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2007年10月 アーカイブ


2007年10月29日

錦秋の只見周遊 in HEIJITU

071029track.jpg

 代休消化で、かねてより目論んでいた平日の只見周遊を敢行した。紅葉三昧の400Km超のソロツー。午後は若干雲が広がってきたが、まずまずの天気でおなか一杯の風景に大満足の一日であった。

 事前の気温データから考えて冬装備を整えての出発であるが、早朝の鬼怒川温泉川治温泉と標高をあげていくと山々の紅葉も徐々に鮮やかになり、伴って寒さも増してくる。五十里湖畔を走る頃には、冬用としては少し薄目のレイン用グローブの指先がかじかんできた。道路に設置されている気温計は9度とか7度とか、いずれにしても宇都宮市街地なら真冬といっても良い気温である。

 休日の道の駅たじまは一般観光客に混じって二輪ライダーも賑やかなものだが、流石に平日、しかも月曜の朝の早い時間ともなると人もまばら。ましてや二輪は自分一人である。しばし缶コーヒーのぬくもりで指先を暖める。

 グローブを冬用に替えて再出発する。国道352号に入るとそれまでも少なかった通行量が更に少なく、対向車後続車もほとんど無くなってくる。集落があっても道に人が歩いている光景など滅多になく、さながら廃村を一人孤独に走っているような錯覚に陥ってくるものだ。

 天気予報では檜枝岐は晴れマークだが、この時間はまだ山腹に朝霧がまとわりついている。この低いところのガスも取れれば、その上空はすじ雲の広がる秋の空のようであるが、この朝霧の風景もなかなか美しいものだ。(下写真中)

 舘岩村近辺の紅葉は今まさに真っ盛りである。中山トンネル手前の銀竜橋付近はまさに息を飲むような美しさである。実は、この先もっと素晴らしいポイントが多いだろうと思って写真を撮らなかったのを後悔している。他のエリアも甲乙付けがたいものの、全行程を通して単純に紅葉だけを見ると、ここが今回のベストビューだったと思うのに残念至極である。

 檜枝岐を過ぎると、徐々に高度が上がっていき、尾瀬の玄関口である御池に到達する。このあたりはすっかり山から色が抜け落ち、もはや冬支度もほぼおしまいといった風情であった。

     
道駅たじま 貝割山    朝 霧    御池は冬化粧

 新潟県境へ向かい、高度を下げていくとまたまた色づく風景へ戻ってくる。二つの季節を瞬間移動しているようで面白いものだ。丁度県境の所にある金泉橋から見る只見川が、紅葉に抱かれ美しく輝いていた。

 奥只見湖の南岸を走る頃になると、沢が道をまたいで下へ流れ落ちる箇所が増えて来る。4輪では特に問題無いだろうが、2輪だと一瞬たじろいでしまう。慎重に通ればどうということはないのだが。行く手に沢が横断しているところは、普通はなかなか見られない標識があって面白い。(下写真右)

     
新潟県境    県境にある金泉橋    走行注意?

 場合によっては少し凹みが深い場合がもあるので通過には少し神経を使う。だが、こんなところも奥深い山岳道路を走る楽しさである。

 つい二週間前に通行した時とはうって変わって赤一色の世界。是非写真をを比べていただきたい

     
道に沢が    二週間前と比べると   
     
      枝折峠へ向かう

 すっかり秋景色の枝折峠からの山道を一つ二つとコーナーを捌きながら降りていく。ホント嫌になるほどコーナーの連続だ。しかし、ふと絶景に立ち止まり仰ぎ見れば、気持ちの良い秋空に鰯雲。あぁ本当にバイクって良いなと思う瞬間だ。

 里に降り立つと、道の両脇に雪国特有のかまぼこ型の屋根が目立つようになってきた。昼食休憩の予定であった道の駅ゆのたにが近づいてきたが、先ほどから対向車線には銀山平に向かう観光バスも多く、平日だというのにきっと混雑していることだろう。この静かなツーリングには観光客でごった返すガサガサした所は相応しくないのではと思い、少し足を伸ばすことにした。

