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2008年06月 アーカイブ


2008年06月29日

GPSMAP60CSx購入

080629_01.jpg

 ハンディGPSのトップメーカーであるGarmin社よりColoradoという最新鋭の機種が発売された。

最新機種が出れば昨日までの旗艦商品も型落ちの運命となる。諸行無常の響きあり・・・なのだが、最新の機種にいつも指をくわえている自分のような購買層にはチャンスである。

 写真左の一回り大きくてごついのが今回購入のGPSMAP60CSx、型落ちである。そして右側が今まで使っていたe-TrexLegendだ。

 ハンディGPSについて仔細にここでリポートするのは控えるが、今回のこの両者の大きな違いを一言で述べると飛躍的な感度の向上である。

 自分が歩くような山域だと、スッキリ見通しの良い稜線歩きというのは全行程のほんの一部、あるいは殆ど無い場合もある。特に樹林深き山道を辿っていると、ここ一番という時にGPSを覗き込んでLostSatelite(衛星失探)の表示にがっかりすることしばしである。当然ログ(軌跡)のほうも、次に衛星を捉えた時にワープ移動してしまう。

 まだ山では使用していないが、車で試しに使ってみたところ、機体の置き方に左右されず安定した素晴らしい感度を発揮している。Legendは液晶面上側にあるセンサー部が空を向いているのがベスト受信ポジション。バイクで使う場合は見やすさを考えて装着すると若干角度がつくものの、良好な衛星捕捉状態を維持できる。だが、登山の場合はザックに付けるとどうしても機体が垂直になるので、ただでさえ衛星波が届きにくい樹林の中では最も厳しい動作環境になってしまうのであった。

 また、GPSMAP60CSxは外見からも解るように機体上部に上を向いたアンテナが出ている。ザックの肩ベルトの所に装着してもアンテナが上を向いているので衛星捕捉がしやすいらしい。
 他にも改良されている点は沢山ある。

  • PCとのインターフェースがRS232CからUSBに変わって、データの転送速度が飛躍的に早くなった。
  • メモリにマイクロSDカードを採用。今回購入品は2GBが添付されていた。事実上地図の転送にはまったく不足は無くなった。ちなみにLegendは内蔵の8MBのみで拡張不可。
  • 液晶がカラーTFT画面になった。「ハンディGPSにカラー画面なんか要らない!」と思っていたのだが、あの小さな画面に"色"という情報が加わると随分と見やすくなるものだ。最近とみに進行してきている老眼には大変心強い限りである。

 まだまだ、他にもあるがこの辺でおしまいにしよう。

 ハンディーGPSは値段が高いというのが一般的な認識であるが、実は日本語が使えないUS(英語)版と、「株式会社 いいよねっと」がGarmin社よりハードと技術の供与を受けて日本語化を施した日本語版の2系統がある。
 日本語版は、ハードウェアレベルでオリジナルを改造しているという点と、当然内蔵のソフトも日本語化しなければならない点でコストが掛かっているのは事実。また、市場規模としてはそれほど大きくはないので、投資に見合う価格設定が必要である。これらが為にUS版のほぼ倍近い価格で販売されているのが実情である。皆さんがハンディGPSの価格を見て溜息が出るのは十中八九日本語版の価格を見ているからだと思う。

 価格設定については、日本の市場が高くても売れるという市場原理が働いているような気がしているのだが、この後述べるように「日本語化」とそれに伴う付帯サービスを楯にしているのだから仕方がないのであろう。

 日本語版は「上げ膳据え膳」の誰でも使える機種。US版は使えるようになるまでいろいろ工夫や努力をしなければならない機種。ざっと言ってしまうとこんなところか。
 地図一つとっても、目の玉が飛び出る程高い値段の高精細な10m等高線付きのデータも、US版では日本語表示の壁で使うことが出来ない。ところが世の中何でも自分で工夫してしまう人がいるもので、「自作地図」なんてものもあったりする。このような先人の努力によって付いた道をトレースすることになるのだが、これもなかなか棘の道であり、あまり人の歩かない山道を歩いていくのと似ていて、一筋縄ではいかないのだ。

