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2007年、歩き納めの雨巻山

アーカイブ:県東の山達  日時: 2007年12月24日 21:54

-- 『e-trex Leggend US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 2007年の登り納めは栃木と茨城の県境にある人気の山、雨巻山である。

 年初に鞍掛山へリターンライダーならぬリターンハイカーとして登って早一年。学生時代に登山部に在籍したとかそういった類では無く、子供の頃のレジャーの思い出がハイキングがメインだったという意味でのリターン組。歳を重ねると、子供の頃に理解出来なかった親の趣味に共鳴出来るようになるのはやはり親の「教育」のたまものなのだろうか。あるいは単に追体験への安心感からなのだろうか。
 数年前なら何を好きこのんで・・・としか考えられなかったハイキングであったが、気が付いてみれば週末にどこぞの稜線を歩いていないと落ち着かない程までになってしまった。

 さて、雨巻山へ話を戻そう。

 計画当初は22日(2007年12月22日)に予定していた。しかし、事前の天気予報で週末に移動性の低気圧接近が予報されており、H君と協議の末24日に変更した。実際22日と翌日の天気予報は概ね的中し、とても山行出来る天候ではなかったので正しい判断であったのは言うまでも無い。

 ところがどうだろう、24日の朝になってみると明け方から滅多に無いような濃霧に包まれている。天気予報では晴れを報じているが、実際益子に向かって車を走らせても一行に霧が晴れる気配が無い。景色の無い中を歩くのもまぁ一興だろうと覚悟をしていたら、大川戸にある登山者専用駐車場に着くほんのちょっと手前で、それこそベールを剥いだように一瞬にして霧が晴れ渡った。気象とはまことに面白いものである。

 雨巻山はさすがに人気の山らしく、コースや駐車場の整備はかなりしっかりしている。大川戸の駐車場は概ね数十台は駐められるであろうスペースと、仮設ではあるがトイレも設置されている。ここを起点としてほぼ楕円形の周回縦走コースや、谷を途中まで縦貫する林道から左右の尾根に登る幾つものコースがある。更に東側の栗生方面からは数コースが登山道として設置されている。今回は駐車場から西側の尾根に登り、三登谷山から雨巻山を経て東の尾根を辿り周回するコースを選んだ。

 整備済のコースが多彩なので、古賀志山のように縦横無尽な踏み跡は殆ど見られなかった。ショートカットをするにしても既存のコースで間に合ってしまうのが理由であろう。また、今回歩いた周回コースは"猪転げ坂"が少し急なのを除けば終始穏やかな勾配なので、年配者や小さな子供連れでも縦走の醍醐味を味わうことが出来ること請け合いだ。

 

 駐車場からまだ舗装が続いている細い林道を歩いていくとすぐ道標があり、右手の樹林へ吸い込まれるような山道が付いている。ここをじわじわと登っていき汗をかき出す頃には景色のあまり良くないピークに到達。梢越しに三登谷山が見える。この後は南に向かって稜線を辿りながら高度を上げていくことになる。

 暫くして登り詰めるとパッと東側の眺望が開けた。三登谷山(みとやさん){433m}頂上である。

     
大川戸駐車場    梢越しの三登谷山    三登谷山頂上

 山頂を吹き抜ける風はしっかり冬の冷たさだ。汗ばんだ体も一気に冷やされ、慌ててジャンバーをはおり直す。

 北の方角に目をやると芳賀富士のシルエットが美しい。小さな山だが見事な円錐形だ。今冬に是非登ってみたいものである。

 三登谷山を後にして再び尾根を辿る。途中景色の良いポイントも多く、尾根道も明るく気持ちよい。幾つかピークを越していくが、総じて斜度は緩めで実に鼻歌交じりの縦走コースである。
 それでも最後の僅かな急な登りを終えればそこが雨巻山(あままきやま){533m}の頂上だ。

     
三登谷山頂上より日光方面    芳賀富士    展望の良い尾根
     
変わった枝ぶり    終始気持ちの良い尾根道    賑わう雨巻山頂上

 東側が大きく開けており、遠く水戸の街並み、さらにその向こう側に太平洋が見渡せる。広い山頂にはベンチが4~5基設置されているので昼食にはもってこいの場所だ。先客のハイカー達が豚汁とシャンパンでクリスマスイブの祝杯をあげている。

 時間が少し早かったので我々はもう少し先に行ってから昼食にしようと思い小休止をしていると、何やらこの先に展望台がありそこから富士山が見えるとのこと。この先5分という道標に導かれ行ってみることにした。

 一旦山頂から高度を下げて平坦な部分に櫓組の展望台が設置されていた。展望台の上からは西から南への眺望が素晴らしく、たまたま居合わせた人が雨巻山に詳しい人で、景色の解説をしてくれた。

 うっすらながらも富士山も確かに見える。コンディションの良い時にはくっきりと山姿が見通せるそうだ。また、新宿の高層ビル群、池袋サンシャインビルなども肉眼ではっきりと見ることが出来た。今日はあいにく双眼鏡を持ち合わせていなかったのが残念であったが、もし展望台に寄らずに行ってしまったら・・・と思えば至福の時間を過ごせた事に感謝である。