 小出からは国道252号を使わず、これまた鄙びた裏道(広域農道)を使って気持ちの良い走行である。農道の果てで国道252号へ合流し、道の駅としては地味な道の駅いりひろせで休憩とする。

 特に変わったメニューも無かったが、蕎麦とうどんのセットと豆腐を頼んだ。名物と称される女神豆腐は、きめ細かなのどごしの中にもしっかりとした大豆の風味がありなかなか旨かった。

     
枝折峠    同 左    蕎麦+女神豆腐

 道の駅いりひろせを後にすると、国道252号はどんどん高度を上げていく。六十里越だ。先ほどから付かず離れずオモチャのような線路が見えていた只見線の軌道も、遂に峠ではトンネルに吸い込まれていきしばしのお別れ。国道のほうも六十里越トンネルを抜けるとそこに田子倉ダムが姿を現す。

     
道駅いりひろせ    六十里越へ    田子倉湖が見えた

 百名山・百名水などがブームになって久しいが、ダム湖百選なんていうのもアリなのか。(下の写真左)
何でも百にくくれば良いというものでは無いだろうというツッコミはさておいて、ダムより高度を下げて只見の街へ到達。本来ならばここで国道289号へ折れるのが無難なところだが、今回はあえて国道252号を会津若松方面へ向けて進む。

 すっかり川幅も広くなり、たおやかに流れる只見川を伴って暫く走る。横田の集落を右に折れると県道352号の松坂峠超えだ。この県道は南方を通る国道289号と共に冬季閉鎖になる。冬場は難所なのだ。

 県道352号はありふれた裏道県道の風情そのもの。対向車後続車共に皆無だ。松坂峠に近づくにつれ、見事なまでの紅葉を一人占めして走行することができた。やがて国道289号へ合流すると暫しの道草もおしまいである。

 田島のコンビニで休憩をとっていると、西の空が幾らか赤みを帯びてきている。明日も天気が良いのだろう。さぁあと少し。今日一日走ってきた道の情景に思いを巡らせながら宇都宮に向けて国道121号をひた走る。

     
田子倉ダム    県道352    同 左

2007年10月28日

三枚石と方塞山

 台風一過である。文句なしの快晴である。

 今年は台風一過の天気も今一つはっきりしていなかったので、さながら天の恵みとも思える清々しい快晴である。

 これは絶対逃すまじ。先週バイクで下見をしてきた古峰ヶ原。一週間では紅葉の進みも今一つではと思ったが、まずはこの好天の中を歩けるだけでも充分という気持ちで出発した。

 先週同様古峰神社脇を抜け、通行止めのゲートを更に上がり舗装が途切れた古峰ヶ原峠に駐車する。流石に今日は一杯の車。皆考えていることは同じようだ。

 車を降り湿原を一望すると、その先に広がる光景にしばし感動する。全山燃えるが如くというにはまだ一週間以上はかかるだろうが、さながら赤や黄色の絵の具を一つ一つ置いていったようなそんな風景に思わず感動の声が自然と上がる。

 さて、今日のコースはここから三枚石を経て方塞山までのピストンだ。流石に昨晩の台風がもたらした雨水が登山路に溢れ出している。ぬかるみで足を取られてはかなわないので、慎重にルートを選びながら進んでいくが、色鮮やかな落ち葉を見ながら歩くのも楽しいものだ。高度も上がりやがて道が乾き出す頃、緩い尾根に乗れば左右に赤や黄色の葉が美しい。

     
台風後の雨水    落ち葉も色づき    行く手に鮮やかな木々

 高度が上がってくると岩が多くなってくる。岩といっても大抵の山の頂上近くに見られる露岩とは異なり、角が丸く浸食した巨岩が目立つ。地質学的にしかるべき理由があるのだろうが、なかなか壮観である。いよいよ岩が多くなってくると天狗の庭。そして三枚石 に到着だ。

