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篠井富屋連峰縦走

アーカイブ:宇都宮近郊の山達  日時: 2007年03月04日 22:00

篠井富屋連峰は少なからず縁がある山系です。
家内の実家から見渡せるこの山系、随分前からいつかは登ってみたいと思っていました。

以前、「こどもの森」が出来てから一度だけ榛名山の途中までひやかしで登ったことがあるのですが、今回は篠井連峰より富屋連峰へとロング縦走です。

今日の相棒は、第二志望ながらも合格通知を手にした受験生の息子です。第一志望の発表はまだ一週間先になりますが、そちらは現在のところほぼ絶望的らしくすっかり受験の緊張が切れた様子。
暇をもてあまし気味故、「山に行くか?」に二つ返事での同行となりました。

いつものようにガイドブックやネット、事前のコース調べは充分にしたつもりでしたが、先週の「かまど倉」の一件もあるし、一番情報が"濃い"中篠井登山口より登ることにします。

まずは「こどもの森」駐車場へ車を止めてトイレで用を足してから出発。
トイレ脇にも登山口があることを確認。次回登る時はこちらから行くことにして、今回は県道77号をテクテクと北上すること6~7分。中篠井登山口に到着したのがほぼ10時です。

民家の裏側を失礼して通過{登山道なのでしかたがない}しながら樹林の中を進むと、やがて「こどもの森」からの林道と合流、その後、男山への直登コース分岐から右へなだらかに登る頃になると足元の岩が多くなってきます。

つい先日まで受験勉強に忙殺されていたとはいえ、部活で鍛えていただけに息子(18才)は全然息が上がらない。こちらは既に息が乱れ始めています。

尾根に辿り着き、気持ちのよい稜線を辿ると程なく今日の一座目である榛名山(524m)へ到着です。

    

(写真左)中篠井登山口
(写真中)岩が多い登山道
(写真右)尾根到着


天気は晴れているのに遠望が効かないのは春霞故か。3月上旬とはとても思えぬ暖かさ(暑い?)でじんわりと汗ばみます。
榛名山頂より先ほどの尾根分岐まで戻り本山に向かう途中、寄り道をするような感じで男山(527m)へ到着。
景色的にはほぼ榛名山と同じですが、山頂間の直線距離が280m位しか離れていないので至極当然でしょう。

息子曰く。「男山があるなら女山は無いのか?」
なるほど。確かに一般的にはそういうものだなと妙に感心しながらも次の本山を目指します。

男山から一旦少し高度を下げて山頂直前は急登。先行していた中高年グループも流石にペースダウンしている様子。我々も喘ぎながら登って行きます。
篠井富屋連峰は、古賀志山に劣らずメジャーな山域なのでしょうか。登山者に随分沢山出会いました。
なるほど道標もよく整備されているし、まず迷うことも無いと思います。

    

(写真左)尾根分岐から気持ちの良い榛名山方面への稜線
(写真中)榛名山山頂(まっちゃん本人です。ちょっと腹の出具合が×)
(写真右)男山山頂(こちらは息子。一応ポーズとってます)


本山(562m)は連峰の最高峰。眺望も360度ということでしたが、やはり霞であいにくの景色です。冠雪の男体山位は見たかったのですがちょっと残念です。景色は次回登頂のお楽しみですね。

    
    
(写真下右)本山より榛名山と男山

本山山頂ではおなじみのカップラーメン昼食です。
幸いな事に先着の団体さんが山頂を後にするところだったので、ラーメンにお湯を注ぐ頃には比較的狭い山頂も我々二人の貸し切りとなりました。
麓の篠井サーキットからカートのエンジン音、射撃場の発砲音、はたまた丁度12時のお昼のサイレンが聞こえてきたりと、案外下界の音が多いのにはちょっと閉口ですが里山はこんなものかな。

さてさて後半戦の一番手である篠井連峰南端の飯盛山(501m)へと向かいます。

本山から小ピークをいくつか登り降りしながら飯盛山山頂手前の急登ポイントへ到着。
そびえ立つこの急登。地形図の等高線を見ての通り、まさに予想通りの急登でした。
ロープが無いのでここは下りの方がきついかもしれません。山頂から下ってきたご夫婦は、奥さんが腰が引けてしまっていてご主人が後ろから「そこは右、そこは左!」と声を上げていました。

