを見ると地形図の等高線の込み具合が見て取れるようだ。

 目論見の尾根末端手前は藪が濃いのでパス。少し薄手の箇所から入っていくが、谷を一つ挟んだ斜面をとりあえず登っていく。少し高度を上げて谷が浅くなったところでGPSを見て進路修正、トラバースして予定の尾根線に乗る。あとはこの尾根をひたすら追っていけば良い。植林地だが倒木や薄い藪もあり、斜度も地形図通りでなかなか手強い。

     
目指す431mP    ここから取り付く    多少薮あるも概ね良好

 登るにしたがい落ち葉の堆積は滑りやすく、容赦の無い急登にあらがうには木から木へ渡るようにして登るしかない。やがて上の方に岩が見えた。滅多に登山者を迎える事のないであろうその岩は神々しくも見える。その脇に寄り添うようにして辿り着くと、西尾根の414mPが枝越しに大きく見えた。

     
岩場    西尾根の414mP    急登は続く

 急登に喘ぎながらゆっくりと進む。尾根形が更に鋭くなるとようやく斜度が緩んだ。一旦濃い藪に出るが、ここは左側に少し逃げる。すぐ東側が見渡せる眺望地(431mP手前のピーク)に飛び出した。この眺望地は、西尾根を登った前回、下山時に道草をした時に見つけた箇所だ。

 眺望は東側。基本的には二股山の山頂から見える景色と大差ないが、山頂とは標高差が130m程度あるので微妙に見え方が違う。優劣は付けがたいが、ほとんどのハイカーが知らないこの眺望を眺めているという、その充足感に自分が満たされていたのは確かであろう。

     
尾根形が明瞭に    濃い薮は一箇所    小広い東側眺望地

東側眺望

 431mPより高度を下げると、やがて加園から登ってくる登山道と合流。ここからは一般登山道を歩くことになる。南がよく見渡せる途中の展望台からは、前回の西尾根(下写真左)、今回の東尾根(下写真中)がよく見える。

 一投足で南峰に到着した。落葉期の今は日光連山の見通しがよいので爽快だ。

     
登山道展望台より西尾根    今回登ってきた東尾根    南峰より

 いつ来ても緊張するコルへの急降下、そして北峰へよじ登る。以前無かったロープが下がっていて楽に登ることが出来た。さぁ、景色を眺めながら食事としよう。

 NHKの電波中継所の前が伐採されており丸裸になっている。このパラボラアンテナは、此処より直線で18Kmある会社の屋上からもはっきりと認識することができるので、かねてより気になっていたのだ。

     
北側は落葉していて眺望よし    NHK電波中継所周囲が伐採されていた    下山路の背戸山(368mp)

山頂(北峰)より東側眺望

 北峰よりの眺望をゆっくりと楽しんだ後は、下沢に向けて中継所の送電線沿いに下っていく。途中にある背戸山(386mP)はかつて山城だったらしく、切通しや土塁などの遺構が所々に見られる、篤志の方の手により、ほうぼうに設置された標識でその存在を知ることが出来る。いつしかコースが送電線から離れると、踏み跡が薄くなったり急斜面が出てきたり、意外と野趣溢れるルートになりなかなか面白い。

 もう眺望は無いだろうと思っていたら、背戸山手前で北側が望める箇所があった。岩を頂きに冠するかまど倉、送電鉄塔の向こうには羽賀場山からお天気山に続く山並み、その麓に田畑が拡がる里の風景である。

     
送電線沿いを降りる    意外に野趣溢れるコース    背戸山手前眺望地より

 計画では背戸山から南東に尾根を降りる予定でであったが、少し藪が濃い感じがしたので無理せず素直に道標に従い登山道を降りた。

 堰堤のある下沢周回コース起点から延命地蔵のある集落へ出ると、後は駐車地までの車道歩きである。確信犯で途中ショートカットをしたが、明らかに私有地と思われる所を通過してしまったのは若干反省が必要であった。このショートカットが本日大一番の藪こぎと相成り、たっぷり汗をかきながらも無事駐車地へ復帰した。

     
   落ち葉で情緒溢れる下山路    下沢周回コース起点

概略コースタイム
駐車地発(9:07)-取り付き地点(9:14)-岩(9:37)-431mP手前眺望地(10:08)-
加園登山道と合流(10:17)-南峰(10:56)-北峰(11:08)-昼食休憩-
行動再開(11:52)-背戸山(12:49)-車道(13:19)-駐車地着(14:23)

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