 三枚石では白装束に白足袋の修行の一行が岩に向かって何やら礼拝の最中。この後暫くは山中に彼らの気合いの籠もった修行の掛け声が響き渡っていた。立ち止まり礼拝の一部始終を見物しているハイカー達を後にして、我々は昼食ポイントの方塞山へと足を進める。

     
天狗が酒宴したという    三枚石にて修行の方々   

 三枚石からは幾分高度を下げる。「勿体ないね」と言う家内に、山登りはこんなものさ、と答えながらふと見れば、行く手の色づいた樹から漏れる光の美しいこと。のんびりと歩いてほんのちょっぴり登り返せばそこは方塞山の頂上だ。今夏、前日光牧場からよく見えた電波塔が右手にある。
 山頂奥には鉄条網が張られている。夏には前日光牧場の牛たちがここまで放牧されているのだろう。

今日のコースはほぼ樹に覆われ景色は殆ど見え無かったが、ここから南側が唯一の眺望である。

     
      方塞山頂上

 先客の中年夫婦と入れ替わるようにして木のテーブルで昼飯を広げる。それまで幾らか汗ばんでいた体も紅葉の山ではあっという間に冷え切ってしまった。思わず上着を一枚重ねる。
 今日はステンレスポットにお湯を幾らか持って来たので、食後は簡易ドリップのコーヒー付きとオシャレだ。山で飲むコーヒーもまた格別である。

 横根山の山腹もまた見事な景色だが、残念ながらデジカメだとどうも色の微妙な濃淡が出ないようで、この美しさを伝えられないのが残念。

  
横根山方面    葛生方面

 帰りはピストンコースで同じ道を戻る。基本的にピストンコースはあまり好きではないが、今日の山道は刻々と変化する光線の具合で紅葉が行きとはまたちょっと違った面持ちで迎えてくれるので楽しい。

 家内は、学校で子供達にプレゼントしようと言いドングリを拾いながらのんびりのんびりと降りていく。今日は本当に気持ちの良い好天と、思わぬ紅葉のプレゼントに恵まれた山遊びであった。

     
古峰ヶ原峠    古峰ヶ原湿原より三枚石方面    地蔵岳よりの稜線

概略コースタイム
古峰ヶ原峠発(10:55)-三枚石(11:52)-方塞山着(12:24)-昼食休憩-
方塞山発(12:49)-三枚石(13:19)-古峰ヶ原ヒュッテ(14:22)-古峰ヶ原峠着(14:36)

2007年10月20日

見果てぬ古峰ヶ原高原ルート

 今週末は悪天候の予報なのに金曜日頃から好予報に転じる。どうにも天気予報が信用出来ない・・・もとい、「季節の変わり目は難しい天気が続く」というのが正しいのだろう。

 あまりにものツーリング日和に誘われて久々の「午後から」散歩に出かける事にした。ふと思いついた行き先は、古峰神社から先へ伸びる工事中の林道の開通延伸状況視察。さてさてどこまで工事が進んでいるのやら。3年前に古峰ヶ原峠から先はまさに道路工事中だったのが記憶に新しい。

 古峰神社の前、左手に昨年4月に開通した「林道前日光線」をやり過ごし直進する。路面が若干ウエット気味だ。宇都宮を出発した時の青空もどこへやら、山の頂にはすっかりガスが掛かっている。樹林に覆われて鬱蒼とした道を落ち葉に気をつけながら慎重に進む。

 程なく一つめの通行止めゲートだが、ゲートはワイドオープン。3年前もこの先はまだまだ走行OKだったので気にせず進行する。先ほどから同方向に向かう車もUターンしてくる気配は無い。ゲートを超えて暫く走ったあたりで、ガスが美しかったのでバイクを駐める(下写真左) 場所

 舗装路が途切れるとそこは古峰ヶ原峠だ。驚いた事に小型の観光バスが停まっていた。井戸湿原方面へのハイカー達を乗せてきたのだろう。自分も通行しているので大きな事は言えないが、通行禁止区間をバスで走るというのもいささか困った話である。