飯盛山山頂は眺望はあまりよくありませんが、適度な広さがあり先客が昼食をとっていました。
もうあと少しだけ周りの木を切ってくれると、かなり景色が開けそうな感じです。

山頂で給水小休止の後は本日最大の難所。トラロープゾーンを降りて行きます。
各サイトやガイドブックでも案内されている通り、足元が良く滑ります。雨の後などはロープにしがみつかないと降りられないかもしれませんね。
写真だとまったく迫力不足ですが実際はかなり難儀しました。息子は運動靴でずるずる滑りながら苦戦しています。

    

(写真左)飯盛山山頂
(写真中)山頂よりの下り
(写真右)下り切ったところから


無事難所をクリアすると、程なく舗装林道が左下に見えて来ました。
篠井連峰に別れを告げ林道を暫く歩きます。道標に導かれ高舘山登山口より再び心地よい落ち葉を踏みしめながら富屋連峰へと進みます。

徐々に高度を上げて小ピークから更に一登りで高舘山(476m)へと到着。
だだっ広い山頂は明るい雰囲気があり、ポツンと佇む石仏が迎えてくれました。今まで歩いてきた篠井連峰の山容がよく見えます。
日光サーキットを走る車の爆音がちょっとうるさいのが残念。そのうち静かな平日にでも是非訪れてみたいものです。

    

(写真左)林道より青嵐峠、高舘山方面への道標
(写真中)高舘山、山頂
(写真右)榛名山、男山を望む

    

(写真左、中)高舘山、山頂
(写真右)黒戸山へ向かう途中、樹林がまったく無い山腹より半蔵山を望む


高舘山を後にして黒戸山との中間点、伐採で樹林がまったく無い坊主地帯があり、ここに道標もないクイズのような分岐があります。
道なりに真っ直ぐ、左上のピークに向かってほぼ並行に2本の道。
地形図と現在のGPSのポイント(樹が無いので衛星はしっかり補足)を見るに間違いなく左のピークを目指すべきと判断し一登りすると、伐採の影響なのでしょうか。ぷっつりと道跡が途切れてしまっています。

よく確認してみると踏み跡があり、その更に先にしっかりとした山道がありました。
どうやら先ほどの別な道のどちらかにつながっているようです。しっかり整備されたコースである今回の山行で一番判断を要した局面でした。

この後は徐々に高度を下げていく感じの道のりで、途中の小ピークの一つとも思える黒戸山(415m)へ到着。

    

(写真左)黒戸山、山頂
(写真中)大網方面
(写真右)学林払下? どこかの学林だったのでしょうか


黒戸山を後にして高度を下げていくと砂利林道に出会い、更に進むと間もなく真新しい舗装林道に出くわしましす。
ガイドブックにも載っていなかったのでかなり最近に作られたのでしょうか。
それにしても一体こんな場所に何故こんなアスファルト路が必要なのか、理解に苦しみます。

連峰最後の兜山(372m)への取り付きを探しますがちょっと解りづらくて苦労しました。
この新舗装路をほんのちょっと進むと以前からある林道に出会い、ここをガイドブックの説明に従い右へ進みますが、登山口など一体どこにあるのやらといった感じです。

少し歩いてみるとありました。登山口。ひっそりと。(下、写真左)
ここからほぼ直線で進みますが、横に巻いている作業道を何本かやり過ごしながら若干の不安を感じながらもガイドブックにも記載のある大岩の地点に到着。かなり大きな岩です。

この岩を巻ながら進むと程なく山頂へ到着です。
山頂は樹々に覆われ鬱蒼とした雰囲気ですが、少し先の岩だなからは大網方面が良く見えます。

この兜山の南側に同じ標高の鬼山がありますが、国土地理院の地図の記載ミスという珍しい現象で、鬼山と兜山が入れかわっているようです。
従って地図の記載の兜山が鬼山。北側の無名の372mピークが兜山になります。

  