 説明通りにうまく行かない、あるいは説明そのものが理解出来ない、ネット情報を漁ってなんとか先に進もうとする。そんな繰り返しは、枝道に翻弄されながらも地形図と磁石を頼りに目的に向かって進む喜びとどこか似ている気もするようで、ある意味面白いと言えば面白い。
 そういう苦労をしたく無い人は潔く財布から大枚をはたいて、安心な「道」を歩くことになるのである。

ちなみに今回購入したGPSMAP60CSxもUS版である。UUD製作所のUS版GPS向けの地図と2GBのマイクロSDカードがついて5万円ちょいであった。ちなみに日本語版は軒並み12万円以上の値段が付いているのである。

 5万円が高いかどうかは個人の主観だが、少なくとも今の私にとってはお得な買い物をしたと言って良いだろう。UUD製作所の地図も、今までUS版Legendで使っていた自作地図に比べれば遙かに見やすく、等高線も20m間隔ながら表示出来る。1/25,000地形図を元に作られているので紙の地図と並べても見やすいのは言うまでも無い。

 一刻も早く山で試してみたいという気持に駆り立てられるも、気合いの入った梅雨空にただただ溜息だけを付く休日の昼下がりであった。

2008年06月21日

尚仁沢湧水

 名水百選の名高い尚仁沢湧水。近年「名水パーク」なる施設が出来て、湧水地より引き込まれた水くみ場があるのは割と有名である。自分もバイクや車で県道63号を通り、「名水パーク」にある「はーとらんど」にも幾度となく訪れ、そしてペットボトル数本程度の「水くみ」も経験したことがあった。

 自分にとっての尚仁沢湧水はそんな程度の存在であったが、最近山を歩くようになってネットのいろいろな記録を調べると、尚仁沢湧水も湧出ポイントについての紹介が散見される。

 「名水パーク」から30分程ハイキングコース(のような)ルートで遡上するか、車で湧水ポイントの近くまで行って少しだけ歩くかのいずれかでアクセス出来るらしい。
 今回は空模様も怪しいので、家内と二人後者の楽々コースで奥地まで車を乗り入れた。

 県道63号を北上し、「はーとらんど」方面へは左折せず直進。県民の森方面へ右へ分ける道も構わずに直進。程なく左へ逸れる枝道がある。入り口に「水くみ場から先は通行止め」の案内板が出ている。ここを間違えて真っ直ぐ行ってしまうとアウト。(実際今回間違えた)

 左へ入って樹のトンネルの道を進むとすぐに行き止まりのゲートがある。車3台くらいの駐車スペースで先客1台。脇に詰めて駐車した。

 車を降りると既に左手下方から沢の音が聞こえている。やはり鎖がかかって車両の進入を拒む砂利道を下っていくと、一面に苔むす岩が水の豊かさを物語るように佇んでいる。

 尚仁沢の本流は一旦砂防ダムから流れ落ちて行く手を阻んでいるが、大きな飛び石が塩梅よく配されておりとまどうことは無い。ここを渡って向こう岸に登ればそこが湧水地である。

     
手前側が沢    苔むす岩    車で来たが既にこんな標高

 上手に尚仁沢の本流があるので川の源頭では無いが、見れば確かに行き止まりの地点からコンコンと水が沸き出している。ちょっとうまい表現が見つからないが、下からポンプで吹き上げているように水面が勢いよく盛り上がり、一気に激流に変化していく。

 早速持参の2リットルペットボトル2本と1リットルのポリタンに水を満たす。通年約11度という水温に手が痛くなった。

 森と水に包まれた心地良い場所ではあったが、森林保護の為火気の使用を禁じられている。車へ戻り「名水パーク」へと向かった。

 持参のストーブで沸かした「汲みたての」湧水で食べたカップ麺とコーヒーの味が最高であったのは言うまでも無い。

 見上げると、今日も梅雨空は中休みか?先ほどまで不機嫌だった雲間から青い空が顔を覗かせている。

     
水が沸きだしているポイント       湧水ランチ?

