« 2012年09月 | メイン | 2012年11月 »


2012年10月 アーカイブ


2012年10月27日

125ccスクーターで秋の散歩

 一年で一番バイクに乗るのに適した時期は、言うまでも無く春と秋。10月に入って13日から三連荘で走りに行っている。13日はブログ記事にしなかったが、会社の仲間と奥利根を走り望郷ラインへ抜ける。照葉峡の紅葉はまだ少し早かったものの、すっかり冬の寒さの金精峠に震え、川場村の長閑な望郷ラインを楽しむことが出来た。
 そして先週は樹海ラインロングツーリング。こちらも紅葉の盛りにはもう少しといったところだったが、"走り"には充分納得満足の一日であった。
 そして、今回はスクーターで散歩。

 寒がりの我が家故、まだ10月だというのに炬燵を引っ張りだした。気がつくと11時。昨日来の予報はあまり芳しくなかったけれど、時折雲間から覗く秋の日差しにほだされて散歩に出かけることにした。

 初めは「茂木で蕎麦でも」と思って東へ走るが途中で目的地変更。スクーター散歩にしては欲張って大田原までと足を伸ばしてしまった。大田原に向かった理由は、先日見たTVの"唐辛子ラーメン"が頭をよぎったから。ただそれだけ。

 なお、今回相棒のSym Jet4 125は今年の春入手したものの、ブログへの掲載は今回が始めて。台湾メーカーの中国製造という極めて品質的に怪しい代物なのだ。何もしなくてもパーツにヒビが入り、現在国内代理店とクレーム調整中だ。どうやら温度が高いと割れる可能性があるプラスチック部材を使っているからだとか。日本では考えれないクオリティの低さだが、国際的に見ると日本人程神経質にバイクを綺麗にして乗っているのは珍しいらしく、そういうクレームはあまり無いそうである。あるいは報告があがっていないのかもしれない。
 また、部品の調達も時間がかかり、小さなパーツ一つでも船便で来るのでなかなか到着しない。問い合わせても、荷物が一杯になっていないのでまだ出港出来ないとか、台風だから船が出せないとか、どうも今までの国内メーカーの常識はまったく通用しないようだ。

 だが、価格の安さと走行性能は結構良い感じ。硬すぎる位のセッティングのサスはスクーターとは思えない程のコーナリング性能をもたらす。出荷時装着のタイヤがちょっとプアだが、ちゃんとしたタイヤに履き替えれば期待出来る。同クラスのスクーターに乗った事が無いのでなんとも言えないが、少なくともチョイ乗りには充分なパワーもある。そして、デザインは国産スクーターがどれも地味なのに比べて派手目なのが良い。そんなお遊びの一台で、現在主に通勤に使用している次第である。

 結局街道沿いのチェーン店に入ったが、幾らか冷たくなってきた風に吹かれた体に味噌ラーメンが染み渡る旨さ。

 帰路、R461に入ると放射性物質処分場に反対する幟や看板が多数見られた。地元の方々にとっては切実な問題だし、山遊びをする自分にとっても憂慮する事態だが、現実的な解決策がもっと検討されるべきなのではないか。

 そのまま帰るのもつまらないので寄り道して羽黒山へ駆け登る。非力な原付二種でも意外とグイグイ登るので面白い。
 山頂手前の展望台で一休みし、関白近辺から西に伸びる道へと入る。向かう先に飯盛山が形よくそびえている。この先にある大畑林道(全線舗装)で峠を超えると石那田の大網へと抜けるのだ。

 篠井連峰と富屋連峰の接合点である峠。ひっそりと静かに道標だけが迎えてくれた。
 秋の午後の弱い日差しが里山シーズンの到来を予感させる。

 

R461から倉掛集落以降石那田までの軌跡はこちら

2012年10月20日

5年ぶりの樹海ライン

121020route.gif

 5年前に樹海ライン(檜枝岐より奥只見湖を経て小出に至る国道352号線の愛称)で見たオレンジ色の紅葉が今でも忘れられない。濃い黄色に覆われた山並みが、今までの人生の中で見たいかなる紅葉よりも鮮やかに目に写ったものである。
 そんな紅葉を再び・・・と思い快晴のもとGSXを駆り山峡超えのルートを走ってきた。

 樹海ラインそのものの紅葉は盛りには今ひとつ早かった感があり、5年前に比べるとやや残念な状態であった。だが、前回は既に冬枯れの寒々しい状態であった尾瀬(御池周辺)の色づきが今回は大変美しかった。標高差の激しいこのコースは山の色づきが猫の目のようにくるくると変わるそんな楽しみなコースでもある。

