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高山で森林浴

アーカイブ:日光の山達  日時: 2009年07月11日 18:47
-- 『GPSMAP60CSx US版』+『カシミール3D』+『国土地理院地図閲覧サービスデータ』にて作成 --

 高山(たかやま){1667.5m}はiいつか登ってみたい一座だったが、山頂からの眺望に乏しいということでなかなか足が向かなかった。

 先日ネット仲間のNonさんが高山から千手ヶ浜に降り、西の湖から低公害バスを使って小田代原経由で歩いてきた記事を掲載されており、これに触発されてしまった。まだ梅雨が明けていないこの時期の山行なら単純に歩きだけを楽しむのも良いだろう。

 五月の赤薙山以来ご無沙汰のH君に声を掛け、彼の車で竜頭滝駐車場へ。結構早い時間なのに既に車が沢山駐まっている。奥日光の予報は「曇」、男体山も上の方はすっかり傘を被っている。そんな梅雨空でも、人気観光地は新緑を楽しみたい人達で賑わっている。

 駐車場から少し戻り道標に従いアスファルト路を進むと、突き当たりからが登山道。防護柵の扉を押して進むと一面の広葉樹の森が迎えてくれる。笹も青々としている。体全体に緑の息吹を感じながら進む森林浴登山の始まりだ。

     
ここから登山道    防護柵    気持ちの良い森林浴

 山頂からの主尾根の末端に位置する峠に辿り着き、左を見るとコース外の小高いピークがある。事前に地図で気になっていた1506mPへ続く方角だ。見ると、落ち葉の敷き詰められた斜面は草も無く見通しも良い。GPSに1506mPへのコースを忍ばせてきているのだから確信犯なのだが、「H君、ちょっと寄り道しようか」などと涼しげに自分。

 初めの斜面は地図で示される以上にキツめの直登。あとは等高線に無い小ピークが2つ程。年期の入った巨木に目を奪われながら緩い斜面を登ると静かな1506Pへ到着した。プチ寄り道もまた楽し。

     
道草せいでか    何も無い1506P    道草から復帰

 道草から復帰して本コースへ戻る。峠からは犬連れの夫婦と抜きつ抜かれつで進む。道はしっかり整備されているしコース自体も険しくない。これで山頂の眺望が良ければさぞ人気のコースになっただろうにと惜しまれる。

 山頂直下のジグザグを登る頃になると時折雲間から陽が差し込んでくるようになった。ふと樹間から景色もちらほら見える。さぁ、あと一登りだ。今日はH君のペースがいつになく遅いようで、お陰で自分は珍しく息が乱れない。

 山頂は既知ではあったが見事に眺望無し。まぁ登路が気持ちよかったから全然気にはならない。

 途中にも見かけたが、緯度経度の書いたプレートが山頂にもあった。念の為に照合してみると、分の下の桁が少しずれている。一応測位誤差は±4mなのでかなり正確な筈だ。事実帰宅してログを落としてもきっちり三角点の場所なのでどうしたことかと調べると、表示単位が違っていたのだ。プレートは分以下の桁が秒。GPSは分を少数で計算して表示しているという違いであった。そういえばGPSの設定で表示を変えられたなと思い出す。早速秒設定に変更した。

     
高山頂上    微妙に差が・・・    2ヶ月ぶりで調子いまいちのH君

 暫し休憩の後、中禅寺湖を目指して下山開始。それにしても良く整備されたコースだ。さして難しくも無い所に真新しい鎖が設置されていたりと、行政の力の入り方が伝わってくるようだ。事故を出してイメージダウンしたく無いのだろう。

 比較的だらだらとした下りは膝に優しいことこの上も無し。緑のシャワーを浴びながらのんびり進むこのルートは、日頃の仕事のストレスを癒すには持ってこいのように思われる。

 小田代原へ直接降りる道を分ける無名峠では、峠を吹き抜ける爽やかな風に包まれながら眼下に広がる緑の風景に贅沢な溜息をつく。

     
ゴージャスな鎖    緑が眩しい下山路    無名峠から

 谷沿いに降りる頃になると、沢音が聞こえだし、沢が幾筋も合流する頃になるとそれまで主役一辺倒だった笹に代わり、これまた青々とした草原が拡がり始めた。まもなく中禅寺湖の水面が見えて来て下山はお終いとなる。

 岸辺に近づくと、白砂と澄んだ水が美しい。騒がしい観光客もここにはいない。静かな岸辺だ。秋の紅葉の時期はどうだろうか。また訪れてみたいものだ。

  
中禅寺湖はすぐそこ    白砂が美しい

 湖岸のよく整備された遊歩道を伝い千手ヶ浜へと向かう。途中大きな岩があったり、様々に表情を変える湖岸を楽しみながら進むと、やがて遊覧船の桟橋が見えてきた。

 低公害バスの停留所の場所を示す案内板を確認してから食事とする。他にもバス待ちで昼食を広げているグループがちらほら。中には昼寝を決め込んでいる夫婦も居た。皆それぞれに奥日光の静かな一日を楽しんでいるようだ。