2008年06月17日

代休のキタイバ

 代休である。
 おさぼりでは無く代休である! と強調しておこう(笑)

 ここのところサーバーがダウンしたりと色々あった。平日なので会社でトラブルがあった時に携帯の通じない山はひんしゅくを買いそうなのでバイクで出かける事にした。

 向かう先は北茨城。ソロで久々に海を見に行く。

 快走ルートで知られる北茨城は、交通量も少なく比較的整備されたワインディング路が至るところにある。
 先人の探索した素晴らしい道を辿る旅。バイク乗りの為に作られたのではと錯覚してしまうような道を走り、久々にオンロードバイクの愉しさを堪能することができた。

 帰りに休憩したコンビニの駐車場で我がタイヤを見れば、久々に真ん中以外が仕事をしてくれた模様。真夏のような陽気の元、路面温度が上がっていたのかサイドが僅かに溶けている。そんなタイヤを眺めては来し方の峠道を振り返り想う。楽しいツーリングであった。

 走行履歴はこちら (変換ポイント数が多いので表示まで若干時間かかる可能性あり)

     
大子からの広域農道
正面は恐らく花立山
   昼食は海鮮丼    砂浜の焚き火が郷愁を誘う
     
   伊師浜海岸    R289四時ダム先

2008年06月14日

古峰ヶ原高原から夕日岳へ


-- 『e-trex Leggend US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 梅雨の季節でなくとも週末の天気予報には一喜一憂するアウトドアライフ。思いがけないご褒美のような梅雨の中休みに、あたためていた山行計画である古峰ヶ原~夕日岳縦走をを敢行することにした。

 分県別「栃木県の山」や下野新聞「栃木100名山」コースによるとかなり時間がかかるらしいしが、比べて我が脚力はいささか心許ない。今回はH君同行なので、古峯神社と古峰ヶ原峠にそれぞれ車をデポして、時間にして約1時間半、標高差約400mの登りを短縮をすることにした。

 古峰ヶ原高原入り口のあずまや前に着くと既に1台先客有り。横根山方面かあるいは我々と同じコースなのか。支度を整え工事中の林道を上がって行く。

 程なく右手に分岐していく古い林道に出会う。道標などは無いが間違うこともないだろう。林道に1歩足を踏み入れると輝かんばかりの緑が迎えてくれた。砂利を踏みしめながら清々しい心もちで進むと大天狗の鳥居が見えてきた。

     
古い林道への分岐    古い林道を進む    大天狗の鳥居

 遙か彼方の細尾峠への道標に導かれ尾根に取り付くと、新緑の耀きは一段と明るさを増し、降り注ぐような蝉の声に包まれていた。そんな森の力が充満した緑のトンネルを歩いていく。

 穏やかな坂道を登ってはまた下り、尾根は徐々に高度を上げていく。行者岳(ぎょうじゃだけ){1328.7m}の標高である1300m付近を中心にして、この後もひたすら上り下りを繰り返していく。

     
新緑のトントンネルを行く    行者平    行者岳

 勝道上人ゆかりの命名なるか行者岳。そして金剛童子や唐梨子山(からりこやま)。由来を知るのも面白いかもしれない。

 大岩山の手前で、我々の気配に気付き飛び出していった子鹿に遭遇。体高1m位であろうか、軽い身のこなしで急峻な斜面を駆け下りて行ってしまった。
そういえば今日は対向後続ともにハイカーは我ら2名のみ。このまま静かな山行になるのであろうか。

     
金剛童子    大岩山    唐梨子山

 まったくと言って良いほど眺望が無い尾根筋だ。時折西側に若芽に覆われた向こう側の日光の山々がチラっと見える。急な箇所こそ無いが、距離が結構あるので古峯神社への分岐点であるハガタテ平に着いた頃にはいささか疲れが溜まってきた。

 登りの本番はむしろこれからである。ハガタテ平から地蔵岳までは、今までの軽快な尾根を一旦離れる。一部崩壊した箇所を慎重に渡り、斜面に着いたジグザグの登山道を登る。一日の初めならそこそこに登れる感じだが、流石に2時間半以上も上り下りを続けてきた脚にはキツイ。脚をだましだまし登っていくが、しまいにはジグザグ一本一休みのペースへ。コース中精神的にも一番苦しいポイントであった。

 ジグザグを登り切って地蔵岳(じぞうだけ){1483m}の南東の明るい肩尾根に出る。上に向かって比較的きつめの道が続いているが、あの先が頂上であろう。気を取り直して一頑張りだ。

 フラフラになりながらも何とか到着。ガイドブック通り眺望は無いが、これで夕日岳(ゆうひだけ){1526.1m}までは残すところあと僅か。今回は長丁場なので、私とH君のコンディション次第で無理はすまいと考えていたが、残り体力と相談しても片道約30分の夕日岳ピストンはこなせそうである。