 路面コンディションは、大雨による崩壊箇所の復旧で所々工事箇所があり砂や浮石が多くあまり良くない。また、途中のベスト撮影スポットにも現場事務所のプレハブが建っていたのには少し気落ちした。復旧工事が終わってまた元の姿の樹海ラインになる日を待ち望むところだ。また、工事車両の後ろに付いてしまうと、快走路も我慢の低速走行を強いられることになる。3台の工事車両隊列の後ろをノロノロと走っていたが、たまたますれ違いで止まった時に先に行かせてくれたミキサー車の運ちゃん、ありがとう。

行く手に燧ヶ岳を望む。山麓は鮮やかに彩られている。青空とのコントラストが素晴らしい。

御池に向かい標高を上げると見事な黄葉街道となる。

峠を超えると、行く手に新潟県の山がついたてのようにたちはだかる。

振り向けば燧ヶ岳が既に遠い。

奥只見湖南端近辺

1600m級の立派な山域の上部は色づきが良い

枝折峠へと向かう

枝折峠の様子(動画)

六十里超えを過ぎ、田子倉湖の黄葉は未だ浅し。

2012年10月08日

荒海山


-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 今年の夏は県境をいくつか歩いてきた。例年より幾分長かった暑さもようやく秋へと移ろうなか、夏山の登り終いとしてやはり県境の荒海山を選んだ。

 荒海山へは福島の南会津町側から荒海川上流の沢を詰めるコースが一般的である。また、栃木側は三依から入山沢を詰めて登るルートがあるらしく、一部ロープの設置などもされているという。だが、かなり不鮮明であるのと殆ど直登に近い箇所に苦労したという報告も見られる。そんなストイックな山行にも憧れないではないが、流石に実力が伴わないのは明白。無難に正規登山道を登ることにした。

 八総鉱山跡まで車を進めると既に先客2台。駐車スペースに空きはあったが、もう少し先まで行けそうだったので道幅が狭くなってきたあたりにパジェロミニを駐めた。歩き始めると程なく登山届のポストがあり、すぐその先に堰堤がある。堰堤の縁を溢れる浅い流れを渡り切ると前夜の雨水をたっぷりと含んだ一面の雑草の薮が待ち構えていた。道形ははっきりしているので迷うことはないが、本で紹介されている登山コース故に少し心細い感じもする。念の為にGPSで進路を確認しながら進んだ。

     
R352より山あいへ入る    駐車地    昨夜の雨で草が濡れている

 幾らか進んだ所で立ち止まってスパッツを付けた。背の高い草薮が服を濡らすが、カッパは面倒なので着なかった。沢を何度か渡り返しながら高度を上げていく。露岩の上に細い沢水が流れている箇所はことさら足場が悪く、垂れ下がっていたフィックスロープに大いに助けられる。
 ルートが沢を離れると、それまでの足場の悪さに急登が加勢し一層難儀するがそれも長くは続かずやがて尾根へと到達する。

     
出だしは少々薮化している    沢の中をロープを頼りに   

 尾根でザックを降ろして一息ついた。よく見ると笹に覆われてはいるものの、かすかに北に向かっていく踏み跡がある。地図をなぞると、北西の1249.5mP、その北方の1234mP、更に北西に伸びる尾根通しでR352の中山トンネル上部に到達可能な雰囲気である。(そのあと道路に降りるのはかなり難しそうだが)

 荒海山に向かう尾根道は、基本的に終始西側に少し巻くような感じで付いている。尾根の背は雑木ないし笹薮となっていて歩けない。また、登山道も笹薮に覆われていて不鮮明な箇所が時たま出現する。だが、中に隠されている道形ははっきりしているので迷うことは無いだろう。こういう道に慣れていない人は少し戸惑うかもしれないが。
 山頂へ向かう長い長い尾根道は、穏やかな区間と急登を織り交ぜながら進む。終始眺望に恵まれないため、閉塞的な雰囲気にいささか辟易気味になるが、山の深さをも醸し出す。樹木の根が張りだして歩きづらい急登区間になると、そんな鬱々とした雰囲気で一層疲労に拍車がかかるようだ。時折樹間から遠く顔を覗かせている荒海山を眺めると、まだまだ行く先の長いことを知り溜息が出る。

 山頂直下になると段々に周囲が開け眺望が広がりだす。だが足場の悪い急登ではそれを眺める余裕も無し。ここからの景色は下山時までおあずけとし、まずは山頂を目指すべし。途中、単独者2名とすれ違う。駐車地に駐めていた人であろう。

     
尾根へ到達    道形はしっかりしているが時折薮漕ぎ    荒海山が姿を現す

 笹をくぐるようにしてぱっと辺りが開けたらそこが山頂である。まずは西峰だ。360度の胸をすくような眺望が待ち構えていた。眼下に横たわる芝草山、幾筋もの沢に削り取られた彫りの深い尾根筋は寄せる荒波が波打つようである。遠くの山並みも浮島のように美しい。古の人が"あらうみ"と例えたのもさもありなん、などと勝手に妄想する。北には会津の名峰七ヶ岳がギザギザしたシルエットを見せている。堂々たる男鹿山塊の右に目をやると見慣れた高原山。多少遠いが日光連山も見渡すことが出来る。

