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2013年06月 アーカイブ


2013年06月09日

黒尾谷岳



-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --
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  2009年10月11日 ライド&ハイク(Ride&Hike)

 黒尾谷岳は那須連峰の中でも最南端に位置し、一連の華やかな那須の山並みとは一線を画した前衛峰である。
 一般的な登路は二つあり、南側の別荘地よりのピストン、そして南月山からのルートである。
 以前白笹山から南月山を目指した際に、小高い頂きが稜線の南側にあるのに気づいていたが、当時はその山が黒尾谷岳であることを特に意識していたわけではなかった。だが、特徴的なその山姿がとても印象的であったことは鮮やかな記憶として残っていた。
 今回歩いたルートは沼原駐車場から白笹山を目指し、南月山へと到達。ここまでは以前歩いたルートと同じ。黒尾谷岳へは南月山からの寄り道ピストンとした。

 花の時期は駐車場が混雑するのではないかと考え、早い時間に沼原の駐車場に到着。7時前ということもあったが、意外な事に未だガラガラだ。ちょっと拍子抜けしたが、まぁ良いだろう。早発早帰りは山の基本(^^ゞ

 7時丁度くらいに支度を終えて出発。白笹山方面へ歩き出す人は少ないようだ。前日の雨をしっとりと含んだ早朝の静かな山道を進む。一度歩いているので登山道の大体の雰囲気は掴めているが、前回は地形図を眺めて一体この急な勾配をどうやって登るのかと心配になったものだ。実際には巧みに山をトラバースしたり、細かくジグザグに作られた登山道を登るのはそう大変なことではない。
 徐々に高度が上がってくると、沼原調整池の向こうに見える大佐飛山の稜線が大きく横たわるようになる。百村山から大佐飛山へのアプローチは長丁場でなかなか骨の折れるコースと聞くが、体力と天候が揃えば是非チャレンジしたいものだ。

     
道標はこのスタイル    朝の空気が清々しい    百村山から大佐飛山への稜線

 眺望がだいぶ良くなってきた頃、白ヤシオの株が目立ち始める。花については知識が覚束ないので自信は無いが、おそらく花期も盛りを過ぎたのであろうか。それでも自分には充分に綺麗。期待もせずに入山しただけにラッキーな気分に浸る。

     
シロヤシオ       隠居倉方面
     
     

 遠く茶臼岳の黒々とした頂稜部が見え出すと、白笹山山頂への道のりもあと少しである。

 山頂は相変わらずの無愛想。道端に道標があるだけのそんな雰囲気の場所だ。この山だけを目当てに来る人はそうは居ないだろうが、来た道をそのまま下山するとなるとちょっと寂しいかもしれない。
 山頂を通過するとその先にムラサキヤシオ(図鑑を見ると葉の形が違う気もするので、違う場合は御指摘願います)が鮮やかに咲いていた。実は山頂の少し手前あたりからシャクナゲもちらほら咲いており、自分としてはまさに花の山行である。

     
茶臼岳が頭を覗かせている    相変わらずの白笹山頂上    ムラサキヤシオ

 白笹山から高度を下げていくと今度は笹原の稜線へ出る。行く手には南月山へと伸びる美しい稜線。笹が光り輝くこの稜線をこれから登るかと思うと俄然登高意欲が湧いてくる。右手には今日の目的地である黒尾谷岳が、その名前には似合わない丸い輪郭の愛嬌のある高みを見せている。

 今日の登山は実は万全な体調ではない。木曜日に行ったスポーツクラブで、いつもと違った不慣れなスタジオプログラムに参加してふくらはぎの筋肉痛が若干残っていたのだ。足の調子と相談するように、若干ペースを落として歩幅も狭くとる。いつしか気付くと、ふくらはぎの痛みもすっかり消えて調子が出てきた。だが、南月山から黒尾谷岳のピストンが結構キツそうなのは想定内なので、ここは体力温存で進むべし。

     
   南月山へと伸びる稜線が美しい    今日の目的地、黒尾谷岳


 日差しの強い笹の稜線歩き。時折吹き抜ける早春の忘れ物のような冷たい風が火照った体を心地よく冷やす。天気晴朗、眺望良好、足取りも軽くなるというものだ。シャクナゲも色の濃いもの薄いもの。花の付いていない株はこれまでいろいろな山で嫌というほど見てきたが、華やかな花の姿を見ることが出来るのは山を歩く者として素直に嬉しいものだ。

     
白笹山を振り返る    シャクナゲ   

 足元に咲く小さな花達はにわか花ハンター?のカメラに収まらなかったが、特徴的な葉が「亀の甲羅のよう」と記憶していたオオカメノキ(違っていたら指摘願います)も頭上を賑わしていた。白い花は青空に透かして見るとより一層美しく見えるものだが、悲しいかな安物のデジカメとつたない腕ではご覧の通り。肉眼で得られた感動を伝えるのは難しいものだ。