     
竜ノ宿    ハガタテ平    地蔵岳

 花に励まされながら登るのも良いが、新緑に力を貰いながらの山もまた良いものだ。ゴールが間近になり、碧い空もまた疲れた脚にエネルギーを与えてくれているような心もちになる。細尾峠への分岐のある三ツ目を越えて、ゴロゴロした岩の多いところから最後の登りにかかる。脚がなかなか先に出ないが、まぁ休めばヨシ。そんなことを繰り返してとうとう夕日岳へ到着した。

 それまで木々に遮られていた眺望が一気に解き放たれた。辛かった登りを称えるような、男体山の勇姿が雄大に広がり我々を迎えてくれている。

     
     
三ツ目    最後の登り    夕日岳山頂

 本日初めてのハイカーに山頂で会う。我々が山頂を後にする頃にももう一名。長丁場ながら結局今日会った人はこの二名限りであった。

 ザックに忍ばせておいたストーブ一式を取り出しお湯を沸かした。今日のランチはカップヌードル也。沸かしたてのお湯を得るため、長丁場コースで疲れるのも承知の上で余計な装備を持ってきてしまった。だが熱々のお湯だとカップヌードルも超インスタントコーヒーも最高。

 男体山から左に目をやると、道のようなものが見える。半月山へ至る道路のようだ。車であろうか、光が瞬くのが見えた。男体山の右下のほうには明智平の赤い屋根が見えた。三月の末に丁度真北の方に位置する丹勢山からも明智平が見えたのが想い出される。

     
夕日岳より    男体山を望む    明智平の建物が見える

 先ほどから少し風が強く、食事ですっかり冷えた体には寒く感じる程だ。後ろ髪を引かれる思いで素晴らしい景色の山頂を後にする。怪我の無いように気を引き締めて再スタートだ。

 ハガタテ平まで一気に降りて小休止。古峰ヶ原峠より登り詰めてきた稜線ともここでお別れである。一気に杉の深い森へ吸い込まれるように下っていく。

 下り始めるとすぐ湿地帯が現れ、クリンソウが群生している。地図には記載が無いが、ここより下った標高の低い所の沢の源頭のようである。実は唐梨子山の僅か手前にも湿地帯があり、同じ花が咲いていた。

     
毛が三本?       湿地帯に咲くクリンソウ
     
   群生している    清流

 沢が左の谷へ流れる頃になると山道もおしまいである。「是より登山」と手書きされた標柱を見るとそこは林道の終点だ。林道といっても、古峯神社側のゲートは固く施錠された関係者専用林道なので車の姿は全く無い。

     
名も無き巨石    是より登山?    林道終点であった

 長丁場も残りあと僅か(あと50分も)。よく整備された砂利道を淡々と進む。夕方にわか雨があるという予報通りに幾らか空が暗くなってきた。雨にやられなければ良いがと気を揉みながらようやく古峯神社駐車場へ到着。緊張感の切れた体をH君の車のシートへと預ける。長い長いそして充実した1日が終わった。

     
砂利道は続くよどこまでも    いやはや疲れた   

概略コースタイム
古峰ヶ原高原駐車地発(8:50)-大天狗の鳥居(9:06)-行者平(9:28)-行者岳(9:46)-
大岩岳(10:19)-唐梨子山(10:53)-ハガタテ平(11:15)-地蔵岳(12:01)-
三ツ目(12:22)-夕日岳着(12:44)-昼食休憩-夕日岳発(13:13)-三ツ目(13:44)-
地蔵岳(13:59)-ハガタテ平(14:28)-林道終点(13:53)-車道出合(16:24)-古峰神社駐車場着(16:40)

2008年06月08日

バイク仲間と若見山へ

 「若見山へ登りませんか?」と誘いがあった。

 どうひいき目に見ても体力が劣る自分が一緒に歩くのはかなり迷惑なのではと思い、以前から同様の誘いになかなか応じる事が出来なかったが、大勢で登る楽しさも味わってみたくなり思い切って同行を申し出た。

 参加者は基本的に皆バイク乗りであり、殆どの方と実際にツーリングでも一緒している。今回は日頃オフロードバイクで山野を駆けめぐるような登山指向のグループが集まった訳だ。