  
千手ヶ浜桟橋    千手ヶ浜にて

 定刻通りにやってきたハイブリッドバスからは時間的にハイカーの姿は無く、大半が重そうな一眼カメラを手にした人達が降りてきた。入れ替わりで我々も車中の人となる。

 小田代原の停留所で降りて竜頭滝方面への周遊道を目指したが、停留所では無くて周遊道入り口で降ろして貰えば良かったと後で後悔した。だが、車道歩きも案外風景が良かったので結果オーライだろう。(下・左写真)

     
小田代原       戦場ヶ原

 周遊道は、後半の何処までも続く笹原にいささか食傷気味になるが、コース最後の滝は爽快!今日はどちらかというと山以外が主役。そんな奥日光森林浴ハイクであった。

     

概略コースタイム
駐車場発(9:01)-(途中会社から電話有り10分中断)-道草分岐の峠(9:38)-1506P(9:46)-峠へ復帰(9:55)-
高山頂上着(10:48)-再出発(10:55)-無名峠(11:25)-中禅寺湖岸(11:58)-千手ヶ浜着(12:16)-昼食休憩-


低公害バス
千手ヶ浜発(12:45)-小田代原着(13:03)


小田代原発(13:05)-遊歩道入口(13:15)-戦場ヶ原展望台(13:29)-駐車場着(14:13)

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コメント (5)

Non:

 こんばんは。ご紹介いただいた通り、私もつい最近歩いたところなので、知らないうちに
そうそう!という同感にも実感を込めていました。ここは何より緑が気持ちよかったですね。

 そういえば熊窪と呼ばれる湖岸は、先手ヶ浜などに比べると静かで落ち着きますね。
秋の紅葉も抜群にきれいそうです。どちらかというと半島のある南岸の方が有名ですが、
それを反対側から眺められるわけですし。

 ところで、Hさんはかなりお久しぶりで…(^^) あえて山から離れていらした(=嫌いに
なっていた)わけではないんですよね? ここから再スタートですね(^^)

けむ:

道草ピークへの尾根がいい感じです。
歩きやすそうに見えますが、ほかのところも同じような植生でしょうか。
といいますのは、高山の登り始めの尾根から南側に張り出した尾根に、凹地らしいものがあるのがなんだか気になるるる・・・

今回のまっちゃんのルート図を見て初めて知りましたが、竜頭の滝の茶屋は地獄茶屋っていうんですね。これも気になります。なぜ地獄? まあググれば出てきそうですが。

ああ~奥日光っていいなあ~。
今日みたいに暑い日には特にそう思ったりします。

まっちゃん:

祝!梅雨明け。


いよいよ夏到来ですね。でも暑いのはあまり好きでないでですが、碧い空、白い雲、アルペンお山が待ってるぜということでまずは梅雨明け歓迎。


>Nonさん
そういえばあの湖岸は熊窪でしたね。何か名前があったなぁと思っていたのですが、地形図には記載が無かったのでうっかり。
あそこは静かで綺麗で良かったです。熊窪で食事しても良かったなぁと今になって思ってます。

H君は山が嫌いになった訳ではないのですが、なかなか都合が付かずロングブランク。今回はいつにも無くイージーコースでしたが何故か足の付け根のあたりが下山時に痛かったそうです。
体重が有るので歩き方を少し変えた方が良いのではと一応アドバイスしました。


>けむさん

道草したあたりから上の標高とあの辺りでは若干植生が異なります。
また、基本的に広葉樹の自然林ですので案外歩き易いです。
今回の道草ピークから東北東の尾根を辿れば(少し踏み跡あり)登山道の箇所にショートカットで到達出来そうな感じもしますが、途中で最大の難関のネットが待ち受けている可能性大です。

凹地って、
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.aspx?b=364523&l=1392630
のことでしょうか?
確かに、張り出した支尾根を南に行くと簡単に行けそうですね。
そのあとはスキー場へ下山ですね。

Non:

 こんばんは。ご報告に上りました。そうです、3日から気がかりだったデータの破損、
ウチのHPは無事に復旧しました! ご心配下さって、本当に有難うございました!!
 改めて申し上げるのもなんですが、ああいう書き込みって嬉しいもんだな…と、すごく
思いました~。
 で、バックアップは、今日はちょっと無理そうなので、明日にでもFTPをちょっと
勉強して、それから実行しようと思います。ひとまず御礼&ご報告でした。

まっちゃん:

データ復旧良かったですねぇ。

私にとってはNonさんの記録も貴重な資料ですので一安心です。

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     こんばんは。ご紹介いただいた通り、私もつい最近歩
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    栃木の山とその周辺の低山を巡る日々「里山逍遥」。もぉ、このタイトル見ただけで直ぐに相互リンクを申し込んでしまいました。新田次郎さんと飲んだことがあるという凄い方です。登山に対するフランクな考え方も共鳴できます。
  • リンゴの叫び!
    季節の移ろいと自然の姿に心惹かれるブログ主さんの記事は、山好きな人ならきっと共感することと思います。自分も長い間隠れファンでしたが、この度相互リンクさせていただきました。
  • 北関東の山歩き
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