     
雨巻山頂上より太平洋側    展望台より首都方面    同、富士山を望む

 山頂に戻ると程よい時間になったので我々もここで食事とすることにした。
 山頂はなかなかの盛況ぶりで、こんなに人の沢山いるのは古賀志山と釈迦ヶ岳に次いで三番目だ。まぁ逆に今まで如何にマイナーな所ばかり歩いていたかという事になるのかも知れないが。

 縦走の後半は山頂から一転して北回りとなる。始めなだらかだった下りもくだんの"猪転げ坂"でストンと高度を落とす。ジグザグに付けられた道を歩いていけば大したことは無いが、なるほどこの斜度では真っ直ぐ降りたら猪も転がり落ちるだろう。

 前々回の仙人ヶ岳で洗礼を受けた膝痛だが、今日は登りからストックをしっかり使い、アップダウンも常に気を遣って歩いていたつもりだった。ところが、猪転げ坂手前の下りでやはり痛みが軽く出始めてしまった。これは抜本的に対策を講じなければならないだろう。取りあえずスクワットで筋力アップが必須だなと痛感した。

 猪転げ坂を下りきったあたりで、こんな事もあろうかと準備してきた膝サポーターを装着する。サポーターの類は生まれて初めて身につけるので加減が解らない。ちょっときつめにして歩き出したら、「アイタタ」こりゃ膝痛どころじゃないや、鬱血しちゃうよ、ということで緩めにする。ただ、きつめの方が膝がはかなり楽なのでもう少し装着方法に工夫が必要なのかもしれないとも思った。

 一旦高度を下げたものの再び尾根は登りに転じ、大川戸への下山路を分かち2つめのピークが御嶽山{433m}である。

     
左加波山、右筑波山    急坂の猪転げ坂    周回最後の御岳山

 眼下に足尾山、その先に送電線が北へ向かって綺麗に引かれている様子が見てとれる。

 足元の40度はあろうかと思われる絶壁のような下り道があり、ここを鎖を頼りに降りていけば足尾山を経て下山することも出来る。だが足尾山は景色が望めないということもあり、眺望が良いとされているコースを進むべく一旦分岐まで戻り、本日最後の眺望を楽しみながら降りていく。途中崩壊した祠があるあたりから、道は一転して暗い樹林の中に吸い込まれていった。

 気になっていた膝痛だが、サポーターのお陰か、慎重に歩いたせいか、意外にダメージが深く無かった。だがやはり下りで膝に気を遣いながら足を出すのでは楽しさも半減してしまう。歩き初めて1年目で洗礼を受けた膝痛であるが、来年は何とか克服を目指したいところである。

     
御岳山より北側    足尾山へ向かう超絶下降    崩壊した祠

概略コースタイム
駐車場発(9:18)-三登谷山(10:05)-雨巻山頂上(11:08)-展望台(11:24)-雨巻山頂上着(11:32)-
昼食-雨巻山頂上発(11:52)-猪転げ坂通過(12:21)-御岳山(13:06)-駐車場着(13:57)

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コメント (4)

せろー:

まっちゃん こんばんは
雨巻山 良いですね。展望も良いみたいで、今度登ってみたいです。

先週中ほどから 風邪を引いてしまい 連休中はダウン 床の中で唸ってました。今日はすこし楽になって仕事してきたところです。
初日の出男抱山 ご一緒させてください。集合時間 場所等あとで連絡ください。よろしく。

まっちゃん:

せろーさん、風邪でしたか。
連休は思わぬ骨休みになってしまったようですね。

男抱山ご来光登山計画ですが、

AM6時に墓地前の登山口からスタートしますが、現地集合現地解散ということでお願いします。
また、天候急変や先日のように濃霧で景色が絶望的な場合は中止します。
現時点で元旦の天気予報は晴れ、日の出時刻は6時50分位の予定です。

大体30分ちょい位で山頂に着く予定なので、ちょっと早すぎる可能性もありますが、
万一、他にも同じ考えの人が沢山居て車が置けなかったりとかその他不測の事態も考えられることと、日の出前の神秘的な時間帯も堪能したいのであえて早めに動くことにしました。

歩き始めは勿論ヘッドライト装着の必要があるのと、正直暗い山道は未経験なので明日の早朝同時刻に下見で登山口の様子を偵察してこようと思っています。

プー吉:

こんばんは!
今年の登山納めは雨巻山。益子町にあるんですか!?
山の名前はあまり詳しくないですが、聞いた事が有るような・・。
でもこの近くって地図でみたら通っているんですよ(^_-)
さすがに登りはしないですがね(^^;
でも景色が良い所ですねぇ~。周りに大きな山がないと一面見渡せるのがいいですよね。

ヤッパ山だと寒さが違うから防寒対策はしっかりしておかないと体が冷えてしましますよね。
次回の山開きはいつかな(^^)

まっちゃん:

プー吉さん、こんばんは。

益子あたりは低いですが結構良い山が沢山あります。
このぐらいの標高だと真夏は虫が多かったり暑かったりで難儀します。
従って冬の寒い時期はこれらをクリヤしてかつ葉も落ちるので景色が良いため、まさに今が旬です。

低いといっても山の上はヤッパリ寒いです。
登るときは汗ばむのですが、立ち止まると途端にひんやり。
服の調節が難しいです。

次回山開きは3日後の元旦、ご来光登山ですよ!

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