 ちょっと時間を読み違えてしまい、約1時間も早く集合場所の駐車地に着いてしまう。食べ足りなかった朝食を車の中で頬張りながらのんびりと時を潰す。昨夜の雨露に濡れた草をかき分けて水の音のする方へ歩み寄ると、砂防ダムから落ちる清冽な滝の姿が目に入った。

 支度をすっかり終えた頃には参加者全員が車やバイクで集合した。皆日頃から鍛錬を怠っていない感じのメンバーなので、予想していたもののいささか自分のペースに不安を感じる。まぁとにかく潰れないように頑張るしかないだろう。

     
登山口前の駐車地    18号鉄塔巡視路標柱    ひっそりと道標がある

 駐車地前の18号鉄塔の作業道を登って行く。「中高年の山登りと温泉」さんが設置された道標が静かに我々を迎えてくれる。露を充分に含んだ草を踏みしめながらジグザグの巡視路を登り始めた。

 今回企画主催のN氏の後を追って2番手に付く。パーティでは一番弱い者が2番と決まっているからだ。
 始めに自分のペースを乱すと後で苦しくなるのは解っていたが、リーダーの脚は屈強。とても同じ速度で登っては行けない。後ろに気を遣ってくれているのは充分にわかるのだが、何せ呼吸が上がって来るといただけない。序盤からこれでは後々もっと迷惑を掛けることになりそうなので堪らず呼吸調整の休止を申し出た。

 他のメンバーはと見ると、平静と会話を交わして呼吸の乱れなど微塵も見られない。大したものだ。メンバーがよほど鉄人なのか、それとも自分の心肺が極端に弱いのか。十中八九後者であることは疑いの余地も無い。日頃の登山では完全に自分のペースでしか登らないので今まで少し楽をしすぎたのかもしれない。

 この後も何度か緊急停止(笑)をお願いし、とうとう先頭でペースメーカーになってしまった。一度乱れてしまった呼吸は僅かな負荷でまた大きく波打つ。それでも何とか18号鉄塔へ到着してやれやれ一休みだ。

 天気は予報通りの曇。雲は少し高く、雨の心配は取りあえず無さそうだ。鉄塔の鉄骨越しに僅かな景色が見える。総じて眺望はあまり得られない山である。その代わりに、標高を上げながら変わっていく林層の変化が楽しい。秋にはきっと紅葉に抱かれながら、そして冬枯れの梢越しの景色も良いだろう。

 18号鉄塔からは小さなピークを越しながら比較的緩い斜面が続く。落ち葉の絨毯の道は脚に優しい。17号鉄塔への巡視路を分けたポイントからは山頂直下をほぼ直登気味に登っていく。これがまたキツイ。今まで経験した中では鞍掛山のクサリ場急登か鶏岳の9合目から上と良い勝負。

 流石に緊急停止の連続では申し訳ないので先に行って貰う事にした。あくまで鉄人な我が相棒達は淡々とペースを崩さず力強い登りで上を目指して行く。

     
18号鉄塔より唯一の眺望    鉄塔下で記念撮影    山頂直下の急登

 一人でトライアスロンでもやってきたかのような荒い息つかいで山頂へ到着。いつもは山名板だけがが静かに迎えている山頂だが、今日は仲間の笑顔がそこにある。

 若見山(わかみやま){1126m}の山頂は地図通り割と広い空間の中にあり、鋭いピークではないので周りの樹に風景が阻まれている静かな山頂であった。

 山頂から南東へ延びる尾根を一旦下り、17号鉄塔の直下で昼食となった。ここもかつては刈り払いがされて景色が良かったようだが、木々の成長が著しく残念な事に眺望は得られなかった。

 総じて景色には恵まれなかったが、単独や2人山行の多い自分にとってはなかなかに楽しい一日であった。惜しむらくはもう少し力を付けて(少なくとも心肺力は改善したい)メンバーのペースを乱さないように歩ければ良かった。うぅ~む。ここは一念発起してスポーツジムでも通うか(汗)

     
若見山頂上    17号鉄塔で昼ご飯    本日の軌跡

概略コースタイム
駐車地発(9:50)-18号鉄塔(10:20)-巻道分岐(10:57)-山頂(11:18)-17号鉄塔着(11:44)-
昼食休憩-17号鉄塔発(12:26)-巻道(12:33)-巻道分岐(12:43)-駐車地着(13:30)