 古峰ヶ原湿原はだいぶ茶色く色づいてきている。もう少しで山肌も装いを変えていくのだろう。思わず歩きの虫がうずき出す。

 ここからは砂利道になるが道幅も広く、よく圧延された砂利なので問題無いだろう。通行止めの看板は片隅に寄せられている。3年前は斜面が削られダンプが次々と砂利を運んでいた場所だ。ちなみに30年前のここから先は、細い砂利の尾根林道の両脇にススキが揺れていた記憶がある。そこを50ccのオフロード車で走った10代の自分が懐かしい。

 砂利のコンディションは良いとはいえ大型ロードバイクには優しくない。慎重に行かねばすぐ足元をすくわれてしまうのだ。ゆっくりゆっくりと進み、ふと見れば色づく樹々が美しい。場所

     
古峰ヶ原神社先    古峰ヶ原峠からの砂利道    色づく樹々

 行く手をゲートが完全に阻む。橋が工事中なのだ。よく見ると右側に迂回路がある。というよりもこちらが本来の旧道なのだろう。更に右に足尾方面への古い林道を分ける。
ぐるっと廻り南側から撮ったのが下の写真中だ。 場所

 ここを過ぎるとまもなく舗装路が見えてきて、やれやれ粕尾峠側に抜けたかかと思ったのも束の間。また道が荒れ出して遂にぬかるみになってしまった。 場所

粕尾峠から前日光高原へ抜ける舗装路まであと1Km位というポイントである。残念!

 工事用の車両や重機が入ってきているが、さすがに重量オンロードバイクではここが限界だ。途中対向してくるオフロードバイクがあったが、今日という今日ほどオフ車が欲しいと思ったことは無い。
 既に道路にうっすら積もっている泥に気をつけながらUターンを試みる。道幅はUターン出来るギリギリだ。ここでバイクを倒してはしゃれにならないので慎重に慎重に刻むように向きを変えていく。何せ車重が車重だけに一瞬のズリや傾きがソク立ちゴケに繋がるのは先日経験済みである(^^;

     
色づく樹々    途中こんな箇所が二カ所ある    こりゃ駄目だ!撤退

 来た道を戻るのはとかく敗北感が伴うものだが、何故か今日は違っていた。3年も経ってあれしか区間が延長していなかったのも意外だが、それでも確実に工事は進んでいるのだ。工事中の真新しい橋脚を見て「また来よう」という充実感に満たされていた。いや、その前にオフロード車で走破かな?

 一旦古峰神社まで戻り、林道前日光線へ折れると今までが嘘のような快適な林間道路だ。去年の6月にここを抜けた時もガスが深くかかっていた。なかなかスッキリとした景色を見せてはくれないものだ。

 日瓢鉱山が近づいてくると、直進は山の神、左へ降りればツツジの湯を経由して粟野へ抜ける道だ。前回も山の神方面は通行止めになっていたが、やはりゲートはワイドオープン。意を決していつでもUターンする覚悟で進むことにした。

 ここから先の写真が無いのは撮り忘れたのでは無い。険しい山道故、路側にバイクを駐めることが出来なかったからである。家に帰ってGPSのログを見て、よくぞこんな山奥に道を付けたものだと仰天したが、走っている時もまさに奥深い山を進む感極まる。こんなところでバイクが故障したら夜はクマの餌食か(^^;

 

 何とか幅の広い道へ接続して一安心だ。下の写真中 場所

 それにしてもこんな立派な標識が立っていて古峰神社方面なんて書いてあるが、あの狭窄峻険な山道を4輪で行くのは自殺行為だ。倒木有り、道の崩落箇所有りなのだ。大体向こう側が通行止めになっているのに山の神からの進入は構わないのかと大いに疑問を持つ。