 程なく南月山の山頂に着くと、まだ早い時間なのに既に数組のハイカーが休憩中である。ここに至るまで、駐車場で先発した先行者一組を追い抜いただけで他には人には遭っていなかった。黒尾谷岳からの帰りにここに立てば、その頃は昼食時。更に大量の人達で埋め尽くされているだろう。ゆっくりするなら今がチャンスなのだが、やはり山はより静かな場所が一番。軽い水分補給とシャリバテ防止のパンを一口頬張り賑やかな山頂を後にした。

     
会津の山並みは春遠し    オオカメノキ?   

 南月山の三角点は山名板と石祠の更に奥の目立たない所にひっそりとある。茶臼岳を眺めなが休憩が出来る広場には大きな案内板があるので、そこが山頂と勘違いしている人が多いようだ。「おーい、ここが本当の山頂なんだよ」と教えてあげたい位だ。

 黒尾谷岳へのルートは序盤は笹を分けながらの下降。胸あたりまで笹丈があるような箇所も、踏み跡道形は鮮やかなので問題は無い。やがて崩落地を警告する案内を見ると右手に折れる。回り込むようにして高度下げが始まる。
 容赦ない高度下げ。どこまでも下げていく。里山なら下山しきってしまうくらいの勢いだからこれは帰りが大変だぞ。実際、300mの高度下げのあと黒尾谷岳には100mの登り返しとなり、帰りはその逆で、100m下って300mの登り返しだ。

     
南月山の三角点は裏手にひっそりと    定番の茶臼岳眺望    下に見えているのは黒尾谷岳ではない
     
あの崩落地脇を通過する    崩落地より    黒尾谷岳はまだ遠い

 どこまでも下げ止まらない下りに、若干怖気づきながらもようやくコルまで到達した。新緑の枝の合間から見れば、先ほど歩いてきた白笹山の稜線があんなに高く見えるではないか。いやはや、南月山への帰りが思いやられる。

     
   こちらも白ヤシロが素晴らしい    白笹山を見上げる程高度を下げた

 コルで一息入れて黒尾谷岳への登りにかかる。ここの登山道もジグザグに作られており案外楽に登れる。だが、帰りの登り返しを意識すると、のんびりゆっくりペースを堅持せざるを得ない。三人組のシルバーグループとすれ違うが、彼らもこれから向かう南月山への登り返しに苦笑いしていた。

 黒尾谷岳の山頂もまた白笹山の山頂と五十歩百歩。グルリと眺望の無い山頂には山名板と土管が一本置かれているのみ。長居する雰囲気でも無いので写真を一枚撮って直ちに踵を返した。
 ここで無理をして歩き通すと前回の袈裟丸山のようにバテる可能性があるので、コル近辺まで戻り木陰のランチ、大休憩とした。
 今回から食事も夏モードとなり、ストーブとカップラーメン、1リットルの水の携行は無し。お陰で幾らか荷が軽くなった。そのかわりに、テルモスに氷と一緒に詰めたドリンクが装備に加わった。これから夏に向かってはこれが一番! 喉を冷やす冷たさは実に心地よい。

     
黒尾谷岳への登りは巻き道で穏やかだ    白笹山といい勝負、何も無い山頂    ここで食事休憩

 南月山への辛い登り返しだが、美しく咲き誇る花に励まされて思ったより軽快に進むことが出来た。やはりペースダウンの効果は絶大だ。日頃の山行では如何に無駄なペース堅持で疲労を増大させていたのか、今更ながらこんな単純な事を実感して目から鱗が落ちる思いだ。

     
   生命を感じるダケカンバ    青空に映える
     
白ヤシオの向こうに黒尾谷岳    あの上まで登り返す    一部背丈程の笹薮あるも道形明瞭


黒尾谷岳からの戻り途中の風景。このアングルからの茶臼岳は珍しい

 最後の笹薮を登り切る手前、振り返ると黒尾谷岳が頭を覗かせる。あそこから戻って来たのだと思うとそれなりに感慨深いものがある。

 南月山へ着くと予想通り、色とりどりのウェアーで一面花咲く沢山のハイカー達が食事中であった。ここから先は基本的に下りだが、しばし茶臼岳の荒々しい眺望を楽しみながら自分も一休み。日の出平へ向けて出発した。