山頂よりの眺望(安カメラに"腕無し"なので山頂の雰囲気をうまく伝えられないのが残念)

 眼下に目を移すと南西に控える1560mP、通称"次郎岳"へ伸びる稜線にも心動かされる。荒海山の栃木での呼称は太郎岳だ。ならば次郎岳も踏んでみたいと思うのは栃木県民ハイカーならではの感傷か。沿面にして僅か600m程度だが、踏み跡も見当たらず恐らく全行程屈強な薮であるこを考えると情報収集も充分でない今回は残念ながらパスである。

 三角点のあるお隣の荒海山東峰までは背丈超えの笹薮をかき分けて進む。前回の燕巣山からの県境尾根を考えれば、僅かな距離で先も見えているから楽勝なのだが、力づくに進もうとすると案外苦戦する。かがみこんで笹の下に隠されている踏み跡を辿れば楽に進めるのだ。

     
西峰山頂    眼下の1560Pが次郎岳    東峰までは背丈超えの薮漕ぎ5分位

 直線距離にして100mもないような双耳峰だから、さして眺望に変化も無いはずだが微妙に東峰のほうが良いように感じるのは気のせいだろうか。ザックを降ろしてひたすら眺望を堪能したあとは昼食とした。天気晴朗、気温も暑くも無し寒くも無し。こんなにベストコンディションな山行はなかなか無いだろう。

 西峰のほうに声がする。どうやら後続のハイカーらしいが、東峰に渡ってくる様子は無いので最後まで東峰を独占することが出来た。

     
三角点のある東峰山頂    次朗岳と西峰    手前が芝草山、奥が高原山

 西峰に渡り返すと後続者は夫婦一組と単独者一名。山頂直下で下山の2名と会っているから自分も含めて合計6名入山の賑わいだ。登山者は少ないと書かれてはいるがやはり人気の山と言ってよいだろう。

 下山を始めて気づいたのは1500m近辺から幾らか紅葉が色づいていたこと。登るときは余裕が無かったが、山頂を見上げては周囲の控えめな色づきにしばし足を止めた

     
1500mあたりから一部紅葉    七ヶ岳    山頂方面

 下山はひたすら来た道を下るのみ。足場の悪いところが続くので、下りといえども体力を案外消耗するような気がする。多少食傷気味になってきた下山路も終盤は美しい沢に癒された。まだ充分に光が差し込んでいなかった朝とは比べようの無いほどの輝く水のきらめきがそこにはある。鬱蒼とした樹間をひたすら歩く地味なコースで疲れた心身をリフレシュしてくれる瞬間であった

  
沢を降りるに従い美しい渓谷となる     

概略コースタイム
駐車地発(7:30)-荒海川源流分岐(7:58)-尾根(8:44)-1251mP(9:11)-1380mP(9:53)-
大岩(10:09)-西峰山頂(10:43)-東峰山頂(10:50)-昼食休憩-行動再開(11:41)-
大岩(12:12)-1380mP(12:26)-1251mP(13:09)-沢への下降点(13:28)-駐車地着(14:28)

最近のコメント

最近のエントリー

リンク集

  • ケン坊の日記
    情報(ネタ)の検証はピカ一。実践派のケン坊さん。多方面にわたるネタで楽しむことができます。
  • らんばらしょうぎ
    目指すは亀三郎百名山。印象派の亀三郎さんのブログです。更新量豊富。山ネタ以外も綺麗な写真がいっぱい掲載されてます。
  • 散歩エクスペディション
    薮山に目覚め始めた頃、毎日飽きずに見ていました。今日の自分に影響大なり。薮山歩きではメンタル面の我が師匠、けむぞうさんのサイトです。ブログのほうも面白くてお勧めです。(そこナニBlogで検索してね)
  • 里山逍遥
    栃木の山とその周辺の低山を巡る日々「里山逍遥」。もぉ、このタイトル見ただけで直ぐに相互リンクを申し込んでしまいました。新田次郎さんと飲んだことがあるという凄い方です。登山に対するフランクな考え方も共鳴できます。
  • リンゴの叫び!
    季節の移ろいと自然の姿に心惹かれるブログ主さんの記事は、山好きな人ならきっと共感することと思います。自分も長い間隠れファンでしたが、この度相互リンクさせていただきました。
  • 北関東の山歩き
    ご夫婦で仲良く山歩き。栃木県内や宇都宮近郊の山はもとより、HPのタイトル通り北関東の山並みを歩かれているNonさんのサイトです。楽しそうな山行記録を読みながら、「是非自分も歩いて見たい」と思うこと度々。
  • PIAN PIANO.
    バイク仲間であり山仲間のなおさんのブログ。ブログ名のPIAN PIANO.(ピアン ピアーノ)は、イタリア語で「あせらず、ゆっくり」という意味だそうです。

RSS