 程なく県道15号へ抜けると今日の冒険は終了だ。いつも通っていた道だが、こんな所から入っていく山道があったのだ。

     
快適な前日光林道    4輪は右に行くと大変だぞう    山の神へ脱出

2007年10月14日

秘境!奥只見

 20年近くも前に一度新潟から尾瀬を抜けて五十里湖へ至る国道352号を車で走ったことがある。奥深い峻険な山岳道路ゆえ午前中と午後、それぞれ新潟側尾瀬側と片側通行。加えて二輪は通行禁止区間という難所であった。当時は路面もあまり良くなく、ガードレールが未設置なところ随所にあり落ちれば一発で終わりというポイントが至るところに待ちかまえていた記憶がある。
(注記)現在は道路やガードレールも整備され安全に走行出来るようになっているが、車幅が狭い為4輪ではすれ違いに苦労する可能性は大きい。

 昨年、この区間の二輪通行規制が解除されたと聞いた時、かつて深い感銘を覚えたあの人を寄せ付けぬ険しい景色に胸を躍らせた。是非バイクで走ってみたいという気持ちが沸き上がってきたのは言うまでもない。計画は去年から練っていた。だがなかなか実行に移す機会に恵まれず、ついに今秋決行することが出来た。

 メンバーはYAHOO掲示板で募った4名。計5台のグループである。険しい山を越える長丁場には手頃な台数だ。

 早朝に宇都宮を出発。会津田島の道の駅までは防寒対策が甘かった。震えながら初秋の寒気に耐える走行だ。兜の緒を締めてでは無いが、道の駅でしっかりと防寒をする。檜枝岐を過ぎるとどんどん高度が上がっていく。尾瀬を過ぎ、標高最高地点の御池あたりは赤い葉もちらほら。澄んだ空気に美しく映える風景。

 一旦高度を下げて谷沿いの道を北上していく。沢から浸みだした水が道路に流れているという事を事前に聞いていたが、むしろ道路が沢の一部になっているような箇所を幾度も渡っていく。 やがて道が奥只見湖に突き上げる頃、湖の南側の斜面をトラバース気味にぐるっと廻って向こう側に出るとそこには雄大な景色が広がっていた。向かう谷の山腹に、どこまでも張り付いていく通筋が延々と見える。

 銀山平まで一旦降りると、やっと観光地然とした面持ちにほっとするのは来し方の秘境の奥深さ故か。

 ここから西を目指すには枝折峠を越える。枝折峠からも山肌に縫いつけられたような道が延々と続いているのが見える。霞の彼方の更なる向こうが目指す小出の市街地である。一体あんなところまで行けるのかしらんという錯覚を感じるのもまた景観のスケールの大きさであろう。

     
谷の向こうの通    同左    奥只見湖
     
枝折峠から小出方面    枝折峠   

 小出ICから関越自動車道に入りしばし高速走行を楽しむ。一挙に緯度をワープした我々は月夜野ICで降り、広域農道「望郷ライン」を使い東へと進む。良く整備された道路、通行する車両も殆ど無く税金の無駄遣いの象徴とされている傾向のある広域農道であるが、ここ望郷ラインもまた例に漏れず絶景の中の快適ワイデング路。バイク乗りなら放っておけるわけがない。
 走りに没頭して写真が全く無かったが、今度来るときはゆっくりと景色を切り取りながら走って見よう。

走行軌跡 表示が遅い場合はこちら(軽量版)
走行距離:約450km  走行時間:約11時間(休憩含む)

2007年10月13日

新パートナーと古賀志山へ

 会社の若手であるH君を山に誘ったら二つ返事で行くことになった。山は初めてということだが、特に勧めなかったのに自主的にトレッキングシューズを買いに行くという熱心さである。

 さて、どこへ行こうかと思案したが、やはり宇都宮市民としては近場で馴染みやすいところ、コースの多彩さ、いずれも入門にふさわしい古賀志山を選択した。

 コースは北登山道から富士見峠、東稜見晴らし台-古賀志山-御岳山で昼食。H君の体力を見て余力があれば帰りは559に寄って中尾根、エスケープして北登山道という予定で出発した。