(写真左)兜山登山口(これはわかりづらい)
(写真右)兜山、山頂


連峰縦走の締めくくりである兜山を後にして、心地よい疲労感と爽やかな充実感に抱かれながら林道を降り田川の橋に辿り着くと、そこに携帯で連絡していた家内と娘の乗る車が見えました。長い長い縦走も無事終了です。

車に乗り「こどもの森」駐車場まで向かう道すがら、連峰を眺めながらよくぞこんなに歩いたものだと我ながら感心してしまいました。

今回の縦走路。各ピークの標高値だけ見るとさして苦労の無いコースのような気がしますが、地形図を眺めると案外起伏に富んだ行程ということがわかります。そして何より実際歩いてそのことを実感として感じとることが出来ました。

息子は4月から栃木を離れて学生生活を始める予定ですが、子供を送り出す父親として、そんな感傷も交えた素晴らしい山行でした。


※※ おまけ ※※

今回、私としてはこれほどにハードな登山をこなしたのにも関わらず、翌朝の寝起きの体の痛さはほぼ皆無。
毎週のようにあちらこちらを彷徨い歩いているのでその成果ありや。とほくそ笑んでいましたが、
翌日の日中からその翌日にかけてしっかり腿の痛みが出てきました。
初回山行の鞍掛山翌日(手すりに捉まらないと階段が登れなかった)に比べりゃ遙かに軽いですが、何よりも時間が掛かってダメージ出るところがブルー。メタボなお年頃です。


概略コースタイム
子供の森駐車場(9:50)-中篠井登山口(10:00)-榛名山(10:50)-男山(11:10)-本山(11:40)-
(昼食)-飯盛山(12:50)-高舘山(13:50)-黒戸山(14:40)-兜山(15:20)-徳次郎の田川の橋(15:50)

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コメント (5)

スミタチ:

こんばんは、ぢみさん。相変わらず山登られてるんですね(^▽^)
前にもコメントしましたが、山登りを取り入れたツーリングやってみたいです♪
それと、ぢみさんのブログを自分のブログにお気に入り登録しようと指示通りやっても登録できません^^;
一応yahoo以外のものも登録できるはずなんですが・・・。
ぢみさんならやり方を知っているのではとちょっと相談です。

まっちゃん:

すっかり山にはまってしまいました。

ただ、春先から夏、初秋にかけては、クマ(最近は里山も危なそう)・スズメ蜂・マムシ、と、デンジャラスゾーンになっちゃうんで、今のうちにと、せっせせっせ登っています。

真夏はちょっと高めの山にも挑戦したいですね。(単独行は危険ですが)

ブログのお気に入りの件ありがとうございます。
私もYahooID持っているのでちょっとやってみます。
何か解ったら連絡しますね。

あ、あと、ここにコメントする時、URL欄にスミタチさんのブログのアドレスを書かれるとよいですよ(^_^)

プー吉:

こんばんは!
標高500M以上の山なんですね!平坦で500mは短いけど、山では案外高いですよね!
息子さんもお父さんの後を継いで登山家かな(^^ゞ
山で寝転ぶ息子さんは最高でしょうね!
まっちゃんさんもお若いですよね!
私より年下ですよね、多分・・^^;

でも本当に眺めが良い所ですね!
榛名山・飯盛山・・どこかで聞いた名前(^_-)
今回の山道は険しそうですね!勾配もきつそう!

山でのラーメンはマタマタ美味しかったでしょう(^_-)ネッ

次回はお決まりかな!?
またまた楽しみにしています(^_^)

まっちゃん:

プー吉さん。こんばんは。

>まっちゃんさんもお若いですよね!

50歳まであと僅かの猪年、年男です。

見た目はともかく、腹のたるみ具合と体力の無さはもはや初老か?といった感じですよ。
最近薄暗いところで字が見えなくて難儀してます。
また、プログや掲示板も一般的には随分小さなフォントですが、せめて自分のサイトは楽に読み書き出来るようにデカ字にしてます(^○^)

早速TRYしましたら登録出来ました(^▽^)流石ぢみさん!自分はこの手の知識は非常に乏しいので助かりました。前に自分でやってみた時は、上記表記されているアドレスをコピーして貼り付けてやってみたのですが当然ながら失敗に終わったんですね^^;

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