2008年06月01日

梅雨入り直前の晴れ間

たろっぺ茶屋とGSX

 

梅雨入り前の渾身の晴れ。スッカンの天晴れとは今日の天気のことであろう。

 午前中は鹿沼にある運転免許センターで行われる【二輪車安全運転競技会】 へ出場するバイク仲間の応援へ。参加した仲間は各部門の準優勝総ナメという好成績を収めた。
 応援組は途中で抜け出し、ぷらっとプチツーリングで上永野にあるたろっぺ茶屋へ蕎麦を食べに行った。

 自宅に戻るとまだ日も高い。貴重な日差しの恩恵を無にするのも勿体ないのでちょいと運動がてら歩いてみますか。

 ちょいと歩くとなれば・・・

 そう。男抱山だろう。

 登山口の所のファミマでお茶ペットと山頂で食べるお菓子を一つ仕入れていざ歩かん!

 ただでさえマイナーな山なのに、流石この時間(3時半過ぎ)ともなると駐車地の車も人影も無し。

 30分位で男抱山頂上到着。日差しが強いので暑さが堪える。

 水を張った田がキラキラ輝いていて綺麗だ。

 山頂から真北に降りるルートは昨年偶然に歩いたことがあったが、今回様子を見ると木にマジックで「北口下山道」と書いてある。踏跡も随分はっきりしてきているので歩く人が増えてきたのだろう。

     
男抱山より    男抱富士より田口集落    北口下山道?

 西峰富士山へ向かう鞍部の道標も、今年の初日の出登山の時には無かった半蔵山コースが明示されていてビックリ。
 鞍部から真北に一旦降りて外周尾根の291mピークを越えて北北西へ向かうコースは去年私も随分考えていたのだが、どうやらルートとして確率されたようである。これは是非踏破せねばならないが、いかんせん草が深くなってきているので次回の冬までお預けとしよう。

 標識の充実ぶりはまだある。
 富士山から周回で下山していくと西側に面した岩場の景色が良いが、ここにも「大岩展望台」「小岩見晴台」と標識が賑やかだ。
 うーーん。道標は良いのだが、静かなる男抱山の一ファンとしてはあまり飾り立てられるのもちょっといただけない。心の中の自分だけの「大岩」を持てるのがこういった鄙びた山の良さなのではと贅沢な感慨に耽るのであった。

     
鞍部分岐 半蔵山へ?    大岩展望台だそうだ    こちらは小岩見晴台

 下山してみると実は登山口に既に「半蔵山ハイキングコースへ」と書いてある。そこまでハッキリ書くならよほどコース整備がされているのだろう。さて半蔵山側は如何にという疑問が頭をもたげだした。半蔵山の頂上に至るには必ず林道牛沢線を横切らなければならない。そこで本日のシメとして林道牛沢線を車で辿る事にした。

 R293から田口の集落へ入る部分でちょっと迷ったものの何とか林道の入り口に到達。右上を見ると先ほどまで自分が居た富士山の頂上の岩が見える。

 林道とはいえ路面は完全舗装だ。落石や砂なども無いが、一カ所上の木から太いつるが垂れ下がって道を塞いでいる所があった。これを強行突破すると車の屋根にキズが付くので一旦降りて丁寧に除去。

 林道最高標高地点(約430m)付近に若干駐車可能な路側があり、このちょっと先の右手に道標を発見する。「男抱山へ」の標識の向こうには、まだ背が低い草の中に延々と道が伸びている。やはり地図で考えていた通りの地点で林道と合流しているようだ。ここの道標に従い少し進めば林道から山頂へ向かう道にまた道標が付けられていた。
 かつての道無きピークへの面影が薄らぐのも寂しいが、やはり安全に登れるのは歓迎である。

 宇都宮市街から見える身近な山。意外な程に山容が大きい半蔵山。一度は登って見たいと思っている。
 南西の493mピーク、そこから西北西の471mピークへとつないで鞍掛峠をまたぎ、鞍掛山へ。当面の目標かな。

     
写登山口に立派な道標が
こちらにも半蔵山コースとある
   林道牛沢線最高高度地点付近から男抱山へ続く道    半蔵山登山口

概略コースタイム
登山口発(15:30)-山頂着(16:00)-富士山発(16:30)-登山口着(16:50)

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