 駐車場に車を駐めていざ出発。赤川ダム脇の舗装路を歩いていくとH君既に息が荒くなってきた。それでも北登山道入り口から水場、ベンチ休憩所までは何とか上がってこれたが、この後斜度が幾らかきつくなると休み休み進む。思えば自分も今年の初めの頃は彼と同じだったなぁと思う。

 富士見峠にようやく到着する。H君かなり疲労困憊の様子。しばし休憩の後再スタートするも、「まだ登っていくんですか?」と不安げだ。

 ようやく東稜展望台へ到着する。晴れてはいるものの霞んでいて眺望はいまいちだ。それでも眼前に広がる風景でH君の苦労も幾らか解消されたようである。

 途中すれ違った人から、「山頂は沢山人がいるよ」と聞いていたが、なるほど古賀志山頂上はごった返すような人。めいめいに陣取って昼食の最中である。我々は当初より眺望良好な御岳山で昼飯にする予定だったので、荷も下ろさずにすぐ出発。賑わう山頂を後にした。

 赤い鳥居の社殿跡を過ぎて2つめの岩場。あっ!とH君が一声。足がつったようである。ここで何かあるといけないので、下から声を掛けながら無事通過を見届けてから岩に腰掛け小休止だ。御岳山はすぐ目の前だがここは慌ててもしかたが無い。下山時にこの区間は巻道を素直に行けば良かったと少し反省をした。

 H君、渾身の力を振り絞りようやく御岳山頂到着。登りでは辛そうだったその表情も好眺望で一気に明るくなっていく。食事をして大休止を取るとすっかり元気が戻ってきたようだ。

     
若手H君    559    鞍掛尾根よ、今冬は待ってろよ

 帰りはあまり無理をしないほうが良いと判断し階段コースから降りることにした。

 延々と続く階段を降りて車道歩きを暫くして、初めて歩くトリムコース方面へ入っていく。よく整備されたハイキングコースをのんびり歩けばやがて赤川ダムへ。H君ご苦労さまでした。

 感想を聞くと、途中辛い部分もあったが楽しかったとの事。月1位で行きましょうと逆に提案された。家内に続けて2人目の山行パートナー誕生である。

     
次はパラグライダー挑戦か?    階段は続くよどこまでも    トリムコースへ
     
緩やかな道    今日の古賀志山   

2007年10月08日

新大久保でチゲを食す

 今日は雨予報。うってかわってアウトドアから転じて家内のリクエストが以前からあった新大久保韓国街に行くことになった。

 湘南新宿ラインに揺られ池袋から地下鉄に乗り換え、まずは久々に息子のアパートに寄る。家内が春から何度か掃除に行っていたが、思った程散らかっていないものだ。自分が学生時代の頃は自慢ではないが惨憺たる状況だったことを考えると最近の若者はスマートに生きる事が身に付いているのだろうか。

 出かける息子と一緒にアパートを後にして家内と二人新大久保の駅に降り立った。横浜や神戸の中華街のようなまとまったものでは無いが、在日韓国人が寄り集まっていた地域が近代化して日本の街並みに融合した感じと言ったらよいのだろうか。そこここにハングル看板が合間を縫って見られるような感じである。

 韓流ブームがこの街を支えているのは間違いないと思うが、案外在日韓国人にも必要とされているような面も見られる。とにもかくにも小さいながらも韓国村なのだ。

 ネットでもうちょっと下調べをしておけば良かったと後悔するも、取りあえず適当に店に入って食事をすることにした。
 昨年の韓国旅行で本場のチゲの味を覚えてしまった我々は、先日も宇都宮市内の韓国料理店でチゲを堪能しているほどの韓国かぶれだ。オーソドックスなところでトッポギと豆腐チゲとチヂミとご飯を注文することにした。