     
あそこから戻ってきたのだ    日の出平へと向かう   

 日の出平から沼原へ下るコースは今回初めて歩く。南月山から台地のように見える日の出平は、その名の通り平坦な道が続く。灌木に見通しを遮られる箇所もあり、熊の出没地として名高いこのエリア。ばったりお見合いということも排除出来ない状況だ。ザックより大音量の熊鈴を取り出して腰に装着す。肉厚の鐘から鳴り響く大音量は、着けている自分自身もうるさいくらいだから、他のハイカーが近くに居たら迷惑ものかもしれないが、肝心のクマに届けば良い。そこで、いつも思うのだが、クマには本当に鈴の音が聞こえているのかという実験が行われた半分ジョークな記事を読んだことがある。実験は動物園のクマに数種類のクマ鈴を聞かせたところどんな反応があったかというものである。結果は・・・どの鈴にも全く反応せずひたすら昼寝を貪るのみだったとか。
 これはクマに喝!  である。野生のクマならもっとしっかりしてるでしょう。なんてのはどうでも良いが、ここまで臆面もなくうるさい程だから効果は充分なのではないか。

 途中、ミネザクラが数本咲いていた。南月山から先は驚くほど花が無かっただけに再びの花の出現は嬉しい。

 平坦地を過ぎ、高度を下げ始めると北の隠居倉方面が大きく見え、やがて南月山から白笹山を広々と見渡せる笹道になる。

     
平坦な道が続く    ミネザクラ    隠居倉方面(雪が残っている)
     
   ムラサキヤシオ白笹山    池塘あり

正面に南月山、そして白笹山までを見渡す

 道が北に進路変えをすると、開けた眺望とはお別れになるが、笹原に広がるダケカンバの林もまた美しい。綺麗に撮影出来なかったので掲載しなかったが、途中白ヤシオやシャクナゲも所々に咲いていた。つくづく今回は花に恵まれた山行であった。

     
ダケカンバの林       駐車場から白笹山

概略コースタイム

駐車地発(07:01)-白笹山(08:37)-南月山(09:26)-黒尾谷岳(10:27)-
昼食地点(10:40)-昼食休憩-行動再開(100:49)-南月山(12:04)-日の出平(12:37)-
駐車地着(14:34)

2013年06月02日

梅雨の合間に徒然と

 今年は異例の早い梅雨入りである。この時期は山もバイクも遠ざかり気味。せめて昼間からスポーツクラブに行くぐらいが関の山だが、たまには愛車も綺麗にしてやろうと思いたつ。

 こうして4台(正確には車まで入れると5台か)並べてみると我ながら壮観。総排気量は、左のバイクから1400+200+125+0(チャリ)+660(パジェロミニ)=2385ccとなる。
 全部足しても3ナンバー車にはかなわないが、一番大きなバイク一台で5ナンバーのコンパクトカークラスの排気量というのも面白い。今の自分にとってはお気に入りの構成だ。

 後ろから撮った写真も一枚。


佐野ラーメンと宇都宮餃子、栃木軒

 この後時間調整も兼ねて、やはりスポーツクラブへ行って一汗かき、その後家内と映画を見に出かけた。

 途中、競輪場通りの福田屋前にある栃木軒にてラーメンを食べる。自分はどちらかと言うと味噌ラーメン派なので佐野ラーメンの店を好んで選ぶことはないが、この場所に以前あった「ラーメン龍」という店は閑古鳥が鳴いていたのに、今は随分人が入っていそうだったので前々から気になっていたのだ。

 佐野ラーメンとジャンボ餃子一本というメニュー構成も良いし、食べてみると佐野まで行って食べる「佐野ラーメン」以上の味の水準なのではと思った。餃子もしっかりした味わいで及第だ。ラーメンは人によって好みがあるからなんとも言えないが、誰かに紹介、または案内しても外れの無い味と言えるお店であった。


県庁おもてなし課

 夫婦どちらか50歳以上で二人料金二千円の恩恵を受けて、我が家も頻繁に映画を見るようになった。ネットで席の指定やチケットの購入が出来るのも大変有難い時代だ。

 さて、映画の方だが、ストーリーの方は可もなく不可もなくといった凡庸な感じたが、どちらかと言うとTVドラマの延長線のような作品。映像効果やネタの仕込みが盛りだくさん、怒涛の感動と興奮という作品が見られるのは映画ならではの醍醐味だが、たまにはこういう肩の力が抜けた作品も良いかな。
 ストーリーの内容はここでは触れないが、舞台となった高知県、海あり山ありの自然豊かな土地柄。海岸からせり上がる山の空撮映像や、意外に深い山並みがスクリーンに映ると、「あ!高知県行ってみたい」と思ってしまう。
 やばい。高知県の観光招致作戦の術中に既に落ちてしまったか?>自分(^_^)

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  • PIAN PIANO.
    バイク仲間であり山仲間のなおさんのブログ。ブログ名のPIAN PIANO.(ピアン ピアーノ)は、イタリア語で「あせらず、ゆっくり」という意味だそうです。

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