 韓国の屋台で食べたものに比べると"オデン"や卵が入っていて料理然としたトッポギを懐かしみつつ、ふぅふぅと熱いチゲを口に運ぶ。相変わらずすっきりした辛さでうまい。遠慮がちな(きっと韓国人は日本料理をこう感じるだろう)味ではなくて思いっきりのよい味わいが妙に心地よい。

     
今日の昼飯は民族屋    トッポギ    豆腐チゲ
     
チヂミ    ご飯も揃って    韓流館

 韓国語が充満している店内を後にして、通りを挟んだ向かい側の「韓流館」というまさに韓流ブームに呼応したような店を覗いてみる。
店先に携帯が売られていたが、ここは在日韓国人向け。日本人と在日と、それぞれに必要とされているこの街を象徴しているような光景が興味深かった。

     
携帯も売ってる    韓国人中国人いらっしゃい    ハングルメールもOK

 店内は、韓流スターグッズからはじまり音楽CDや映画DVD、食品など韓国製のものが並べられている。
 即席ラーメンコーナーでは日本では有名な「辛(シン)ラーメン」以外にも様々な種類が並んでいる。酒のコーナーは韓国人が飲むポピュラーな酒である焼酎(ソジュ)、マッコリも並んでいる。ソジュのラベルを見るとはアルコールは20度。韓ドラではよく出てくるシーン、ストレートでこの300ml瓶を並べて飲んでいるところを見ると韓国人は酒が強そうである。

     
即席ラーメンコーナー    エビせんはワールドワイド    ソジュにマッコリ

 飲料コーナーも面白い。無理矢理日本語に訳した商品タグ。レスズビコーヒーって一体?と思ってよく見るとレッツ・ビーコーヒー。"ッツ"の発音が弱いのかな。

 韓流館で食品やCDを買い求め、更に街をぶらつくと「まっちゃん」なんていう店があったので記念撮影。

今回は表通りに面した部分だけしか歩いていなかったが、ネットで調べるとまだまだ奥深い街のようである。暫くしたらまたうまいチゲを食べに行こう。

     
飲料もいろいろ    レスビコーヒー?    まっちゃん
     
PC房(インターネットカフェ)    PC房    PC房
     
彼女の見し末は?    恥ずかしすぎるぞ韓流スター達よ(^^;   

2007年10月07日

ミツモチ山

-- 『e-trex Leggend US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 ここのところずっと雨の週末続きで、晴れても休みとの折り合いが付かずくすぶっていたのだが、ようやく秋の好天行楽シーズン到来。アウトドアな身にも心躍る季節がやってきたようである。

 家内を山に連れ出す企ても今回で4回目を迎えるが、今日のお山はミツモチ山{1248m}
高原山塊の端に鎮座するこの山は、県民の森側からもイージーにアクセス出来るハイキングコースとして子供達の遠足等にも親しまれているという。

 県民の森キャンプ場に車を置き、ガイドブックに従い登山道を少年自然の家方面へと進む。よく整備された気持ちの良いハイキング路だ。さすがに県が力を入れて整備しているだけのことはある。最近自分が登る機会の多い藪山とは天と地の差。まるで都会の中を歩いているような安心さである。駐車場に停まっていた他の車の主達は既に山へ向かってしまっているのだろうか、キノコ取りの2人組男性を追い抜くと静かな山道となる。

 体が温まり少し汗ばんで来る頃に第一展望台に到着。展望台にぽっかりと抜けるとそこにはアスファル道路が見える。ここまでは車が普通に上がってこれるのだが、この先は砂利の林道になり、暫くは山の中を歩くも、後半は林道に付かず離れずの串刺し登山路となっていく。

 家内はいささか拍子抜けした様子で、「ここまで車で来ればよかったのでは」。
帰りにピストンになってつまらないと説明したら納得したようだ。

     
道はしっかり整備されている    第一展望台より    安全安心な登山道

 第一展望台から第二展望台までは気持ちのよい山道を登っていくが、第二展望台からはジグザグに蛇行する砂利の林道を串刺しするように登山道が続いていく。場所によっては砂利道をそのまま歩く区間もあり、いささか飽きる区間だ。

 斜度的にはまったくもって緩慢路。呼吸も乱れる事無くのんびりと歩ける感じだが、水平距離は結構ある。日頃歩き慣れない家内の立ち止まる回数が段々増えてくる。

     
第二展望台    第二展望台より    林道を出たり入ったり

 最後まで林道と付かず離れずの状態でついに山頂直下の林道最高点に到達。山頂まであと70mの道標有り。
笹を分け入り一登りでミツモチ山頂上到着だ。木組みの展望台があるが、唯一の南面の眺望も眼前の木が伸びており今ひとつ。食事は林道の南側にある展望ポイントで取ることにした。

 展望ポイントには「ミツモチ山頂」の標識がある。地図上の山頂は明らかに先ほどの展望台地点なのだが、確かに眺望的にはこちらのほうがふさわしい気もするがこれってアリか?

 何はともあれ昼食休憩だ。天気予報通りに午後から若干雲が出だしてきて眺望は今ひとつだが、それでも気持ちのよい景色に今日も食事がうまい。先ほどまでじんわり汗ばんでいた体にすっかり秋めいた風が冷たい。

     
ミツモチ山頂上    展望ポイント    展望ポイントより矢板方面

 帰りは途中まで往路を下り、キャンプ場方面への別コースを辿った。こちらは林道の絡みもなく純然とした登山道だが、コース初めはよく目を凝らさないとルートの判別がしづらいような笹藪漕ぎ。通る人が少ないのだろうか。

 地形図を見る限り等高線が込んでいたので登りに使うのは家内がきつかろうと考えていたが、地図に示されている通りのジグザグ路故、さほどのきびしさでも無い。あまりにジグザグなので気短な人が笹藪の中に付けたショートカットも頻繁に出現。たまにそちらを利用しながら進んでいく。

 ジグザグの降下区間も終わり、帰りコースの半分も過ぎた頃だろうか、一つ尾根を超えた向こう側あたりから犬の吠え声が聞こえてくる。それも一頭ではなく複数だ。人間が連れていれば良いのだが、もし野犬の群れにでも遭遇したら厄介だなと多少緊張する。吠え声はあまり移動している様子も無く、また我々も彼らに近づいている感じもしないので取りあえずほっとした。

 禁猟期間に面倒を見きれなくなった猟犬を山に捨てていくハンターが居るという話を聞いたことがある。犬は元々単独では生活出来ずに必ず集団を形成する。そんな犬たちが寄り添っても不思議は無いだろう。ただ、文明の中で育った彼らが果たして自然の中で生き延びることが出来るかどうかは少し疑問が残るところだが、野生化とはこういったことかもしれない。

 往復約8Kmの山行も、県民の森の舗装路が見えてきてなんとか終了だ。後半は若干足元がおぼつかなくなってきた家内も、舗装路に出たときは歓喜と安堵の声をあげていた。

     
林道の最高点    紫の花が綺麗    笹深い下山路

概略コースタイム
キャンプ場駐車場発(11:00)-第一展望台(11:31)-第二展望台(11:54)-山頂(13:03)-
眺望ポイント着(13:10)-昼食休憩-眺望ポイント発(13:32)-下山路分岐(13:52)-キャンプ場駐車場着(15:03)

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    季節の移ろいと自然の姿に心惹かれるブログ主さんの記事は、山好きな人ならきっと共感することと思います。自分も長い間隠れファンでしたが、この度相互リンクさせていただきました。
  • 北関東の山歩き
    ご夫婦で仲良く山歩き。栃木県内や宇都宮近郊の山はもとより、HPのタイトル通り北関東の山並みを歩かれているNonさんのサイトです。楽しそうな山行記録を読みながら、「是非自分も歩いて見たい」と思うこと度々。
  • PIAN PIANO.
    バイク仲間であり山仲間のなおさんのブログ。ブログ名のPIAN PIANO.(ピアン ピアーノ)は、イタリア語で「あせらず、ゆっくり」という意味だそうです。

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